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「日本語パートナーとしてのインドネシア滞在記」

2018.02.13

  • 学生活動

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(文化紹介:折り紙をしました)


英語英米文学科4年生の國廣さんは、現在インドネシアに滞在して、高校の日本語の授業のアシスタントをしています。今回HPに記事を寄せてくれました。

「日本語パートナーとしてのインドネシア滞在記」
英語英米文学科 4年 國廣愛子

私はいま日本語パートナーズ派遣事業による日本語パートナーとして、平成29年8月からインドネシアの高校で日本語の先生のアシスタントをしています。日本語パートナーズ派遣事業では、ASEAN諸国の中学・高校の日本語教師や生徒のパートナーとして、授業のアシスタントとしてサポートしたり文化紹介を行う人材を派遣しています。

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(到着直後の8月にジョグジャカルタ、インドネシアであった着任式の様子です)


インドネシアの高校は朝7時から始まります。毎週月曜日には朝礼があり、大体50分くらいで長い時には1時間以上あります。内容は国旗掲揚、国歌斉唱、先生の話です。みんな長い時間静かに立って聞いていて最初に来たときは驚きました。生徒はみんなバイクで登校をし、学校の駐車場にはたくさんの日本製バイクがあります。
授業中の私の主な役割は日本語の発音と先生との会話練習の見本です。授業は1コマ45分で3コマ連続と長いです。私の高校では日本語の授業は必須なので、日本語を学びたいという生徒ばかりではありません。どうやったらもっと楽しい授業になるのか、どうやったらもっと関心を持ってもらえるのか、現地の先生と話し合いながら授業づくりをしています。授業時間が長いので、途中に日本で流行っているゲームや歌などをしています。生徒にはよく歌を歌ってと言われます。私はあまり得意ではないですが、リクエストに応えられるようあらかじめ用意しています。インドネシア人はみんな歌を歌うことが大好きです。職員室でだれか先生が歌を歌い始めるとそれに合わせてほかの先生も歌い始めます。教室でも休み時間には生徒がギターを弾きみんなも歌っています。
月に二回ほど日本の文化や現状を伝える時間を作っています。今までに取り扱った日本の文化紹介は、折り紙、けんだま、福笑い、ひらがな神経衰弱、たこやき、どら焼き、うどん作り、日本のお正月等です。たこ焼きづくりの際は生徒たちに自分たちで考えてもらうために、準備は全て生徒たちにやってもらい、私はたこ焼きの機械だけ用意しました。たこは高いため、代わりにイカやチキンを入れていました。自分たちで用意することによって、たこ焼きは何から作られているか、どのくらいの費用が必要なのか、また日本の物がなくても何で代用して作ることができるのかということを生徒が知ることができたので良かったと思います。日本のことについては生徒が関心を持ちそうな写真を使って日本とインドネシアを比較し、たくさん質問してもらったり、こちらから質問したりして日本や自分のことについて知ってもらうようにしています。

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(文化紹介:手作りのうどん作り)



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(文化紹介:たこ焼きづくりの様子)


インドネシアはたくさんの島から成り立っています。私の住んでいるところはジャワ島にあるジョグジャカルタという地域です。ジョグジャカルタは9割の方がイスラム教を信仰しており、1割はキリスト教やカトリック教です。クラスの中にもイスラムやカトリックの生徒がいます。学校にはモスクがありそこでお祈りをします。イスラム教の女性はヒジャブという髪の毛を覆うための布を頭にかぶる人が多いです。食べ物やお酒に関しては、豚肉を食べる人もいれば絶対に食べたくないという人もいるし、お酒が好きな人もいます。時間に対しての考え方は、とてものんびりしています。日本の社会のように時間通りに進まないことはたくさんあり、最初の頃は1、2時間待つこともありましたが、こちらにきて自分ものんびりするようになったので、待つことはなくなりました。インドネシア人の性格としてはあまり怒らない傾向があり、先生が生徒を怒る場面はあまり見ません。その国の人達の文化や性格を理解して楽しむこと、常に大らかな気持ちでいると何事もうまくいくと思いました。

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(クバヤというジャワ島の伝統的な服。月に一回着ます。いろいろな色があってとてもきれいです。)


帰国まであと少し時間があります。まだまだ伝えたい日本のことがたくさんあります。生徒の思い出に残るような授業を目指して残りの期間も頑張りたいと思います。