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  • 教員紹介
  • 学科長:徳永 隆治

    日本体育大学卒業、広島大学大学院学校教育研究科修了(修士)。広島県立竹原高校、広島大学附属小学校、安田女子短期大学を経て現職。実践研究を基に体育科教育を追究し続け、著書、教育雑誌等への執筆も多数、文部科学省体育研修会講師をはじめ広島県内外で多くの研修会講師を務めるなど小学校体育科教育をリードしている。

小学校教育を中心とした体育科授業づくりについての理論と実践の統一を目指す。

子どもたちが生き生きとし、先生自身も活気に満ちた勢いのある授業は、学習の目標・内容が明確で、子どもたち自身が課題をしっかり持って主体的に取り組んでいる授業である。教師は教えたいことを明確に持ち、働きかけによってそれを子ども自身が学びたいことにする過程を展開するとともに、問いかけや場の設定、言葉かけなどの工夫により学習を方向づけたり、活動を取り上げて刻々に評価したりする教師活動が良い授業をつくる基本と考えている。それを支えるためには、学級が学び合う集団になっていることが重要である。体育科授業づくりの基盤をそのように考え、全教科共通、または体育科独自の指導内容や方法を見出していくことを研究課題としている。

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  • これからの学校教育は子どもたちの「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」を育成することが課題で、「知識・技能」を身に付け、それを活用して主体的・発展的に学び続けるための「思考力・判断力・表現力等」を養い、公正・協力・責任・共生・健康安全の意識や態度などの「学びに向かう力、人間性等」を培うことを目指しています。小学校では教科の指導や教科以外の学校生活全般を通してそれらを育てていくわけですが、その中で体育科はどのような役割を果たすかを考え、体育科の授業もきちんと指導することができる先生を養成したいと思っています。体育はスポーツそのものではなく、スポーツが得意なことがすなわち体育科の優れた指導者ということではありません。学校(幼稚園・保育所等も含む)の先生には、教育者として体育科の在り方を考え、スポーツその他から教材を取り上げながら、意図的な教育活動を展開することが求められます。本学で先生をめざす人には、スポーツが得意かどうかではなく、教育の専門家になるために熱い思いを持って体育科教育を学んでほしいと思っています。 
  • 棚橋 健治

    広島大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科博士課程前期修了、博士課程後期単位修得退学、博士(教育学)。鳴門教育大学、広島大学で37年勤務し、23年4月本学着任。広島大学在任中には、教育学部長、大学院教育学研究科長、副学長などを務め、文部科学省中央教育審議会専門委員、文部科学省大学設置・学校法人審議会専門委員なども務めた。

社会認識教育学分野における、教科論、カリキュラム論、授業論、評価論、教師論など

学習評価の視点から学力論や教科の理念を考察することを研究の中核としてきた。評価論の研究では、多様な学力論を展開するアメリカ社会科における学習評価研究の発掘とその分析により、各社会科学力論に対応した学習評価の実態とその特質・課題を明らかにし、一教科としての社会科学習評価法の確立過程とその到達点を歴史的に検討し、社会科の理念実現過程を考察した。
授業論の研究では、多様な社会科授業観を具体化している典型的な授業の授業展開、授業構成の原理、そこでの社会のわかり方に対する考えなどを分析している。それを踏まえ、授業観の視点から教師としての成長や教師教育にも考察を広げている。

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  • 社会科という教科にどのようなイメージを持っているでしょうか。好きな教科ですか、得意な教科ですか、何を学ぶ教科だと思いますか。
    社会科が日本の学校で学ばれるようになって80年ほどになります。日本は第二次世界大戦で敗戦し荒廃しましたが、そこから立ち直り、新しい社会を作ろうとしたときに、目指すべき新しい社会がどのようなものなのかを考え、理解し、行動できる人々を育てなければなりませんでした。その役割を果たすために新しく作られた教科が社会科です。
    では何をどのように学べば、新しい社会を作り、担っていける人になれるのでしょうか。歴史上の事象や人物、世界の地理などについてたくさん知っていれば良いのでしょうか。偉人の生き方に感動して自分も高い志と道徳心を身につければいいのでしょうか、それとも社会の構造を解明しその問題に気づけるようになることが求められるのでしょうか。
    社会科教育を学問的に研究するとは、単に社会科の教え方を考えるのではありません。教科の理念・本質すなわち社会科は何のために何をどのように学び、どのような資質や能力を身につける教科なのかを考え、それを具体化することを課題とします。
  • 土井 徹

    広島大学卒業・広島大学大学院修了。広島県内公立小学校を経て広島大学附属東雲小・中学校で12年勤めた後、2016年から富山大学人間発達科学部で小・中・高等学校の教員養成に従事。2020年4月、安田女子大学に着任。博士(教育学)。現在は国内外の研究者と共同して主にESD関連の研究と教育に取り組んでいる。

理科教育学 -子どもが理科を学ぶ意義を考える・学習内容と方法に精通する-

理科教育学は、よりよい理科教育のあり方を研究する学問で、その領域は理科教育史、諸外国の科学・理科教育、学習心理、教育評価、教員養成、学習内容、学習指導法、環境教育など多様です。教員養成段階では、これらの知見を踏まえて、「子どもたちはなぜ理科を学ぶのか」について今の時点での自分なりの考えを整理することがまず重要です。加えて、科学的知識や科学についての知識など理科の学習内容についての理解を深めるとともに、学習方法論や学習評価、子どもたちの認知等についても学びます。これらの学習を通じて各々の理科教育観の形成し授業づくりのための“引き出し”を増やすことに努めています。

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  • 「何のために理科を学ぶか」を考えたことがありますか?このことについて、理科の授業をする側の人は自分なりの整理をしておく必要があります。その考えがそのまま授業に反映されるからです。「自分自身には苦手な分野があるけれど、理科の授業はちゃんとできるだろうか」、「近くに観察できる地層がなかったらどうするの?」、「準備や後始末がたいへんそう。特に薬品とか…」。これらは、小学校教員を目指す学生のみならず現職の先生方からも聞かれるコメントです。“苦手な分野”はひょっとするとじっくり学習を進めていれば苦手になっていなかったかもしれませんね。大学院時代に私はそれを何度も経験しました。自分のペースで学習を進めていくと腑に落ちる。大学時代はそれができる期間です。観察や実験が難しい場合にどう対処するか等々の授業づくりに必要な知識や技能は、小・中学校教員の経験を基に具体的な事例を紹介していきます。わかると嬉しい。“引き出し”が増えた!今の時点での頭の整理ができた。そんな経験を積み重ねていきましょう。その経験が、子どもたちにとってのよりよい理科授業を創る確かな基盤になります。
  • 西川 ひろ子

    佐賀大学教育学部小学校教員養成課程卒業、広島大学大学院博士課程前期幼児学専攻修了、広島大学大学大学院博士課程後期教育学専攻満期退学。幼稚園、小、中、高等学校までの教員免許を取得。子どもの育ちを繋げる保幼小の連携を研究。発達障がい児のサポートとして県内の保育所・幼稚園への保育アドバイザーを担当。

幼児教育学・保育者養成論

幼児教育学は、子どもの育ち、幼児教育・保育に関する法規・歴史・思想・制度、保育内容、保護者支援など多岐にわたる学問です。更に、理論を学んでも、実際の子どもたちの前で、実践できなくては習得できたとは言えない学問でもあります。0歳から6歳までの乳幼児を対象としていますので、難しい顔をして、難しい内容を語るのではなく、乳幼児の気持ちに寄り添って、笑顔で分かりやすい言葉や、表情で保育することが求められます。授業も具体例を紹介しながら、初めて幼児教育学を学ぶ方が楽しく積極的に学べることを心がけています。

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  • 乳幼児は本当に心をいやしてくれたり、自分を元気づけてくれる大切な宝物です。また、その子どもたちを育てている保護者の方も一生懸命に努力されてるにもかかわらず、乳幼児をとりまく社会情勢は難しい課題が山積しています。将来、直接子どもと関わる方であっても無くても、子どもとのかかわり方や理解の方法は、人を知ることと全く同じだと思います。是非、人の気持ちを想像してみることに挑戦してみてください。子どもたちは、自分の気持ちを上手に全部、言葉で伝えることはできませんが、指さしや視線や表情で懸命に表しています。人の心を理解したい、寄り添いたいと思い、努力するところから幼児教育学の面白さは深まると思います。
  • 橋本 正継

    生まれは長崎です。大学から広島に来て、そのまま住み着いてしまいました。大学生の頃は数学教師として田舎に帰ろうと考えていましたが、現実はそのようにはなりませんでした。公立高校の数学教師を経た後、本学科に赴任し、現在に至っています。

算数科教育です。算数が子どもの成長にどのように役に立つのかに関心があります。

算数科は「よみ・かき・けいさん」として小学校の教科として重要な位置を占めています。算数科は答えが明白であり、しかも、教える内容がはっきりしていることから教えやすい教科と考えられているようです。しかし、算数の問題を解くことと教えることの間には大きな隔たりがあります。例えば、分数のわり算は分母と分子をひっくり返して掛ければよいと教わりますが、なぜひっくり返して掛けるのかと子どもに聞かれたとき、うまく答えることが出来る大人は多くありません。計算はできても、その意味がよく分からないというのは好ましくないですよね。では、どうすればよいのかを考えるのが算数教育という分野です。

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  • 私たちを取り巻く状況が大きく、そして、激しく変化していることを実感させられることが年々多くなってきているようです。この変化に対応するためには何が大切なのでしょうか。耳を澄まして、身の回りの状況に意識を傾ける。そして、そのときに自分が何を感じ、何を想うか静かに考えてみる。さらに、その中で自分は何がしたいのか、何が出来るのか、想いを膨らませてみる。勇気をもって、常に気持ちを外に開き、自分の中に入ってくるものに素直に反応してみる。そういうことの中に、子どもの未来の姿が現れたら、本学科がお勧めです。子どもは未来の担い手なのですから、子どもの成長に関わる仕事は、皆さんの未来にも大きな意味を持つことになります。
  • 平本 哲嗣

    広島大学教育学部卒業、広島大学大学院修了。博士(教育学)。文部省交換留学生として1991〜1992年に英国オックスフォード大学に留学。2000年より安田女子大学英語英米文学科に着任、2018年度より児童教育学科にて初等教員養成にあたっている。

小学校英語教育における理論と実践

英語教育学では、英語を学ぶことの意義、言語政策、言語習得のメカニズム、教材論、指導論、また教授者に求められる資質能力など、実に幅広い内容を学びます。自分の母語とは異なる言語を学び、使うということは、人格の陶冶、および国際社会への参加・貢献という点で非常に大きな意義をもっています。児童が身体、こころ、頭を使って、自分とは異なる人々を理解し、受容できるようになることは、万人にとって大切なことであり、この点で英語教育学の果たすべき役割は大きいと言えます。特に初等教育における英語教育は外国語との出逢いを提供するものであり、児童の健やかな成長に大きく寄与するものだと言えるでしょう。

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  • 「英語」と聞いて皆さんはどのような印象を持たれるでしょうか。好きな人もいれば、そうでない人もいることでしょう。ここで大切なのは、英語は世界における共通語の一つであり、英語の向こうには生身の人間の暮らしが存在するという点です。英語は単なる受験科目ではなく、生きた言語として、日々この世界を支えています。英語が使える人間が増えるということは、社会に貢献できる人材が大勢生まれることを意味してます。そして言語を習得にするにはしかるべき体系性があり、指導にあたる者はこの仕組を理解した上で、児童が楽しく英語を学べるよう、専門的な知識・技能を駆使しなければなりません。さまざまな文化、価値観をもつ人々の生活を知り、またこのような多様性を尊重できる人間は、私たちの願う「よりよい世界」を創造するために欠くことのできない存在です。自分を大切にするように、他人も大切にできる。そういった心の持ちようを英語教育を通じて学んでほしいと思っています。
  • 深澤 広明

    広島大学教育学部教育学科卒業、同大学院教育学研究科単位取得退学、新潟大学教育学部附属教育実践研究指導センター、1991年より広島大学に戻り2021年3月まで教育方法学研究室にて研究と教育に専念するも2015年から4年間は附属小学校長を併任した。

教育学、教育方法学、ドイツ教授学、学習集団研究、授業研究

教育方法学は、教育の「方法」つまり「どのように(how to)」をテーマに、どのように教育を「すべきなのか」という教育の思想や理想に関する理論的側面と、どのように教育を「しているのか」という教育の現実や実態に関する実践的側面との、二つの側面からアプローチします。理論と実践は相互に影響し合いながらも、ときに背反し矛盾します。この理論と実践の関係を「問い続ける」ことが、教育方法学研究の原動力になっています。と同時に、この理論と実践の関係を「学び続ける」ことが、これからの教師には求められています。

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  • 「学力低下」や「ゆとり教育」批判など日本の教育は、とかくネガティブに語られることが多いのかもしれません。しかし、日本の教育は、海外から高く評価されている一面もあるのです。みなさんは、小学校や中学校の時代に、自分たちの教室に学校中の先生方が集まって来て、授業を見られた経験があるのではないでしょうか。学校の先生方は、授業をお互いに見合い、見た授業について協議をして、よりより授業に改善する方途を探る「授業研究」という営みを日常的に積み重ねてきています。21世紀に入り、この「授業研究」が、”jugyoukenkyuu“というローマ字表記や“Lesson Study(レッスン・スタディ)”という和製の英語表記とともに、国際的に広がりました。さらに日本独自の学級経営や学校行事で構成される「特別活動」が、“Tokkatsu(トッカツ)”というローマ字表記で注目されています。日本の教育は、実は海外に発信されているのです。教師や保育士、教育関係の仕事を志望する人に、国際的な視野をもって日本の教育を捉え直す学びの機会を大学は提供しています。
  • 吉田 裕久

    広島大学卒業、同大学院修了。1976年4月以来、愛媛大学で10年間、広島大学・同大学院で29年間勤めた後、2015年4月安田女子大学に着任。合計45年間、小・中・高等学校の国語科教員養成に従事。広島大学附属小学校で校長を併任。博士(教育学)。

言葉と文学について学び、その効果的な教え方を追究する国語教育学研究

国語教育学は、小・中・高等学校で行われている国語科教育のより良いあり方を研究する学問です。国語教育の目標論・内容論・方法論・評価論などを追究しています。国語教育は、国語と教育、その両面から成り立っています。国語としては、教育内容(言葉・文学など)について確かに、豊かに、深く習得していきます。教育としては、学習者(幼児・児童・生徒)の発達・特性などについて適切に把握・理解し、それに見合った効果的な教育方法について考究していきます。その基礎として、言語学・日本語学・日本文学、そして教育学・心理学など、国語教師として身につけておくべき知識・教養を幅広く学びます。優れた国語教師として、教育現場で活躍できる人材の養成に努めています。

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  • 「国語は何が分かれば良いのか分からない」、「言葉は日常使っているので困らない」――そのように考えている人がいるかもしれません。そうです。言葉は、基本的には、話せて、聞けて、書けて、読めれば、それで良いのです。「それくらいなことなら」と思いますか? それが、実はそう簡単ではありませんね。「そんなつもりで言ったのではなかったのに」とか、「なかなか思い通りに書けない」とか、そんな経験はありませんか?その意味で、言葉は無限です。もっと良い聞き方はなかったのか、もっと感じの良い話し方はなかったのか、私などは、そうしたことばかりと言って良いかもしれません。もっと適切な話し方・聞き方・書き方・読み方を求めて、今よりもう少し優れた言葉の使い手になることができれば――私はそのように思って、自らの言葉の究極の目標として「適時適言」力を磨くなどと言っています。一方、物語文・説明文・小説・詩・古典(古文・漢文)をみんなで読むことも興味深いことですね。言葉と文学、その学び方と教え方を追究する研究・学問、それをみんなで進めていく、楽しそうだと思いませんか!あなたも、仲間のひとりになりませんか!
  • 五十嵐 亮

    京都大学教育学部卒業、九州大学大学院人間環境学府修士課程修了、同博士後期課程単位取得後退学。博士(心理学)。南九州大学人間発達学部(宮崎県都城市)専任講師、同准教授を経て、2020年9月より現職。専門は教育心理学、教育工学。群馬県前橋市出身。

「教育心理学」「教育心理学演習」等を担当します。

教師の仕事には、子ども達の「心や身体の発達の仕方」や、「発達過程に応じた学習の仕方」について学びながら、「適切な教育の方法」を理解することが欠かせません。社会の変化に応じて、子ども達に育みたい資質・能力が変わったとしても、人間が何かを学習する過程で起こること、必要なことは大きく変わりません。教授・学習活動に関わる問いの探求を通して、人間が「学ぶ」「育つ」こととは何か、その過程を支援するために教師が出来ること(「教える」等)は何かを体系化するのが、教育心理学です。

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  • 皆さんは、「学ぶこと」は好きですか、「わかること」「できるようになること」は好きですか。絶えず変化する社会のなかでは、「これからの社会を担う子ども達に求められる資質・能力」も変化を繰り返しています。つまり、子ども達の教育に携わる教師は、常に試行錯誤を繰り返しながら、「一生涯学び続ける存在」でなければならない、といえます。その一方で、授業を行う教師自身が楽しんでいなければ、子ども達に「学ぶことの楽しさ」は届きません。学びを深めると生活や人生が豊かに彩られることを、授業のなかで体現できる教師になってほしい、と願っています。もちろん、そのような授業者になるためには、相応の準備とトレーニングが必要です。その歩みを、一緒に試行錯誤しながら進めていければ、嬉しく思います。
  • 小川 麻里

    広島大学大学院理学研究科博士課程修了。博士(理学)。慶應義塾大学助手などを経て現職。専門は分子生物学、発生生物学。南極観測や深海調査(「しんかい2000」潜航研究)など、極限環境生物調査の経験多数。現在は、地域の自然(環境、生き物)の魅力に気付く理科・生活科の教材や実験法、環境づくりについて研究中。

「理科」「生活科」 自然環境や生物に関わる分野(生命・地球分野)を担当しています。

小学校の理科や生活科の授業で、児童は、飼育・栽培や観察・実験などの体験的な学習活動を通して、身近な自然の事物・現象を理解します。楽しみながら繰り返し自然と関わることで、様々な問題を科学的に解決できる力と、命を大切に思い他者を尊重する気持ちや自然を愛する気持ちが育ちます。
理科、生活科教育の基礎となる専門科目では、まず、教員を目指す皆さん自身が生き物に直接触れて知識や体験を積み、自然の面白さや魅力を楽しみます。その上で、様々な教材、授業法、授業環境づくりを「自分が」「やってみて」「工夫しながら」、児童の特性に合わせた楽しい授業を実現するための実践力を身に付けます。

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  • 子どもは自然や生き物が大好きです。理科や生活科の授業を楽しみにしていますし、自然や生き物と触れ合うことで、子どもの気持ちはやわらぎ、優しい心が育ちます。
    大学では、授業や課題をきっかけに、身の回りの自然にじっくりと向き合いましょう。大学生として、科学の見方や考え方を意識しながら日常の光景を見つめなおすと、大人の私たちも夢中になる自然の美しさ、純粋さ、魅力に気付きます。私たちの人生自体、自然の中に存在することを感じ取れれば、子どもたちが小学校で理科や生活科の勉強をする意味や価値を自分なりに語れるようになるでしょう。大学では、知性に加えて、感性が豊かになるような理科・生活科の授業を目指して、一緒に研究できればと思っています。
    広島は美しい海、山、川に恵まれ、豊かな自然に支えられた歴史と文化があります。大学キャンパス内には地域の自然のバランスを生かした安田自然観察園(教材園=畑、果樹園、ビオトープ)を整備しており、各授業で活用します。栽培活動や生き物の観察、採集、標本づくりなどを楽しみながら、屋外で子どもたちと安全に楽しく自然と関わるコツも伝えたいと思っています。
  • 加登本 仁

    広島県出身。広島大学教育学部卒業、広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。2010年広島体育学会学会奨励賞受賞。滋賀大学教育学部で7年間勤めた後、2019年4月より安田女子大学に着任。2020年に幼児向けリズム体操『ウキウキたいそう』を開発。2021年より日本スポーツ教育学会理事。博士(教育学)。

体育科教育学 ~学び合い育ち合う学習集団・教師集団~

体育科教育学は、よりよい体育授業の創造を目指して、教科の目標‐内容‐方法‐評価の関連について追究するとともに、教師‐教材‐子ども(集団)から成る授業のあり方を探究する複合的な学問領域です。優れた体育実践の分析を通して、運動の得意な子も苦手な子も、「みんながみんなでうまくなる」授業づくりの原理・原則を明らかにすることを研究課題としています。また、優れた教育実践を支える小学校教師の授業力量の形成過程や、教員相互が授業力量を磨き合い高め合う教師集団についての研究も行っています。

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  • 子どもたちは元々、体を動かすことが大好きです。体育は毎年、小学生の「好きな教科」上位に挙げられます。しかし、学年が上がるにつれて、体が大きくなるにつれて、周りの目を気にするようになるにつれて、「体育が苦手・嫌い」という人が増えていく実態があります。みなさんも心当たりはありませんか?子どもが生涯にわたって運動に親しみ、心と体の健康を保持増進していく能力の基礎を養ううえで、小学校体育科は重要な役割を果たしています。運動好きな子どもたちを育てるために、まずは教育者自身が明るく健康的でありたいものです。「名選手、必ずしも名監督にあらず」という言葉があります。自分の得意不得意はさておき、扱う運動教材について、子どもの心や体について、運動の教え方について詳しくなり、実践的指導力を備えた教師を目指しましょう。
  • 熊井 将太

    広島大学教育学部卒業、広島大学大学院修了。博士(教育学)。山口大学教育学部を経て2023年度より現職。

授業成立にとっての学級の意味に関する研究

専門は教育方法学ですが、特に、授業を行う上での学級が持つ意味について研究をしています。一般的に学校での授業は学級という場で行われますが、一体それはなぜなのか、いつ頃からそれが行われるようになったのか、これからもそれでよいのか…といった問いが主要な関心です。特に、オンライン授業やタブレットPCでの個別的な学びができるようになった現代に、学級の仲間と同じ内容を同時に学ぶ意味とは何なのかが問われています。社会や子どもの変化をふまえながら、学級というシステムの可能性と課題を探っていきたいと思っています。

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  • みなさんは学校が好き(だった)でしょうか?私が専門としている教育学は、学校に限らず教育というものに焦点を当てて、深く考えることを目指します。そのために大切な視点は、「自分が受けてきた教育」について批判的に考えることです。普段、学校に通ったり、子育てを受けたりする中ではあまり考えませんが、「どうして学校にいかないといけないんだろう?」「なんで大学に入学するために共通テストを受けるんだろう?他のやり方はないんだろうか?」など、いったん足を止めて考えてみると様々な疑問が浮かびますし、そこから新しい教育の姿が生まれてくるかもしれません。学校に対して肯定的な経験をしてきた人も勿論ですが、今まで「学校は好きでなかった」「学校に不満があった」という人にこそ、教育について学び、意見を発信してほしいと考えています。
  • 小畠 由香

    広島大学教育学部心理学科卒業。臨床心理士・公認心理師の資格を持ち、心理職として長年児童相談所にて勤務。児童福祉司・児童心理司として、児童虐待対応や子どもの心のケア等に携わってきた経験を活かして、子どもの権利擁護、子ども家庭福祉に関する実践や研究に取り組んでいる。

「子ども家庭福祉論」、「社会的養護」

子ども家庭福祉の分野では、一人一人の子どもの権利擁護の実現を目指し、児童虐待対応や予防に取組んでいます。児童虐待対応では子どもの保護・親子分離が注目を集めがちですが、子どもにとって家族との生活が保障されることは子どもの願いであり、子どもの権利条約にもうたわれている大切な権利でもあります。子どもが家庭的環境で安心・安全に、かつ年齢相応の生活が保障され、健やかに育つことができるよう、子どもと大人の絆を深めるプログラムや、サインズ・オブ・セーフティー・アプローチなど比較的新しい取組みについて研究しています。

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  • みなさんは今、子どもから大人への過渡期にあります。どのような子ども時代を過ごしましたか?どのような大人になりたいですか? 児童教育学科では教育や保育など子どもに携わる専門職を目指している学生が、共に学び、考え、切磋琢磨しています。集団の中の子ども、家庭の中の子どもなど様々な状況下の子どもについて、個々の子どもの様子や親子関係などに着目し、子どもの権利擁護、子育て支援などに必要な感性や専門性も高めます。ボランティア体験や実習を重ねて、子どもや教育・保育の現場からたくさんのことを学べます。 子どもの育ちを応援できる大人になりませんか。
  • 永田 彰子

    広島大学学校教育学部卒業、広島大学大学院博士課程後期修了。博士(教育学)。岡山市内の短期大学教員を経て、2009年4月安田女子大学に着任。青年期および成人期における他者とのかかわりの中での自己の発達研究の成果を生かし、現在は、教員および保育者の養成に従事している。

「発達心理学」「教育相談の理論と方法」「幼児理解の理論と方法」を担当

子どもの教育、保育に携わる上では、人間の成長、発達のプロセス、メカニズムについて理解することが重要です。心理学では、乳幼児期から成人期に至る生涯発達の流れや、人間の発達のさまざまな側面についての基礎的概念の理解を深めます。これらを基礎に、さらに子ども理解のあり方や、子どもの発達援助のあり方について追及していきます。近年では、子どもを育てている親を支える、つまり子育て支援の重要性がいわれています。心理学では、子どものみならず、親世代として成人期の心理も取り上げます。子育てする親についての理解を深め、適切な子育て支援のあり方について考えることができる教員、保育者の養成に努めています。

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  • 現代においては、家庭の教育力の低下や地域の人間関係の低下が指摘されています。このような社会状況においては、教育、保育に携わる人の社会で果たす役割は大変大きなものとなっています。先生という仕事は、人の人生にかかわっていくという意味で大きな責任を伴いますが、だからこそ大変やりがいのある仕事です。なぜならば、子どもが成長、発達していく姿を支え、子どものすぐそばでその成長を共に喜び合うことができるからです。大学生活では、授業での学び、実習やボランティアでの実践、この繰り返しのなかで体験的理解を深めていきます。こうして学びを深めていく学生の姿は、充実感、達成感に満ち、輝いています。児童教育学科での学びは必ず実践につながっていきます。それは教育、保育の実践に通じるものであることはもちろんですが、一人の人間としての生き方、あり方にも通じていく学びです。このように考えると、学ぶことにワクワクしてきませんか。是非、一緒に学びましょう。
  • 長友 洋喜

    東京大学卒業。東京大学大学院修士課程および博士後期課程修了。音楽教育史の分野で博士(教育学)を取得。東京大学教育学研究員、埼玉県内の私立中学校・高等学校教員、東京経営短期大学専任講師を経て、2018年4月より現職。

音楽教育の歴史~現代における応用可能性を探究する~

音楽教育学は、演奏力と教育法の大きな二つの柱から成り立っています。単に高い演奏力を追い求めるだけでは、保育者や教員の仕事は務まりません。音楽の楽しさや奥深さを子どもにいかに伝えるか、その指導方法を追究することなしに、音楽教育は成り立たないのです。具体的には、模倣・繰り返し・イメージ化などの活動が音楽教育に及ぼす影響について、その基礎にある歴史的な音楽教育家たちの思想をもとに、考究することを目指しています。また、それらの歴史的な教育家たちの有した知識を、現代の音楽教育に活かすための方策を探究しています。

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  • 音楽は、私たちの身の回りにあふれています。あまりに身近にありすぎて、普段はその存在を意識することすらないかもしれません。しかし、人が絶望に打ちひしがれるとき、音楽はその絶望を和らげてくれます。人が希望に満ち溢れるとき、音楽はその希望を増幅させてくれます。音楽の力は、人が絶望や希望を感じ、感情を揺さぶられるときにこそ、発揮されます。そして人はその時に、音楽を必要とするのです。
    みなさんも、今までにたくさんの音楽に接してきたことでしょう。みなさんはその音楽のどの部分に楽しさを感じましたか。どのような点に魅力を感じたのでしょうか。そのような魅力的な音楽を、もっとたくさん知りましょう。たくさん演奏しましょう。そして、もったいないから、その楽しさを子どもたちにも伝えてあげましょう。どうすれば音の楽しさを子どもたちが実感してくれるかな。どうすれば子どもたちは笑顔になってくれるかな。ワクワクドキドキ。そんな素敵な学問が、音楽教育学です。
  • 宮本 香代子

    日本体育大学卒業。広島市立小学校で21年養護教諭勤務。1997年4月から広島市教育委員会で養護教諭初の指導主事を務める。2004年から広島市立小学校で教頭・校長を7年勤務の後、岡山大学大学院教育学研究科教授として着任。7年間勤務し、2020年4月から安田女子大学にて、養護教諭養成に従事している。

学校保健と児童生徒を守り育てるための危機管理及び健康相談活動の学問構築を研究。

学校保健は、児童生徒の健康の保持増進を目的とし、保健教育と保健管理の取組に、組織活動の充実を通してその効果を上げる実践力を養う学問です。教員が、一人一人の児童生徒が生涯にわたり、自己管理能力を身に着けることの指導力は、学級経営上不可欠の要素です。また、養護教諭を目指す人の、実践力や予期せぬ事故や事件遭遇した児童生徒への対応力を、多くの演習等で経験により、着実に身に着けることができます。中でも、健康相談活動の理論と方法においては、学校生活の中で心のケアを必要とする児童生徒にいち早く気づく感性を養い、支援の計画を立てたり、治療を必要とする場合は、関係機関との連携をつないだりする学問です。

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  • 教員を目指すからには、児童生徒の健康と安全を守れる対応力を養うことです。病気をしたりけがをしたりした子供の不安な心を思い図れる心豊かな人間力を育みます。
    養護教諭は、世界のいずれの国にもない日本固有の“職”です。日本の学校において、児童生徒のみならず教職員が日々の授業を安心してできることは、医療的素養をもち、教育職員である養護教諭の存在と、いつでも誰でもが訪れることができる保健室があるからです。児童生徒は、成長過程において様々な出来事に直面します。皆さんを取り巻く環境も、家族の在り方や社会環境は、急激な変化が生じる近年です。多くの児童生徒は、その荒波に一歩ずつ前進しながら成長していくと信じていますが、時に自分を見失う現実に直面することも少なくありません。養護教諭は、多面的・多角的に健康と安全を守るための方策を学び、実践できる唯一の専門職です。ほとんどの学校では一人職ですが、児童生徒や保護者、教職員からの信頼を得て執務できる尊い職であると思います。是非、一緒に学びましょう。
  • 西井 章司

    広島大学卒業。広島市立小学校、広島大学附属東雲小学校に勤務。理科教育、学校経営を中心に研究を進め、言語・数理運用科の開発にも関わった。校長時代には全国連合小学校長会理事を務めた。2023年度より現職。

教育実習や教職に向けての実践的知識や技能について

社会が大きく変化し、未来を予測することが困難な時代、教育や教師をめぐる環境も大きく変化しています。未来を生きる子どもたちを育てるために、これからの教師が必要とされる力は何なのか。教育実習や教員採用に向けて、実際の教育現場で必要となる知識や技能を考えていきます。

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  • 教師の仕事はやりがいのある素晴らしい仕事です。魅力の一つは、毎日一緒に子どもたちと過ごす中で、子どもたちの成長を見ることができるところです。あれこれと授業について自分で工夫をして準備して、授業の中や行事の中で、これまでできなかったことができるようになった時の、子どもたちの笑顔を見た時には、感動を覚えるほどです。もちろん教師は人を相手にする仕事なので、思い通りにならないこともあります。子ども同士のトラブルも起こります。しかし、一緒に解決していくことで、子どもだけでなく、教師自身も成長していくことができます。近年教師についてネガティブな話題も多いですが、厳しい面があるのはどの世界も同じです。厳しさを上回るやりがいと感動が必ずあると思います。ぜひ一緒に教職を目指していきましょう。

教員・研究テーマ

  • 氏名職名研究テーマ学位
  • 吉田 裕久教授(学部長)国語教育学(国語科授業論、国語教育史)博士(教育学)
  • 徳永 隆治教授(学科長)体育科教育学(小学校体育科授業、教師教育)修士(教育学)
  • 棚橋 健治教授社会認識教育学(社会科学習評価論、社会科授業構成論)博士(教育学)
  • 土井 徹教授理科教育学、ESD博士(教育学)
  • 西川 ひろ子教授乳幼児教育、障害児保育修士(教育学)
  • 橋本 正継教授数学教育学、数学的認識論修士(教育学)
  • 平本 哲嗣教授英語教育学(児童英語教育、言語教育政策)博士(教育学)
  • 深澤 広明教授教育学、教育方法学(ドイツ教授学、学習集団研究)博士(教育学)
  • 五十嵐 亮准教授教育心理学(授業分析、教職課程学生の学習過程)博士(心理学)
  • 小川 麻里准教授理科教育、分子生物学、発生学、微生物生態学博士(理学)
  • 加登本 仁准教授体育科教育学(学習集団論、教師教育論)博士(教育学)
  • 熊井 将太准教授教育方法学(学級論、ドイツ教授学)、教育方法思想史博士(教育学)
  • 小畠 由香准教授子ども家庭福祉論、子どもの心のケア、子育て支援学士(文学)
  • 永田 彰子准教授発達心理学、青年期および成人期における自己の発達博士(教育学)
  • 林 真二准教授在宅看護、介護予防および高齢者虐待予防博士(看護学)
  • 長友 洋喜講師音楽指導法や指導内容に関する研究、歌唱教育史研究博士(教育学)