

作品紹介(建築設計演習Ⅱ)その1
2026.06.19
2026年度・前期/建築設計演習Ⅱ(建築学科2年)における優秀作品を紹介します。
第一課題のテーマは「平和公園のカフェ」です。
●「何を守り、何を失うのか」尾首彩泉
(コンセプト)
戦争の本質は絶対的な悪の仕業ではなく、生まれ育った環境や文化、信仰が生み出す「それぞれの正義」の衝突にこそある。だから単に「戦争はダメだ」という綺麗ごとで思考を止めてはならない。本計画は、平和記念公園の穏やかな静けさの裏にある、複雑な「人間の心理」に向き合い、問い続けるための空間の提案である。
●「交錯」河野桃子
(コンセプト)
原爆投下に関わった航空士の中には、申し訳ない気持ちはあるが原爆投下は仕方のないことだったという者、原爆で亡くなった人への強い罪悪感に苛まれ精神を病んだ者もいる。広島で原爆にあった方々は大切な人を失い、申し訳ないという気持ちでは済まないほどつらい思いがある。その惨劇を平和祈念資料館で見た者は様々な感情を抱き、自分の考えを思う。その多様な思いや歴史の記憶が交錯し、お互いを尊重しあう空間として設計した。
●「日常の層景」塩安莉子
(コンセプト)
本計画では、原爆投下以前に存在していた旧中島地区の街路や暮らしの密度を、現在の平和公園内に断片的に重ね合わせることで、過去の痕跡を日常の中ににじませるカフェを提案する。平和軸を尊重した直線的な動線を据えながら、その周囲には多様な居場所を点在させることで、観光客、地元住民、過去の記憶、現在の日常といった異なる関係性が重なり合う状態を作り出す。
●「潜想ののちに」瀧本萌衣
(コンセプト)
本計画では、入店時点で原爆ドームを一度視界から隠し、地階へと続く閉鎖的な展示空間を通して、被爆以前の産業奨励館、被爆直後の広島、そして復興へと至る過程をたどり、その後視界が開放され現在の原爆ドームと再開する体験を提案する。原爆ドームは入店以前に見えていたものと同じ姿でありながらも、異なる意味をもった存在として再認識される。