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【教員紹介】柳川 綾先生

2025.01.29

  • 学科紹介

先日お知らせした高橋先生のご紹介に続いて、昆虫病理、天敵微生物的防除、環境学、化学生態学、動物行動学をご専門とされ「昆虫の行動免疫」を主な研究テーマとされている柳川綾先生をご紹介いたします!

【プロフィール】

柳川 綾

九州大学農学部卒業。九州大学農学研究院生物資源環境科学科修了(農学博士)。京都大学助教、企業勤務を経て現職。留学経験のほか、海外の研究機関で延べ2年ほど在外研究を経験。学部在学中から昆虫の病気感染抵抗行動を研究し、昆虫の行動による生体防御機構について研究を展開している。昆虫を通して、土壌環境や植物の香りといった化学物質の研究にも携わり、生き物のコミュニケーション全般に興味を持っている。

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【専門分野】

  • ・昆虫病理
  • ・天敵微生物的防除
  • ・環境学
  • ・化学生態学
  • ・動物行動学

【主な研究テーマ】

昆虫の行動免疫に関する研究

主研究として、昆虫病原性微生物に対する昆虫の感染防御行動を研究しています。身体をきれいにしたり身の回りを掃除するといった衛生行動が、昆虫の生体防御機構において、免疫機構と並ぶ働きをしているのではないか、という行動免疫という機構です。
食品が腐敗すれば、ヒトは嗅覚や味覚、時には視覚を通して有害な微生物を不快なものとして認識し、接触すれば洗い流します。昆虫はどうするのでしょう。環境中には昆虫にとって有用な微生物もいます。多様な微生物に接した際の昆虫のふるまいを明らかにすることで、植物ー昆虫ー微生物の調和ある関係を探っています。都市生態系および森林生態系とバランスを取りながら、環境負荷の少ない地域に調和した農業生態系を実現するための研究です。
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【高校生に向けたメッセージ】

動物と人間の見える世界は違います。脳の仕組みが異なるからです。異なることだけでなく、共通する部分もあります。すべて、その生物の生存戦略と強く結びついています。近年のコロナ禍では衛生環境を意識した人も多いと思いますが、例えば、温暖化に伴う海水温上昇によってカキやウニにウイルス病が蔓延するなど、至る所で新しい病気が現れてきています。環境問題は産業的にも大切ですが、病気という生物のQOLから切り離せない問題に、人間以外の生物がどのように対処しているのか、そのつながりを観察することで、問題の様々な側面が見えてきます。
生き物の世界を、近くから、遠くから見つめることを通して、知識という土台の上に、大学でしか得られない「楽しい」学びを得るお手伝いができれば嬉しいです。