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在学生 石田枝里さんと梅岡亜香音さんが企業のカレンダーをデザイン

2022.12.05

  • 学生活動

造形デザイン学科4年生の石田枝里さんと梅岡亜香音さんが、昨年、キジをモチーフにして2022年(今年)の帝国インキ製造株式会社のカレンダーをデザインしました。

早いもので、もう師走。二人がデザインしたカレンダーも最後の1ページになりました。二人がデザインした素敵なカレンダーのおかげで、とても良い一年になりました。
ありがとうございます。

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石田枝里さんのコメント(佐賀県立佐賀西高等学校卒)
提示されたカレンダーのデザインの要件は「日本の野鳥」でした。最初は、鷲や隼などクールで野生さを強調するような鳥や、シマエナガや鶯など鮮やかな小鳥にしたらどうかなと思っていました。そんな中、直接、帝国インキさんにお話を聞くことができる機会を長谷川聡先生に設けていただき、ヒアリングを行いました。企業さんの特徴をお伺いした際に、「一生懸命さ」というキーワードを感じ雉(キジ)も飛べないけれども、一生懸命に走り回る姿というのが帝国インキさんと重なりました。これがテーマの日本の野鳥を雉に選定した理由です。他にも、日本固有種の美しい留鳥で民話や童謡でも馴染みがあり、色鮮やかな姿もインクを扱う帝国インキさんにふさわしいと感じました。
カレンダーのデザインの要件には「上半期と下半期で全く違ったデザインにする」というものもありました。そのため私が上半期、梅岡亜香音さんが下半期と役割を分担することで、同じモチーフでも全く種類の違うデザインをご提案することができました。
私一人ではなく共に作ってくれる仲間がいたからこそ、励まし合いながら、意見交換しながら、良い作品を作り上げることができたと思っています。
採用していただくことができたのは、慣れないことへの不安があっても、挑戦することを恐れずに最大限期待に応えたいと走り抜けられたからこその結果だと感じています。

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梅岡亜香音さんのコメント(広島県立五日市高等学校卒)
企業様とのヒアリングの中で印象的だったのは、色創りへの熱い想いを語っておられる姿です。その姿から、「帝国インキさんの色彩鮮やかな印刷技術を活かせるデザイン」を目指しました。想いを多くの人に伝えるため、目を惹くインパクトの強いデザインが必要であるとも考えました。企業カレンダーなので、使用される方の年齢が幅広いことから、ターゲット層を広く設定し、どんな方にも共感してもらえるよう日本の文化から手掛かりを探しました。そうして辿り着いたのが、一刀彫りという木彫技法です。一刀彫りとデザイン技法であるポリゴンを結びつけ、キジのポリゴン化を試みたことで、目を惹く尖ったデザインを叶えることができました。また、一番のポイントでもある「細かで鮮やかな色彩」を生み出すことに成功しました。キジを選定したことはもちろん、ポリゴンで表現したことがこのカレンダーの大きな特徴ではないかと思います。
こうして試行錯誤を重ね完成したものを採用していただけたことを、心から嬉しく思っております。また、ターゲットやコンセプトを決めるまでのノウハウを学べたことや仲間と案を出し合いながら切磋琢磨した時間など、私にとって非常に得るものの大きい貴重な体験でした。
1年間社用カレンダーとして使用して下さった帝国インキの皆様、サポートして下さった長谷川聡先生、共に制作してくれた石田枝里さん、そして様々な方のおかげで、大学生活の中で胸を張って頑張ったと言える作品となりました。

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帝国インキ製造株式会社担当者のコメント

当社の卓上カレンダーは、年末に得意先に配付する重要な企画で10年以上続いています。柔らかいデザインから始まり、幾何学的なデザイン、生物など様々なデザインで表現してきましたが、近年は既視感を感じていました。そこでデザインを一新すると共に、当社の印刷用インキの製造販売事業を表現するため、2022年は「『日本の野鳥』をモチーフとした尖ったデザイン」と「彩度の高い色彩」の二点をテーマとしました。
今回、数十点に及ぶコンペ応募作品の中から選考した理由は、尖ったデザインというテーマに対してキジをポリゴン化で表現し目を惹きつける点、また、普段は隠れて見えない部分にまでデザインが施されて遊び心がある点を評価しました。他の女性選考担当者からは、「資料の取りまとめ方法が日常業務にも反映できそうで勉強になった」、営業部門からは、「オリガミにも見えてオシャレで飽きの来ないデザイン」で、配付先でも好評と報告がありました。


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