本学は、本学園の創設者安田リヨウの建学の精神「柔しく剛く」(やさしくつよく)を具現化するために、諸学の知識を広く深く教授研究し、自尊の人格、豊かな教養、思いやりの心を持つ真に自立した女性を育成し、有為な人材として社会に送り出すことを目的として、学生の知的、道徳的及び応用的能力の育成・展開を図ってきました。
本学では、3つの方針、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマポリシー)、教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)及び入学者の受入れの方針(アドミッションポリシー)を以下のとおり定めて展開し、本学の教育の一層の充実を進めてまいります。
卒業認定・学位授与の方針(ディプロマポリシー)
・養成する人材像
建学の精神「柔しく剛く」に基づく本学の目的を達成するために、養成する人材像として「人を思いやる豊かな人間性、高い倫理観を持ち(柔しく)、諸領域での専門的知識・技能に精通し、現代社会の諸課題を見いだして解決策を創造し表現する力を持ち(剛く)、社会の中で主体的に行動できる人材」を掲げます。
・教育目標
「養成する人材像」が、卒業時において身に付けておくべき能力・態度を更に具体的に示すと以下のとおりであり、その達成を教育目標とします。
- (1)使命感、倫理観
文化の創造と社会の発展に資する幅広い教養と豊かな人間性と高い倫理観を持ち、社会の規範やルールに従い、使命感を持って権利と義務を適正に行使できる能力を身に付けている。 - (2)知識、技能と態度
講義、演習、実験、実習、実技及び卒業論文・研究の作成等を通して、学部・学科の専門知識・技術を修得し、社会において活躍できる能力を身に付けている。 - (3)思考力・判断力・表現力
修得した知識と技能を持って、自ら課題を発見し、課題の解決に取り組み、その成果を表現するために必要な思考力・判断力・表現力を身に付けている。 - (4)自立性の確立
主体的、批判的精神を持って、自己を律し、自ら主体的に他者と対話し、連携して新しい価値を創造し、生きる力、生涯を通じて成長し続ける力を身に付けている。 - (5)社会性・コミュニケーション能力
他者と積極的に意思疎通を図り、他者と連携・協働して、実社会で活躍できる社会性、コミュニケーション能力を身に付けている。 - (6)多様性の受容と理解
多様化、複雑化する現代社会において、文化の多様性や、自らの価値観や視点と異なる他者を受容・理解し、人々と協力して学び合い、人を思いやる柔軟な態度を身に付けている。
・卒業の認定及び学位の授与
「養成する人材像」で示した能力・態度を身に付けて、各学部・学科の教育課程に定められた所定の単位を修得した学生に対して、卒業を認定し、学士の学位を授与します。
カリキュラム(カリキュラムポリシー)
卒業認定・学位授与の方針(ディプロマポリシー)を達成するために、学生一人ひとりが大学での学修を円滑に開始し、学士課程を通して広く深い学識を身に付け、あわせて、豊かな人間性、高い倫理観や課題解決力を有し、社会の中で主体的に行動できる人材となることができるよう、教育を展開します。
このための教育課程編成・実施の方針は、以下のとおりです。
・教育内容
教育課程は、各学部・学科に共通した教育課程と学部・学科独自の専門教育課程とで編成しています。
また、特別科目、共通教育科目及び専門教育科目を体系的に編成し、講義、演習、実験及び実習等を適切に組み合わせた授業を展開します。
- (1)特別科目
建学の精神「柔しく剛く」に基づき「まほろば教育ゼミ」を入学時より4年間開講します。
具体的な内容としては、倫理性を培い、総合的な判断力、豊かな自己表現力の獲得を目指して、「安田を知る」、「学びを知る」、「自分を知る」及び「社会を知る」を活動の軸に教員と学生が協働して運営しています。 - (2)共通教育科目
基礎科目、教養科目及びキャリア科目より構成されています。
これらの授業科目の具体的な内容は、以下に記載するとおりです。
また、学部・学科の垣根を越えたクラス編成によって、分野の異なる学生とともに多彩な授業科目を学ぶことができます。
基礎科目:基礎科目は、大学への適応及び学修スキルの修得、将来に向けての学びの計画作りに取り組む初年次教育として位置付けています。
具体的には、多様な情報を収集・分析し、効果的に活用する技術を習得する「情報処理科目」、国際社会で活躍する職業人育成の基盤となる「外国語科目」、健康で豊かな生活を送るために必要な運動技術・知識を習得する「健康スポーツ科目」、大学での学びを円滑に進めるための基礎学力を固める「基礎養成科目」で構成されています。
教養科目:複雑化、多様化する現代社会を生きるに当たっての基礎知識の修得と市民性の涵養を目指して、人文科学、社会科学及び自然科学の基本的視点・考え方の修得を図ります。
キャリア科目:自身の人生設計をしていくための知識や考え方を修得するとともに、社会の中で必要とされる思考力、判断力、表現力を身に付ける講義、演習及び実習から成り立っています。
- (3)専門教育科目
学部・学科では、「各学部・学科の目的」に基づいて各学問分野の専門教育科目を体系的に開設し、専門分野の知識や技能、技術の修得を図ります。
・教育方法
- (1)多様な授業形態
大学、各学部・学科、そして各授業科目の教育目標に沿って、講義、演習、実験及び実習等を適切に組み合わせて実施します。
それらの教育課程は、基礎から発展へと段階的・系統的に配置しています。 - (2)グローバル化や情報化の進展
ICT教育、多様な価値観や異文化を理解するための語学教育、特に英語教育、グローバル教育及び海外留学制度を充実させます。
ICT教育及び英語教育では、習熟度に基づき少人数のクラス編成で行います。 - (3)シラバスによる授業の目標、内容、方法及び評価方法等の明確化
授業は、目標、内容、方法及び評価方法等を具体的に記載したシラバスに沿って実施します。
また、シラバスは、その内容や評価基準及び評価方法等を組織的に確認し、教員間や教員と学生間で共有されます。 - (4)教育課程体系の明確化
教育課程の体系を明確化し、可視化して共有するため、科目ナンバリング及びカリキュラム・マップにより学修成果の達成にどの授業科目が寄与するかを示し、カリキュラム・ツリーにより学修成果の達成に向けてどのような授業科目が関連し年次配当されているかを示します。 - (5)学生参加、自主的、能動的学修の推進
授業内外で学生と教員、教員間や教職員間の対話を促進する取組みを進め、学生、教員及び職員が共同して学生の意見・状況等を反映した自主的、能動的学修の推進を図ります。
eラーニングを授業の一部に組み込み、学生全員がコンピュータを持つこと(全員PC供与)で、高度なICTスキルを養います。
また、共通教育科目・専門教育科目いずれの授業科目においても、アクティブラーニング、問題解決型学修を取り入れ、他者との協働によって問題の解決に取り組んだり、発表したりする機会を設けます。 - (6)視野の拡大・経験の拡充
将来、社会人や職業人として広範な視野、多角的な視点を備えるべく、特別科目、共通教育科目で多様な授業を開講するのみでなく、可能な限り他学科で開設されている専門教育科目の受講を可能にしています。
また、学生自らが求める専門性を学術的にも実践的にも高め、多様な地域社会,国際社会,産業界で主体的に活躍できるようにするため、学内外での実習、演習、ボランティア活動、インターンシップ、プロジェクトワーク、フィールドワーク、海外留学等のプログラムを各学部・学科において編成しています。 - (7)CAP制度
授業外の学習時間を確保し、単位制度の実質化を図るため、履修登録ができる単位数の上限を定めるキャップ(CAP)制度を設けています。 - (8)チューター制度等
各学科学年のクラスにそれぞれ担当教員(チューター)を配置して、学生の学修・生活両面での相談にのり、助言を行います。
また、教員は全員オフィスアワー(OH)を少なくとも週3時間設け、これを周知しています。それ以外の時間にも連絡が取れるように、教員は全員「大学携帯電話」を常時携行しています。 - (9)教育の質の確保
高い教育の質を保証するため、教員に対し教育者としての行動を律する「教職員行動指針」及び「教育に関するガイドライン」を定めるとともに、教員の教育資質を高める研修、学生による授業評価アンケート、教員自身による教育活動に関する自己点検・評価を実施しています。
・学修成果の評価
- (1)成績評価
大学及び各学部・学科の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマポリシー)に掲げた知識・技術・態度の達成度を評価します。
各授業科目の担当教員は、あらかじめシラバスに明示された成績評価方法によって、学修成果の評価を客観的かつ公正に行います。 - (2)GPA制度の採用
学生の成績を客観的・相対的に把握するためにGPA(Grade Point Average)制度を採用しています。
この制度は、履修登録単位数の上限設定制度(CAP制度)や、学外実習・科目履修における評価基準として活用します。
アドミッション(アドミッションポリシー)
「建学の精神」、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマポリシー)及び教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)に基づく教育を行います。
受験生の学習歴に配慮し、能力・適性等を多面的に評価することにより、広島県はもちろん近隣県や全国各地から広く優秀で多様な入学者を受け入れるために、多様な入学者選抜方法による入学試験制度を実施しています。
入学者受入れの方針についての具体的な内容は、以下のとおりです。
- (1)求める入学者
積極的で、向上心に富み、人間と自然を愛し、旺盛な学修意欲を持って、異なる考え方や文化を尊重し、主体的で他者との共生を図りながら社会で活躍したい人を求めています。
地域社会、日本及び世界の諸課題に関心を持ち、文学、教育学、心理学、ビジネス学、家政学、薬学、看護学等に関心を持つ人並びに本学及び各学部・学科の教育目標に共鳴し、他者と協力して課題を発見・解決しようとする熱意を持つ人を広く求めます。 - (2)入学者に求める能力
本学の教育を受けるに必要な基礎学力を持ち、有為な人材として社会で活躍するために必要な知識、技能と態度を入学後の学修を通して修得し、自ら課題発見・解決に取り組むことに必要な思考力・判断力・表現力を深め、多様な人々と主体的に協力して学び合う能力を獲得すると期待できる知的好奇心が旺盛で学修意欲の高い学生を求めます。 - (3)入学試験制度と評価・判定方法
入学希望者に広く門戸を開き、各学部・学科で学ぶために必要な知識・技能、思考力・判断力・表現力、態度を見るために、以下に示す多様な入学者選抜方法による入学試験を公正に実施します。
<入学試験の種類とその評価方法>
- ① 自己表現型選抜
授業理解試験、面接、書道実技(書道学科のみ)、出願書類(自己推薦書・調査書)を資料として総合的に判定します。
- ② 総合型選抜(専願)
基礎学力調査、面接、書道実技(書道学科のみ)、出願書類(自己推薦書・調査書)を総合的に判定します。
- ③ 総合型選抜(併願)
基礎学力調査、書道実技(書道学科のみ)、出願書類(自己推薦書・調査書)を総合的に判定します。
- ④ 学校推薦型選抜(指定校)
小論文、書道実技(書道学科のみ)、出願書類(高等学校長の推薦書・調査書)を資料として総合的に判定します。
- ⑤ 一般選抜(前期A日程、前期B日程、前期C日程)
学力試験、書道実技(書道学科のみ)、出願書類(調査書)を資料として総合的に判定します。
- ⑥ 一般選抜(後期日程)
学力試験、書道実技(書道学科のみ)、出願書類(調査書)を資料として総合的に判定します。
- ⑦ 大学入学共通テスト利用選抜[前期日程]
大学入学共通テストの得点と出願書類(調査書)を資料として総合的に判定します。
- ⑧ 大学入学共通テスト利用選抜[後期日程]
大学入学共通テストの得点と出願書類(調査書)を資料として総合的に判定します。
- ⑨ 大学入学共通テスト利用選抜[薬学部薬学科特待生選抜]
原則、大学入学共通テストにおいて、本学が指定する4教科6科目の合計得点率が75%以上の者から、成績上位20名までを特待生として認定します。
- ⑩ 社会人特別選抜
入学時に23才以上の女子を対象とし、小論文、面接、書道実技(書道学科のみ)、出願書類(調査書)を資料として総合的に判定します。
- ⑪ 編入学試験
文学部、教育学部、心理学部、現代ビジネス学部、家政学部生活デザイン学科については、第3年次への編入学試験を実施し、基礎学力調査、面接、書道実技(書道学科のみ)、出願書類(自己推薦書、短期大学・大学の成績等)を資料として総合的に判定します。
薬学部への編入学試験は、入学定員に余裕がある場合に限り実施します。編入学年次は、第3年次又は第4年次とします。
第3年次編入:薬学部又は薬学部と同等のカリキュラムの内容を持つ学部に2年以上在学(休学期間を除く。)し、62単位以上を修得した者(見込の者を含む。)を対象に、口述試験と出願書類(大学の成績)を資料として総合的に判定します。
第4年次編入:薬学部又は薬学部と同等のカリキュラムの内容を持つ学部に3年以上在学(休学期間を除く。)し、93単位以上を修得した者(見込の者を含む。)を対象に、口述試験と出願書類(大学の成績)を資料として総合的に判定します。
※前述の入学試験のうち、①自己表現型選抜、②総合型選抜(専願)、④学校推薦型選抜(指定校)、及び⑩社会人特別選抜は、合格した場合必ず入学することが条件となる専願制の入学試験です。
安田女子大学、安田女子短期大学では、3つのポリシー(ディプロマポリシー、カリキュラムポリシー、アドミッションポリシー)を基に、学生の学修成果の到達状況を「機関レベル」、「教育課程レベル」、「科目レベル」の3つの段階において評価しています。具体的な方法・指標は以下の通りです。