• 教員紹介
  • 学科長 : 山下 明博

    宮崎県出身。東京大学工学部航空学科を卒業後、電機メーカーで大型コンピュータを開発。その後、広島大学大学院国際協力研究科で国際協力と言語学を学び、メキシコやインドネシア等でコンピュータ教育を行った。人工知能についての研究と、コードレスプログラミングの研究を行っている。

人工知能、コードレスプログラミング

プログラミングを極力行わないでゲームを開発するための環境を研究しています。
これまでは、コンピュータ上で動くゲームを開発するのに、動作手順をプログラミングする必要があり、大変手間がかかっていました。
そこで、人工知能を使った生成AIの力を活用し、可能な限り、動作手順をプログラミングすることなくゲームを開発できる環境を作ることを目指しています。
生成AIは、文書、画像、音声を自動で生成することができます。これを利用して、ゲームに必要な要素は生成AIで作成し、人間はそれらの組み合わせを決めることでゲーム開発を容易に行うことができる環境を作ります。

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  • 安田女子大学の情報科学科は、オーダーメイドカリキュラムという新しい方法で、情報科学が学べるように設計しています。これは、情報科学に関する3分野7領域の中から、興味があり、学びたいと思う領域を選択し、組み合わせて学ぶことにより、自分自身の能力をデザインできるというもので、入学したときに学ぶ内容が決まってしまうコース制ではありません。
    人工知能の進化により、社会が大きく変わりつつあります。人工知能により、新たな職業が生まれるのと同時に、消えていく職業もあります。安田女子大学の情報科学科で、人工知能が進化しても役に立つ能力を身に付けて、明るい未来を切り開きましょう。
  • 相原 玲二

    広島大学工学部第二類(電気系)卒業。広島大学大学院工学研究科博士課程後期システム工学専攻修了、工学博士の学位を取得。広島大学集積化システム研究センター助教授、広島大学情報メディア教育研究センター 教授、広島大学副学長(情報担当)などを歴任。インターネットの黎明期から普及啓発活動を行うとともに、インターネットを使った動画像伝送システム、移動透過ネットワークアーキテクチャなどの研究に従事してきた。

インターネットの通信方式と運用技術に関する研究

Webページ、電子メール、SNS、チャットサービス、動画配信サービスなどは、すべてインターネットを利用するサービスとして実現されています。インターネットを構成する最も基礎的な通信方式であるInternet Protocol(IP)は、現在2種類のバージョン(IPv4とIPv6)が使用されているのですが、IPv4とIPv6は直接通信をすることができません。そのため、パソコンやスマートフォンなどは1台のデバイスがIPv4とIPv6を同時に利用できるようにしていますが、併用に必要な運用コストは決して小さくありません。この状態は既に約20年間継続しており、運用コスト削減のためには一刻も早く併用を終了し、IPv6に一本化する必要があります。本研究ではそのために必要な各種技術の研究開発を行っています。

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  • 誰もが日常的に利用しているSNSなどを支えているのは、インターネットなどの情報通信基盤です。医療、介護、交通、電気など社会を支える基盤がありますが、情報通信基盤は重要な社会基盤の1つです。現在爆発的に普及しているAIの活用を支える基盤でもあることから、情報通信基盤は益々重要性を増していきます。順調に機能している時はいいのですが、障害が発生した時の影響は大きく、場合によっては人の命を左右することもあります。情報通信基盤は複雑で大規模なシステムですが、すべてが順調に機能するには個々の要素を丁寧に検査し、確認することが唯一の方法です。こまやかな気遣いのできる女性に適した職業分野であるとも言えます。大学で情報社会を支える基礎を身につけ、新しい社会に貢献できる人を目指しましょう。
  • 大川原 真一

    東京工業大学(現:東京科学大学)工学部化学工学科卒業、大学院理工学研究科化学工学専攻修士および博士課程修了、英国立Leeds University化学工学専攻MSc(Eng) with Distinction。博士(工学)。東京工業大学にて助教、特任准教授、特任教授を経て、現職。エジプトで日本式工学教育を実践するためのエジプト日本科学技術大学を新設する日本-エジプト二国間プロジェクトにおいて、エネルギー資源工学専攻および環境工学専攻の設立に携わった。化学工学に流体シミュレーション、三次元印刷、数理科学、人工知能を応用する研究を行ってきた。

人工知能と数値流体力学の統合的応用による工学プロセスの最適化

人工知能(AI)と数値流体力学(CFD)を組み合わせることで、いろいろな工学プロセスをより効率的で効果的に改善することを目指しています。
CFDは液体や気体の動きをコンピュータで計算する技術で、AIは大量のデータを分析して最適な解決策を見つける技術です。これらを組み合わせることで、例えば、マスクが花粉やウイルスを防ぎつつ、呼吸がしやすいように設計できます。CFDでマスク内の空気の流れをシミュレーションし、フィルターが粒子をどう捕まえるかを分析します。そして、AIとCFDを一緒に使って最適な素材やデザインを探すことで、粒子をしっかり防ぎつつ、呼吸しやすいマスクの設計を提案することができます。この方法を使えば、いろいろな工業製品において、複数の性能を高いレベルで両立させることが可能となります。
液体や気体は私たちの身のまわりに常に存在していますので。

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  • 人工知能(AI)は、私たちの生活に大きく影響を与える技術です。例えば、スマートフォンのバッテリー管理や美しい写真が撮れるアプリ、スマートホームや家電製品のエネルギー効率の向上、セキュリティの強化など、AIが私たちの日常をより便利で楽しく、安心安全で、かつ持続可能なものにしています。
    情報科学を学ぶことで、こうした技術を支えるアルゴリズムやデータ処理の仕組みを理解し、自ら新しい技術を創り出す力を身につけることができます。AIは今後さらに多くの場面で重要な役割を果たすと期待され、情報科学の知識は社会に大きく貢献するための強力な武器となります。
    あなたが情報科学を学び、革新的な技術を生み出すことで、未来の生活をより豊かにすることができるでしょう。
  • 角田 良明

    広島大学工学部電子工学科卒業。広島大学大学院工学研究科(システム工学専攻)修了。工学博士を取得後、国際電信電話株式会社(現在のKDDI)研究所主任研究員、大阪大学大学院基礎工学研究科准教授、広島市立大学大学院情報科学研究科教授を経て現職に。広島市立大学では、情報科学部長、情報科学研究科長を務めた。

モバイルアドホックネットワークの研究

広島市立大学では、主にモバイルアドホックネットワーク(Mobile Ad hoc Network, MANET)のルーティングやセキュリティに関する研究を推進してきた。MANETは、各携帯端末の移動により、直接に無線通信できる携帯端末が時間の経過とともに変化するので、極めて動的なネットワークである。MANETの無線通信機能を有する携帯端末を車両に置き換えることで、車両アドホックネットワーク(Vehicular Ad hoc Network, VANET)に展開できるので、MANETの技術をVANETに応用できる。また、MANETには見守りや防災などへの実用化に対する期待が大きい。実際、総務省モデル事業の一つとして、MANET を児童見守りシステムに応用した研究開発事業を広島市で2007年に実施した。

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  • 人工知能(AI)の時代に求められているイノベーション人材とは、実社会に現れる具体的な課題を抽象化・一般化することによって俯瞰し、総合的に解決する能力を持つ人材である。そのような人材に成長するためには、人間が本来持っているイノベーションを生み出す能力(「なぜ?」という問いを持つ力や、ふとした瞬間に「ひらめき」を生み出す力)の基礎となる、読解力(教科書レベルの文章や説明書などを正しく理解する力)、論理力(自分の考えや意思を相手に明確に伝え、説得や議論ができる力)、数学力(問題を設定し、試行錯誤しながら数字を使って分析的に解く力)を向上させる必要がある。これからのAIの時代に実社会で活躍するために、理工分野の女子学生にとって有用なこれらの能力を高めるように心がけていただきたい。
  • 包 躍

    金沢大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。金沢大学工学部助手、横浜国立大学工学部講師のち助教授、東京都市大学情報工学部教授を経て2025年4月に本学着任予定。裸眼3D表示、AR・VR、視覚情報処理の研究に従事。研究成果を社会に還元することに強い興味を持ち、さまざまな企業との共同研究で国内外の特許を多数取得し、一部はすでに商品化されています。外部リンク:https://baolab3.wordpress.com/

視覚情報の処理と表示

視覚情報の処理と表示の研究をしており、さまざまな分野に展開しています。
例えばAR・VRにおいては、脳波を用いたVR酔いの解明や視線を利用したVR酔いの軽減、ヒューマンインタフェースにおいては、VR環境下の日本語高速入力、食品の品質管理においては、マルチフラクタル解析による和牛の等級判定、スポーツや趣味においては、AIによるゴルフフォームの指導、防災においては、建築物の傾き非接触測定など。企業との共同研究である工業製品のキズ検出、科研費の研究である聴覚障害者の発音訓練、国交省の国プロの研究であるトンネル掘削作業の高度化など、社会の要請に応じた実用的な研究を進めているとともに、近年の国際学会で受賞されている3D映画館の裸眼化のためのホログラフィック光学素子を用いた3D表示、自動運転や自律移動ロボットのための車載式全方位ステレオ計測、高光効率空間浮遊裸眼3D表示などの基礎研究も進めています。

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  • 映画『スター・ウォーズ』の中にもあったホログラフィ、AR・VR・MR、裸眼3D映像の浮遊表示、プロジェクションマッピングなどの表示技術、ドローンや壁面ロボットの自動誘導、AIによる工業用画像検査や医用画像処理、AIによる顔認識、赤外線や超音波またはレーザーによるセンサーフュージョン、大雪でもクリアに見える監視カメラ、火災監視や増水監視などの処理技術、実社会においては視覚情報工学は多岐に渡って必要とされているため、解決すべき課題も多いです。
    例えば、3D映像は古くから人間の夢であるものの、視覚疲労の問題が実用化を阻害しています。また、視覚情報処理技術は監視カメラやロボットなどに広く応用されているものの、従来技術は雪や粉塵などのある実環境に対応できない問題があります。視覚疲労が生じない快適な3D映像表示技術や悪環境に強い映像処理技術など、実社会に貢献できる新技術を一緒に開発していきましょう。
  • 西村 則久

    山口県出身。広島大学総合科学部総合科学科数理情報科学コースを卒業後、株式会社松下電器情報システム広島研究所(現:パナソニックアドバンストテクノロジー株式会社)で画像圧縮転送システム、携帯情報端末などの開発に従事。その後、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科で英作文自動添削システムを開発、岩国市役所を経て本学に。2008年にはコンピュータ将棋で世界ランク17位になるなどゲームプログラミングにも携わり、現在はスマホアプリやロボット開発を行う。

英作文自動添削システムの開発

Webブラウザ上で和文英訳問題が出題され、答えを入力してボタンを押すと即座にコンピュータによる添削を受けられるWebアプリケーション「サッと英作!」を開発しています。「サッと英作!」を利用した授業には、先生が黒板に赤チョークで添削する従来の授業と比べ、以下の利点があります。
・全生徒が自分の答案を添削してもらえる。
・瞬時の添削結果表示により、すぐに次の問題へと、各自のペースで進める。
「サッと英作!」は本学の授業でも使用されており、そこで得られたフィードバックを基に継続的な改良を行っています。

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  • AIやコンピュータ技術の急速な進歩により、私たちの生活は大きく変わりつつあります。情報科学科ではコンピュータの最新技術を学び、未来を創る力を身につけることができます。
    情報科学科では、単にソフトウェアの使い方を覚えるのではなく、新しい技術やソフトウェア環境にすぐに適応して使えるようになる能力を養います。AI、ビッグデータ、IoTなど、注目の分野をあなたの個性と組み合わせれば、世界でまだ誰も行ったことのない画期的な試みができるかもしれません。
    情報科学の知識は、今やあらゆる分野で求められる重要なスキルです。私たちと一緒に、テクノロジーの最前線で未来を切り拓きませんか。情報科学科で、あなたの可能性を大きく広げましょう。
  • 山根 信二

    国際基督教大学教養学部卒業。企業就職後、東北大学大学院情報科学研究科にて修士号を取得。同博士後期課程へ進学後に単位取得退学し、岩手県立大学ソフトウェア情報学部助手。その後、東京大学大学院学際情報学府博士後期課程に入学し、単位取得退学。国際大学GLOCOM、青山学院大学HiRC、岡山理科大学、東京国際工科専門職大学(2025年3月まで)を経て同4月から安田女子大学へ。
    NPO法人IGDA日本の設立理事をつとめるほか、日本初のHEVGA(全米ビデオゲーム高等教育機関連合)会員。これまで情報処理学会SSS2014最優秀論文賞,CEDEC2024招待講演など国内のゲーム開発者教育とゲーム研究の両輪を推進している。

ゲームジャムを通じた社会参加型デザイン、ゲームハッカー倫理

世界各地の文明には多様な遊びの文化があり、現代では最先端の情報技術はデジタルゲームを通じて世界を変えようとしています。ではゲームの可能性をさらに広げてよりよい社会を実現するには、どうすればよいでしょうか。まず現代のゲーム開発を理解し、なぜゲームで人の心を動かすことができるのかを理解し、プレイヤーやオーディエンスそして社会に与える変化についての知見を得ることも必要です。
ただしゲーム開発が長期化したり開発者が孤立するとゲームについての知見を共有し深めることは難しくなります。そこでゲーム開発を高速にまわす「ゲームジャム」を国内各地で開催しプロも学生も参加するコミュニティの形成を支援してきました。いよいよ誰もがどんな場所でもゲーム開発者になれる時代が近づいてきたことで、よりよい社会をつくるためのゲーム文化の発展に貢献したいと考えています。

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  • 情報産業の中でも、特に日本から世界に多くの影響を与えてきたのがゲーム産業です。HEVGA(全米ビデオゲーム高等教育機関連合)の調査では,大学でゲーム開発を専攻する女性の割合は計算機科学や工学を専攻する割合に比べて大きく、脱落率も小さいと報告されています。女性が高度なゲーム開発を学んで活躍する可能性は高そうです。
    これは米国だけの傾向でしょうか?実は日本のゲーム産業はその初期から多くの女性が活躍してきました。先年発売された全米ベストセラー『Gamer Girls: 25 Women Who Built the Video Game Industry』でも「ゲーム産業を変えた女性25人」の中に日本からは渋谷員子,襟川恵子,下村陽子の3人が選出されました。それぞれの分野のパイオニアとなった先人に続いて、新たな技術を学ぶとともに、限界に挑戦して新たな表現を生み出すパイオニアとなるよう切磋琢磨していきましょう。

教員・研究テーマ

  • 氏名職名研究テーマ学位
  • 山下 明博教授(学科長)人工知能、コードレスプログラミング博士(学術)
  • 相原 玲二教授インターネットの通信方式と運用技術に関する研究博士(工学)
  • 大川原 真一教授人工知能と数値流体力学の統合的応用による工学プロセスの最適化博士(工学)
  • 角田 良明教授モバイルアドホックネットワークの研究博士(工学)
  • 土屋 敏夫教授感性工学を用いた自動車のインタフェース評価博士(情報工学)
  • 包 躍教授視覚情報の処理と表示博士(工学)
  • 西村 則久准教授英作文自動添削システムの開発修士(政策・メディア)
  • 山根 信二講師ゲームジャムを通じた社会参加型デザイン、ゲームハッカー倫理修士(情報科学)
  • 酒井 達弘講師データマイニング、機械学習博士(情報科学)