

第3回マダガスカル調査(医薬用資源植物に関する研究)
2023.10.04
8月26日から9月4日にかけて、2023年度学内学術研究助成課題「生物多様性のホットスポットであるマダガスカルの医薬用資源植物の研究」のため現地に赴き、未知の天然資源探索および調査を行ってきました。この度は2017年度および2019年度に続く3回目の調査となります。
【前回、前々回調査に関する記事はこちら】
今回も現地出身の天然物化学研究者のLiva先生(現オハイオ州立大学薬学部准教授)に帯同をお願いし、更に現地国立研究所CNARPに協力していただきました。
今回は、前回、前々回に採集した植物の成分探索で得た知見をもとに、新規成分の得られる可能性を秘めた植物種の採集を目的としました。3回目の調査ではありますが、過去2回の訪問とは旅程や渡航時期が異なったこともあり、新たな現地の生活状況や風景に触れあえた旅となりました。また、植物採集時には、『新種!?』と思われる植物を発見するなど、これまでにないワクワクした出来事もありました(残念ながらCNARPチームが初めて出会った植物ということでした)。
目的の植物サンプルも無事採集でき、現在は協力先のCNARPから抽出エキスが届くのを心待ちに、これまでに入手したエキスの成分探索を鋭意進めています。
尚、これまでに下記の通り成果を発表しております。
【論文】
Omphalines A-E: ent-Rosane-type Diterpenoids from Madagascar Endemic Plant, Omphaleas oppositifolia., Kawakami S. et al., Chemical and Pharmaceutical Bulletin, 70(12), 901-906, 2022.
【学会発表】
『マダガスカル固有種Croton属植物の成分探索』北尾ら,日本生薬学会第65回年会,広島,9/15-16 (2018).
『マダガスカルの固有種Croton jennyanusの成分探索』川上ら,日本薬学会第139年会,千葉,3/20-23 (2019).
『マダガスカル固有種Croton属植物の成分研究』川上ら,日本薬学会第140年会(要旨発行のみ),京都,3/25-28 (2020).
『マダガスカル固有植物Rhodolaena bakerianaの成分研究』大塚ら,日本薬学会第141年会,広島:オンライン開催,3/26-29 (2021).
『New ent-Rosane Type Diterpenoids from Madagascar Endemic Plant: Omphalea oppositifolia.』Kawakami S. et al., The 11th JSP-CSP-KSP Joint Symposium on Pharmacognosy, Tokyo: online (Japan), 9/18-19 (2021).
『マダガスカル固有植物Omphalea oppositifoliaより得られた新規ent-Rosane Diterpenes』川上ら,日本生薬学会第68回年会,松山:オンライン開催,9/10-11 (2022).
『マダガスカル固有植物Croton nitidulusより得られた新規cembranoidsの構造決定』川上ら,日本生薬学会第69回年会,仙台,9/9-10 (2023).
現地では春間近でモモ(近縁種)の花が咲いていました
植物調査① 採集した植物を袋詰め中
植物調査② 新種ゲット!...とはなりませんでした
植物調査③ 植物から赤い血!?いったい何でしょう?
レクリエーション 空いた時間にペタンク
コレクションチームの集合写真