

広島市の水道の歴史を学ぶ-水道局と対談
2025.11.13
7月25日、牛田浄水場にて、竹本知行教授と広島市水道局技術部松岡俊典維持担当部長との対談が行われ、竹本ゼミ生5名が聴講しました。この対談は一般社団法人日本ダクタイル鉄管協会の機関誌『ダクタイル鉄管』No.117の誌上企画によるものです。
▶対談の詳細は『ダクタイル鉄管』No.117(p6.-17)
対談では、竹本ゼミ1期生が執筆した書籍をもとに、軍都広島の視点から原爆以前の広島を振り返り、水道創設時の市の状況やその後の発展について意見交換が行われました。広島市の水道事業は、原爆投下時にも排水地に残る水で給水を継続し、創設以来127年間「不断水」を守り続けています。
▶1期生が執筆した書籍について(リンク)
対談に先立ち、一行は広島市水道資料館を見学しました。不断水の背景には、歴史に沿って積み重ねられたたゆまぬ努力があり、その価値を間近に感じることで、感謝とともに「知ること」の大切さを再認識しました。
対談では、水道事業の歴史や維持管理の工夫、そして未来への課題など、多岐にわたる話題が交わされ、学生たちにとって大変有意義な学びの時間となりました。
■竹本ゼミ1期生の先輩が執筆した書籍を読んでの感想
【ゼミ生の声】水道事業は当初、生活インフラよりも軍都としての役割を重視して整備されたことを知り、驚きました。軍が近代的な水道建設を後押しした点は、「軍=戦争や破壊」というイメージとは異なる側面でした。さらに広島の軍用水道は、民間への供給も前提としており、感染症対策など生活への配慮もあったことが分かりました。水道は今や当たり前の存在ですが、広島の歴史とともに歩んできた重要なツールだと感じました。
■水道資料館を見学しての感想
【ゼミ生の声】水道資料館では、原爆投下後も残る施設や水道に関する資料を見学し、広島の歴史とともに歩んできた水道の姿を学びました。展示されていた水道管は、江戸・明治・大正と時代によって材質が異なり、人々の工夫や技術の進歩が伝わってきました。かつては井戸や水売りに頼っていた生活が、今では蛇口をひねれば水が出る暮らしに変わったのは、多くの人々の知恵と努力によるものだと改めて感じました。
■対談聴講後の感想
【ゼミ生の声】貴重な聴講の機会をいただき、緊張しながらも多くの知らなかった話をお聴きすることができ、とても充実した時間でした。
人口増加に伴う設備の拡張や人材育成、担い手不足といった課題に対しては、技術面だけでなく、現場で日々取り組む職員の努力と工夫が欠かせないことを実感しました。
また、水道の仕事はこれまで男性中心のイメージがありましたが、女性ならではの視点を活かせる場でもあり、魅力を広く発信してほしいと感じました。
身近な存在である水道ですが、広島市の歴史に触れることで、利用者としても日々の使い方を丁寧に考える大切さを学びました。
(記事:竹本ゼミ3年 熊谷 空海)