

【論文発表】ウキクサを食べる虫の"選り好み" -日本に生育する3種のウキクサに対するウキクサミズゾウムシの 摂食嗜好性を解明-
2026.06.23
磯田珠奈子助教が筆頭・責任著者を務める論文が「Plant Species Biology」に掲載されましたのでお知らせします。
本研究は、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)、および県立広島大学令和5年度重点研究事業「先端的研究」の支援を受けて行われました。
論文の概要は以下のとおりです。
・研究の背景
急速な増殖能力とタンパク質含量の高さから、家畜飼料やバイオ燃料の原料として注目されているウキクサ植物は、ウキクサミズゾウムシなどの草食動物による食害を受けますが、「どの種が好まれるのか」「植物の生理状態が摂食をどう左右するのか」は十分に解明されていませんでした。
・研究の成果
日本各地に分布するウキクサミズゾウムシが、水田等で共存する3種のウキクサ植物に対し、ウキクサ > アオウキクサ > ヒメウキクサの順で明確な摂食嗜好性を示すことを明らかにしました。また、植物の花や実に含まれる色素「アントシアニン」を葉状体(フロンド)に蓄積した個体は、非蓄積個体に比べて食害量が 約3〜4分の1に減少し、アントシアニンが食害忌避物質として機能する可能性を示しました。
・今後の展望
本成果は、ウキクサ植物の群集構造の理解を深めるとともに、ウキクサ植物の安定的・効率的な半野外環境における栽培技術開発への基礎的知見となります。
【発表論文】
題名 :Selective feeding of the duckweed weevil on three common species of duckweed in Japan
著者 :Minako Isoda, Kano Takahashi, Hiroki Yagi, Tomoaki Muranaka, Tokitaka Oyama, Masahiro M. Kanaoka
掲載誌:Plant Species Biology
