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日本語教育実習を終えて

2023.01.25

  • 学びの特徴

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英語英米文学科では、所定の科目の単位を取ることで、「日本語教員養成課程修了証明書」を取得することができます。その中には、「日本語教育実習」があり、学生達は日本語教授を実施している外部団体の活動にボランティアとして参加をさせてもらいます。中国、タイ、シンガポール、韓国、英国、マレーシア、ベトナム、台湾、米国、と様々な国の方の日本語学習に関わらせていただきました。英語を専門として学んできた学生達が自身の言語学習の経験を活かして、丁寧な教授を心がけている姿が見られます。今回、この実習を終えた4年生二人が、感想を寄せてくれました。それぞれ違う団体に参加させていただきました。

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吉岡真央さん:

日本語教育実習を始めた時は、教えたことがないため上手く教えることができるのかと不安と緊張でいっぱいでした。そのため、説明が上手くできない、会話が続かなかい、ということもありました。また、授業をしていく中では、単語の意味や使い方、文法の説明を簡単な日本語で学習者に説明する必要があったのですが、普段は意識することなく日本語を使っているため、あらためて分かりやすく説明することにとても苦労しました。

しかし、苦労はある一方で、それ以上に充実感がありました。私はシンガポールの方の教授を担当したのですが、たくさん質問してくれたので教える側としてとてもやりがいを感じました。教える度に何気ない会話から日本語が上手くなっていることを感じられる時には、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。学習者の力になれていることがとても嬉しかったです。

振り返ってみて、日本語を実際に教えることで自分も知らなかったことを沢山知ることができたと思います。学習者の方の国の文化についても色々と知ることができ、活動日が楽しみでもありました。この日本語教育実習を通して、教えることの難しさを知り、私自身も多くの事を学ぶことができ、とても貴重な経験になりました。

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山下野々花さん:

私がお世話になった教室では、毎回5名から8名の生徒さんがいらっしゃいました。すでに会話がスムーズにでき、漢字の学習に入っている方、一か月前に母国を出て、日本の高校に入学したばかりの17歳の男の子、日本で4年間働いているが読み書きは全くできない方など...習熟度や環境も様々でした。

日本語教授の実践というよりは、主に、個別指導のお手伝いと英語を使っての解説を行いましたが、その中で学んだことは多かったです。日本人に英語を教えること以上に、柔軟かつ多様な教え方をする必要があると感じました。「漢字を英語圏の人に教えるためには?」「英語が話せず、日本語も初めての方とのコミュニケーションは?」「働いている方に対しての宿題の出し方は?」といったような問いが次々と出てきました。私自身は塾でアルバイトをしており、教えることは得意な方だと思っていましたが、それでも苦戦することが多々ありました。

長くこの教室で日本語を教えていらっしゃる先生方の授業方法や様子をしっかり観察させていただくことで、より多角的に日本語教授の現場の様子を知ることができました。「教える」という行為は、職場でも家庭でも行われることです。自分とは環境・年齢・文化背景等、異なる人たちとの経験を、今後も活かし続けたいと思います。