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各種の漢詩大会で入選・入賞した成果を紹介します

2026.02.25

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日本文学科の学生たちは、自ら創作した漢詩の出来栄えを競う各種の全国大会で優秀な成績を収めています。
2年生は「中国文学演習Ⅰ」の授業で、3・4年生は「卒業研究」の授業で漢詩創作を学び、努力を重ねた結果です。
入賞・入選おめでとうございます。

 

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その成果を称え、今年も本学の創立記念式で表彰されました。
令和6年度「『扶桑風韻』漢詩大会」U23部門において、吉田舞さんの「白露」が優秀賞に輝きました(審査結果の発表は令和7年)。2025年8月5日の学科ニュースをご覧ください。
 

令和7年度「全日本漢詩大会徳島大会」U23部門においては、最優秀賞1名と優秀賞5名を
日本文学科の学生が独占し、入選も8名という快挙を成し遂げました。

 

指導にあたった内田誠一教授から、お祝いの言葉と入選・入賞者への講評を紹介します。

 

学生のみなさんのたゆまぬ努力の賜物であり、心よりお祝いいたします。
最優秀賞(全国1位)に輝いたのは山口絢音さんの「山居」です。

 

山 居
 深園蝶舞百花新 深園(しんえん) 蝶舞いて 百花新たなり
 樹下犬眠無世塵 樹下(じゅか) 犬眠りて 世塵(せじん)無し
 乗興閒吟茅屋裏 興に乗じて間吟(かんぎん)す 茅屋(ぼうおく)の裏(うち)
 青山勝事属幽人 青山(せいざん)の勝事 幽人(ゆうじん)に属す

 

山口さんの詩では、まず「深園 蝶舞う」と「樹下 犬眠る」とあり、俗世から隔絶された自然豊かな空間が提示されます。そして、私は家の中で興にまかせてゆったりと詩を吟じている。山中の生活でのすばらしくて楽しいことはすべて私のものだ、と結んでいます。理想化された山住みの生活を詠じていて、最優秀賞にふさわしい格調高い立派な出来栄えの作品です。 

 

優秀賞を獲得したのは以下の4名です。内田教授による講評を紹介します。

 

4年生の河野麗さんの「梅花」は、北野天満宮の梅園で咲き始めの梅を発見した驚きを詠じ、3年生の岡野芽依さんの「春夜 人を憶う」は、失恋した過去を春の夜にさびしく追憶しています。また3年生の森和津美さんの「橙橘」は、大学での学びが形となっていく感覚を成熟した果実の姿に託して歌い、2年生の森田ちよさんは、山中の川の流れで心を洗い清めたことを詩にしています。
4名の作品の内容は実にバラエティに富んでおり、若々しい感性があふれていて印象深いものとなっています。
また、4年生の久保田真由さんの「乗秋閑遊」、小谷咲希さんの「桃園」、吉田舞さんの「故郷桜桃」、2年生の原由奈さんの「春日」、三瀬李乃さんの「春日」が入選となりました。

 

 
第17回「諸橋轍次博士記念漢詩大会」では、日本文学科の学生4名が優秀賞に、3名が奨励賞に輝きました。内田教授によるお祝いの言葉と講評を紹介します。

 

日文生がこの大会に応募するのは初めてでしたが、立派な結果を出されましたので、慶びもひとしおでした。
優秀賞を獲得した4名の作品です。4年生の小笠原汐音さんの「故郷の桃園を懐(おも)う」は、故郷の桃園では私の帰郷を促すかのように桃が大きくなっているのではと推測し、3年生の宮本咲来さんの「桃花」は、赤い桃の実が麗しさを競う春の日のひとこまを詠じています。2年生の山根直子さんの「春望」は雨上がりの広島の郊野における春の景色の素晴らしさを歌い、山田鈴葉さんの「春日」は、山や谷を望む家で一日読書しているとふと詩ができあがったことを詠じています。
4年生の三輪みのりさんの「逍遙山林」、2年生の本谷梨乃さんの「東風花舞」が奨励賞を獲得しました。

このように入賞・入選となったみなさんの作品は、それぞれの視点で山水田園の風景や自分の思いを素直に、そして立派に詠じていて、とても素晴らしいことです。もちろん修辞や技巧も大切なのですが、それだけに終始して内容が空疎では良い作品とは言えません。その点、今回のみなさんの作品は純粋で自然な歌いぶりで、自分の感覚や感動を率直に詠じていて、非常に好感が持てるものでした。今後も清く気高い作品を創作していかれることを期待しております。みなさん、おめでとうございました。

 

受賞した学生たちのコメントを紹介します。

 

岡野芽依さん(「全日本漢詩大会徳島大会」U23部門・優秀賞受賞)のコメント

私は失恋を経験して過去を追憶する心情を表現しました。愛というものは決して永遠ではない一方で、その一瞬一瞬が儚くも美しく、心に深く刻まれるものだという思いを詩に込めました。

 

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山田鈴葉さん(「諸橋轍次博士記念漢詩大会」学生の部・優秀賞受賞)のコメント

この作品で描いた『自然の静けさで心を落ち着かせると、新たな気づきが生まれてくる』という情景は、私自身が大学生活において学問に向き合う理想の姿だと感じています。そのため詩作にあたって、山や柳の景色を思い浮かべ自分の理想の姿を軸に添えながら制作しました。

 

このように日本文学科の学生たちは、授業での学びを創作に活かし、その成果を積み上げながら自分の大学生活を主体的に充実させています。