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  • 教育方針
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薬学科の3つのポリシー
(ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー)

安田女子大学薬学部は、本学の建学の精神「柔しく剛く」に基づき、真理の探究に努め、学生に幅広く深い教養と人文・社会・自然系諸学に関する知識を授け、主として生命科学、薬学及び関連諸学に関する専門の学術を教授研究することによって、知的、道徳的及び応用的能力の展開を図るとともに、人類の健康と福祉に寄与する人材を養成することを目的として、薬学に関わる諸学の知識を入学者に広く深く授け、知的・道徳的及び応用的能力を育成します。
本学部薬学科(以下「本学科」という。)では、大学及び学部の目的に沿って、生命科学・薬学分野の学術を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力の展開を図るとともに、専門的職業人として人間性・創造性豊かな薬剤師を養成することを目的とします。
本学科は、その教育的側面をこれまで以上に充実するために、3つのポリシー「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」「教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)」「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)」を以下のとおり定めます。

1 卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
      建学の精神「柔しく剛く」に基づく大学及び学部・学科の目的を達成するために、本学科で養成する人材が、卒業時に身に付けておくべき能力・態度の修得を本学科の教育目標とします。

    以下の6つの能力・態度を身に付け、教育課程に定められた所定の単位を修得した学生に対して卒業を認定し、学士の学位を授与します。

(1)教育目標
    • ① 倫理観・使命感
      医療人として、幅広い教養、豊かな人間性、高い倫理観を兼ね備え、社会の規範やルールに従い、生命及び人間の尊厳に対する畏敬の念をもとに、医療に携わる薬剤師として安心・安全な医療に貢献する使命感を身に付けます。
    • ② 知識・技能・態度
      医療を担う薬の専門家にふさわしい基礎薬学・応用薬学・臨床薬学に関する十分な知識・技能・態度を修得し、社会において活躍できる能力を身に付けます。
    • ③ 思考力・判断力・表現力
      卒業までに修得した知識・技能・態度を駆使して自ら課題を発見し、課題の解決に取り組むことのできる思考力と判断力、課題解決の成果を的確に伝えることのできる表現力を身に付けます。
    • ④ 自律性の確立
      薬剤師として生涯にわたり自らを高め続け、医療の進歩・高度化に対応できる力を有するだけでなく、主体的に他者と対話し、他者との連携を通じて新しい価値を創造することができる能力を身に付けます。さらに、そのように共創された価値や自らの体験を次世代の医療人に伝えて育成する意欲と能力を身に付けます。
    • ⑤ 社会性・コミュニケーション能力
      人の健康と医療に関わる者として、他者と積極的に意思疎通を図り、連携・協同するために必要な社会性とコミュニケーション能力を身に付けます。
    • ⑥ 多様性の受容と理解
      チーム医療において他職種との効果的連携・協同を実現するために、自分とは異なる価値観や視点を受容・理解し、他者と協力して学び合うことができるだけでなく、人を思いやる柔軟な態度も身に付けます。

2 教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

本学科で学ぶ学生一人ひとりが学修を円滑に開始し、学士課程を通して広く深い学識を身に付け、薬学が人間の生命に関わる学問であることを踏まえ、豊かな人間性と高い倫理観、そして幅広い教養の上に、薬学の専門性を身に付けて、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を達成し、社会の中で主体的に行動できる人材になることができるように教育課程を編成・実施します。


(1)教育内容

本学科の教育課程は、「特別科目」「共通教育科目」「専門教育科目」を体系的に編成し、薬学系人材養成の在り方に関する検討会による「薬学教育モデル・コアカリキュラム」平成25年度改訂版を基に、本学独自の講義科目や実習を加え、教養教育・専門教育・実務実習の3者が有機的に組み合わされた6年制教育課程を編成します。すべての授業科目に一般目標(GIO:General Instructional Objective)と到達目標(SBO:Specific Behavioral Objective)を定め、これらの目標の達成によって、卒業の認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を実現します。
「特別科目」は、建学の精神「柔しく剛く」に基づき、「まほろば教育ゼミ」を入学時より4年間開講します。「安田を知る」「学びを知る」「自分を知る」「社会を知る」ことを活動の軸に倫理性を培い、総合的な判断力と豊かな自己表現力の獲得を目指して、教員と学生が協同して運営します。
「共通教育科目」は、「キャリア科目」「教養科目」「基礎科目」で構成します。各学部・学科の垣根を越えたクラス編成によって、分野の異なる学生とともに多様な授業科目を学ぶことができます。
「専門教育科目」は、「基礎薬学科目」「医療薬学科目」及び「薬学演習・卒業研究」で編成します。「基礎薬学科目」及び「医療薬学科目」は、第1年次から段階的・系統的に開講し、実践の学びとしての薬学を体系的に学びます。その間、臨床医学の知識にも接することで、チーム医療の中の一員としての自覚を促します。第5年次には、病院及び薬局での実務実習を通して、医療現場で薬剤師に求められる知識・技能・態度を身に付けます。第5・6年次では、「薬学演習」及び「卒業研究」を通じ、医療現場における課題発見・解決能力の育成、そして研究マインドの醸成を図ります。さらに、基礎薬学の反復教育(臨床から基礎への振り返り学修)を実施するほか、本学科独自のアドバンスト科目も開講します。
本学科における主要な教育内容は、次の6つにまとめられます。

    • ① 倫理観・使命感の育成
      医療人である薬剤師には、人を思いやる真摯で節度ある態度(ヒューマニズムと倫理)と使命感が求められます。「共通教育科目」「専門教育科目」に加えて、特別科目「まほろば教養ゼミ」において、ヒューマニズムや倫理観・使命感の醸成につながる責任感や協調性を育成します。
    • ② 知識・技能・態度の育成
      専門職としての薬剤師には、知識と技術に裏打ちされた判断力と表現力が必要です。薬学における基礎から臨床にわたる専門知識の教授は前述の「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に準拠し、実験実習とも組み合わせながら、系統的に実施します。
    • ③ 思考力・判断力・表現力の育成
      臨床の現場では、事象をよく観察し、効果や危険を予測して的確な判断を下す能力が求められます。そのような能力を身に付けるために、第5・6年次には卒業必修科目として「総合薬学演習」を設け、科学的根拠と論理的考察を基に問題を解決する応用力を涵養します。さらに同時期に実施される「卒業研究」では、課題の発見・解決、そして成果発表のための総合的能力を身に付けます。
    • ④ 自律性の育成
      臨床の現場で活躍する薬剤師には、医療の進歩に対応し続けるための自己研鑽力、研究マインド(問題発見・解決能力)、そして次世代の薬剤師を育成するための能力が求められます。そのような能力を身に付けるために、本学科では薬学臨床科目、卒業研究等を開講します。
    • ⑤ 社会性・コミュニケーション能力の育成
      薬剤師が医療者として、社会の一員としてその職能を発揮するには、他者と積極的に意思疎通を図り、連携・協同できることが必要です。本学科では、そのような能力を演習・実習、卒業研究における友人、仲間との関係性のなかで培います。また英語科目において、英語による情報収集・発信のための基礎的能力を身に付けます。
    • ⑥ 多様性を受容して理解する能力の育成
      自らの価値観や視点と異なる他者や文化の多様性を受容して理解すること、人々と協力して学び合うこと、他者を思いやるやさしさは、複雑化・国際化する現代社会を生きるために欠かせない能力です。本学科で学ぶ学生は、特別科目「まほろば教養ゼミ」で実施される講演会、「専門教育科目」の演習での討論(SGD:Small Group Discussion)を通じ、そのような能力を身に付けます。


(2)教育方法
  • ① 多様な授業形態
    「専門教育科目」では、下級の年次には物理・化学・生物を中心とする基礎薬学科目を、上級の年次には薬理・薬剤・薬物治療を中心とした医療薬学科目を段階的・系統的に配置します。医療現場で通用する実践力を身に付けた人材を養成するために、講義で修得した知識が、演習・実習を通じてより確かなものになるよう、「専門教育科目」では、講義と演習・実習が系統的かつ有機的に組み合わされて配置します。
  • ② シラバスによる授業の目標・内容・方法・評価方法等の明確化
    授業は、目標・内容・方法・評価方法等を具体的に記載したシラバスに沿って実施します。シラバスの内容や評価基準及び評価方法等は組織的に確認し、教員間や教員と学生間で共有します。
  • ③ 教育課程体系の明確化
    教育課程の体系を明確化・可視化して共有するため、科目ナンバリング及びカリキュラム・マップにより学修成果の達成にどの授業科目が寄与するかを示し、カリキュラム・ツリーにより学修成果の達成に向けてどのような授業科目が関連し年次配当されているかを示します。これらのことから、学期と年次の進行ごとの学修の進展、授業科目間の相互関係を容易に把握することができます。
  • ④ 自主的・能動的学修(アクティブ・ラーニング)の推進
    論理的思考力、課題発見・解決能力及びコミュニケーション能力を育成するため、アクティブ・ラーニングを実施します。具体的には、課題解決型学修(PBL:Project-Based Learning)や少人数での討論(SGD)を取り入れた少人数教育科目や統合教育科目を開講します。また、学生全員がコンピュータを持つこと(全員にノートPC配付)で、授業内外で積極的に活用することにより、高度なICTスキルを養います。
  • ⑤ 体験型学修の推進(視野の拡大・経験の拡充)
    医療に関わる職業人に求められる広範な視野や視点を身に付けることを目的として、キャリア教育科目(共通教育科目)、実習科目(薬学専門教育科目)の中に、実社会・地域社会の多様な人々との協創を主体的に体験できる科目(学修機会)を設けます。
  • ⑥ CAP制度
    授業外の学修時間を確保し、単位制度の実質化を図るため、履修登録ができる単位数の上限を定めるCAP(キャップ)制度を設けます。
  • ⑦ チューター制度
    各学年のクラスにはそれぞれ担当教員(チューター及び副チューター)を配置し、学生の学修・生活両面での相談にのって助言を行います。また、教員は全員オフィスアワー(OH)を少なくとも週2時間設け、これを周知し、その時間を使って学生からの相談に対応する環境を整えます。
  • ⑧ 教育の質の確保
    高い教育の質を保証するため、教員に対し教育者としての行動を律する「学生との良好な関係を築くための教職員行動指針」及び「教育に関するガイドライン」を定めるとともに、教員の教育資質を高める研修、学生による授業評価アンケート、授業公開・参観、教員自身による教育活動に関する自己点検・評価を実施します。

(3)学修成果の評価
    • ① 成績評価 本学及び本学科の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げた知識・技術・態度の達成度を評価します。各授業科目の担当教員は、あらかじめシラバスに明示された成績評価方法によって、学修成果の評価を客観的かつ公正に行います。
      ア 「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に準拠した授業科目と本学独自の授業科目の評価
      「薬学教育モデル・コアカリキュラム」には、「薬剤師として求められる基本的な資質」が①薬剤師としての心構え、②患者、生活者本位の視点、③コミュニケーション能力、④チーム医療への参画、⑤基礎的な科学力、⑥薬物療法における実践的能力、⑦地域の保健・医療における実践能力、⑧研究能力、⑨自己研鑚、⑩教育能力として明示されています。そして、これらを身に付けるための一般目標(GIO)と、各GIOを達成するための到達目標(SBOs)を設定します。そのため、「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に準拠して開講される授業科目については、上記のGIO とSBOsを基準にした達成度により、評価が実施します。
      「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に準拠した授業科目も、本学独自の授業科目も、授業科目ごとの評価基準と評価方法は、シラバスに記載します。
      イ 実務実習の評価
      「薬学実務実習に関するガイドラインに基づいた実務実習の評価」が、大学と実習施設との連携の下で行います。ここでは「薬剤師として求められる基本的な資質」への到達度と学科で設定した教育目標への到達度の両方が評価します。最終的には、実習施設による評価を踏まえ、実務実習実施計画書に明示された評価指標に基づき、学科において総合的な評価が実施します。
      ウ 卒業研究の評価
      卒業研究における計画と実施は、卒業研究を実際に指導した教員が評価を実施します。しかし、卒業研究の成果をまとめた発表については、卒業研究を実際に指導した教員を含む複数の教員が、共通の評価票を用いて評価を行います。

  • ② GPA制度の採用
    学生の成績を客観的・相対的に把握するためにGPA(Grade Point Average)制度を採用します。チューターは、GPAを使い、CAP制度(履修登録単位数の上限設定制度)の基での履修指導のほか、担当クラスに属する学生への学修指導も行います。なお、第3年次及び第5年次への進級には、それぞれに定められた単位の修得を必要とします。


3 入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

多様な入学試験制度を設け、全学共通の「建学の精神」に加え、学科独自の「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」と「教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)」に沿った教育を受けることができる者として次に掲げる入学者を広く受け入れます。


(1)求める入学者
    本学及び本学科で求める能力・適性を有する人材を養成するために、次のような人を求めます。
  • ① 人の健康と医療に強い関心がある人
  • ② 薬剤師になることを強く志望し、そのために努力・精進する強い意志を持つ人
  • ③ 薬剤師として、医療を介して社会に貢献したいという熱意のある人
  • ④ 社会性及び豊かなコミュニケーション能力を有する人

(2)入学者に求める能力
  • ① 高等学校卒業程度の十分な基礎学力を有し、本学の教育及び薬学教育に耐え得る基礎学力
  • ② 理科・数学における基礎的な知識及び科学的な思考力
  • ③ 日本語・英語での読解、表現、コミュニケーションに必要とされる基礎学力
  • ④ 社会で活躍するために必要な知識・技能・態度を、入学後の学修を通して修得できることに加え、自ら課題の発見と解決に取り組むことのできる思考力・判断力・表現力
  • ⑤ 多様な人々と協力して学び合うために必要な主体性・協調性・知的好奇心・旺盛な学修意欲


(3)入学試験制度

本学科で学ぶために必要な知識・技能、思考力・判断力・表現力及び意欲・適性を見るために、以下の入学試験を公正に実施します。

<入学試験の種類>
  1. ① 自己表現型選抜
  2. ② 総合型選抜(専願)
  3. ③ 総合型選抜(併願)
  4. ④ 学校推薦型選抜(指定校)
  5. ⑤ 一般選抜(前期A日程、前期B日程、前期C日程)
  6. ⑥ 一般選抜(後期日程)
  7. ⑦ 大学入学共通テスト利用選抜[前期日程]
  8. ⑧ 大学入学共通テスト利用選抜[後期日程]
  9. ⑨ 大学入学共通テスト利用選抜[薬学部薬学科特待生選抜]
  10. ⑩ 編入学試験

※2023年 4月現在



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