- 学科トピックス
1年次「見学実習」で、行政・公共政策分野の職業観を早期に養成
公共経営学科では、1年次に実施する「見学実習」に力を入れています。官公庁等(約10事業所)の見学実習をとおして、公共的な仕事は多様であり、それぞれの事業所がどのように社会に貢献しているのかを実際に現場を体感することで学習します。自分の将来を見つめ、主体的職業選択につながる判断力、広い職業観及び高い勤労観を育成します。
※訪問先は上記の他、広島県庁、広島市役所、広島電鉄、中国電力、JICA中国などを予定(年度により実習先は異なります)
行政と連携した「地域課題解決プロジェクト」
公共経営学科では、地域課題の立案プロセスを学ぶことを目的に、「地域課題解決プロジェクト」を実施しています。実際に行政職公務員の方から課題を提示いただきます。それらの課題の解決に向け、グループワークやディスカッションを行い、最終的には施策案を考案し、行政職公務員の方から講評を受けます。本プロジェクト以外にも、「地域デザイン」「都市政策ワークショップ」「公共政策ワークショップ」などの授業を通じて公共的な課題・問題を取り上げ、社会の課題を解決する力を身につけます。
公務員試験における充実したサポート体制
公共経営学科では、公務員試験突破に向けた講義・演習がカリキュラムに組み込まれているため、1年次から段階的に学修を進め、4年間で着実に力をつけることができます。加えて、課外でも公務員試験対策プログラムの提供や公務員志望者に特化したガイダンス・セミナーの開催など、充実したサポート体制を整えています。また参考書・問題集・募集要項・就職試験記録などを多数配架したコミュニティルームを設けており、同じ目標に向かう仲間と互いに支え合いながら集中して試験に臨める環境があります。
行政機関などでのインターンシップ
公共経営学科では、3年次に行政機関などでのインターンシップ(就業体験)を行います。公共経営学科のインターンシップは、キャリアデザインの一環として学生自身に自己の職業適性や将来設計について考えるきっかけを与え、主体的に職業を選択する能力や勤労観の育成を図ることを目的として取り組みます。
本学科の特長である公共経営を学んだ上で、各自治体や公共団体等でのインターンシップに取り組み、町政の業務内容や仕組み、流れを理解していきます。身近な社会問題に目を向けることは、自分が地域にどのように関わりたいか、関われるのかを考える基となる実習と捉えることができます。
公共経営学科Q&A ~公共経営学科が担う役割とは~
Q.公共経営学科の誕生には、どのような社会的背景があるのでしょうか。
「公共経営」とは、"public management" の訳語であり、行政運営の新しい理念だといえるでしょう。従来、公平性や公正さが重視される公の行政運営と、利潤追求のため効率性を重視する企業経営とは異なるものと考えられていました。しかし、経済の停滞による財政難を背景に現代行政のあり方は、効率性をより重視した運営に変わってきています。
行政改革の一環として進められた国営企業の民営化により、いわゆる「三公社五現業」と称された国営企業はほとんどが民営化されました。また、PFI(private finance initiative)と略される行政手法は、民間資金の活用による公共施設の整備を促進するものです。たとえば、刑務所という伝統的な公的施設でさえ、「社会復帰促進センター」(山口県美祢市)という名称で、民間資金により設置され、民間企業により運営されています。
あるいは、図書館や体育館といったより身近な公共施設も、地方自治法改正により創設された「指定管理者制度」の下で、サービスの向上と経費節減のために特定の民間業者に運営が委任されています。
他方で、企業に対しても社会の一員としての責任が問われています。CSR(corporate social responsibility)、つまり、「企業の社会的責任」として、環境への配慮、情報公開による経営の透明性、社会貢献などが強く求められるようになっています。
さらには、行政と企業活動の隙間を埋める存在として、多様な社会貢献活動を展開するNPO(非営利団体)、そして、地球環境や人権問題といった国際的な取り組みが求められる分野で活躍するNGO(非政府組織)が重要な役割を果たしています。
「公共経営」とは、政府機関と民間の企業・団体が協働して、いわゆる「持続可能な発展」を目指す社会を築くための行政運営を考える学問領域であるといえるでしょう。
Q.カリキュラムの特色について教えてください。
1年次では、「情報処理基礎Ⅰ~Ⅳ」など大学で学ぶための基礎的なスキルを習得し、共通教育科目の履修を通じて幅広い教養を身につけ、さらにビジネスの基礎を学ぶため経済学、経営学の基礎理論について学修します。また、専門領域へのゆるやかな導入を図るため、「公共経営学概論Ⅰ・Ⅱ」「ソーシャルマネジメント」等を履修し、公共経営学を学ぶための基盤を作ります。
2年次では、「マクロ経済学」「公共経済学」「経営管理論」「行政経営論」などの科目により、経済学、経営学の知識を深めるとともに、公共経営学を学ぶ上で必要になる隣接分野として、「公共哲学」「公共政策論」「憲法」などについても履修し、視野を広めます。
3年次では、「行政法」「行政学」「地方財政論」「地方自治法」などを履修し、行政組織での活躍を意識した知識や能力を身に付け、より専門性を高めていきます。
4年次では、本学科で学んだ知識をいかに実践において生かしていくかに重点を置き、「卒業研究」に加えて、「公共政策演習」を履修します。また「公共政策ワークショップ」では、行政で実際に政策形成を担われている方を招いて行政の現状を伺った後、ワークショップやディスカッションを行い、より実践的な課題解決能力を身に付けます。「都市政策ワークショップ」では、行政機関の都市政策、まちづくりや都市再生に従事されている方から、まちづくり政策や都市政策の考え方や手法について伺い、政策が果たす役割・効果を検証します。