

インドジャボク -薬用植物園から-
2023.12.01
薬用植物園では、第二圃場に面した温室で暖かい地域の植物を栽培しています。木化したニチニチソウとテイキンザクラについては、以前このホームページで紹介しました(2023年4月)。この度、新たな熱帯植物として、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 薬用植物資源研究センターから、貴重なインドジャボクの苗(写真①、②)を特別に教育用として譲渡いただきました。
インドジャボク(印度蛇木)(Rauvolfia serpentina)はキョウチクトウ科の樹高0.5~1 m程度の常緑小低木で、インド、ミャンマー、マレー半島などの熱帯雨林内に生えています。インドの伝統医学であるアーユルヴェダ医学や南アジアでは、古くから民間薬として蛇の咬み傷、精神病、高血圧、不眠症などに用いられており、薬用部位は根となります。有効成分はアルカロイド類で、著しい中枢性鎮静作用や血圧降下作用を有しており、これらのうちで高血圧に用いるレセルピンと不整脈に用いるアジマリンは日本薬局方収載医薬品でもあります。インドジャボクは5月から10月にかけて白、ピンクあるいは赤色の花をつけますので(写真③、④)、来年以降を是非ご期待ください。
種子島から届いたインドジャボクの苗①
種子島から届いたインドジャボクの苗②
③インドジャボクの花(大塚学部長撮影)
④インドジャボクの果実(大塚学部長撮影)