

古瀨雅義教授(日本古典文学)が科研の共同研究会で研究成果を発表しました
2025.10.31
日本文学科で日本古典文学の教鞭を執る古瀨雅義教授が、9月4日・5日の夏休み中に同志社大学で開催された科学研究費の共同研究会で「『ついで」』に本筋を語る光源氏の話法 ―玉鬘の素性明かしと裳着の腰紐役を依頼する場面を視点として―」と題して、『源氏物語』の「行幸」巻について、データ分析結果をもとにした研究発表をしました。
光源氏は自分の手元に引き取って養育している玉鬘の素性を内大臣に打ち明け、内大臣に実父として裳着の儀の腰紐役を担当してほしいと依頼し、了解を得るのですが、この微妙な話題について光源氏の言動に注目すると、別の話題で盛り上がったタイミングを見計らって、「ついで」を装いながら本筋を語ることで話が展開しているという構造を明らかにし、『源氏物語』の話法について考察した内容でした。
古瀨教授は、3年生前期の授業「日本文学読解研究Ⅰ」で『源氏物語』を取り上げ、あらすじだけを追うのではなく、登場人物の言動と表現の対応関係に注目し、話の展開と作品の構造に焦点を当てながら、作品世界を深く掘り下げる読解を指導しています。
この発表は授業を通して見つけた新しい視点での分析をもとに研究を進めた成果で、古瀨教授は発表前にその授業でこの内容を語り、学生たちからも意見を聞いていました。
このように学生たちは専門分野の最先端の研究フィールドで学びながら、自分なりの視点を磨き、そのテーマについて掘り下げる方法を実践的に修得しています。
■関連リンク
・学科ニュース 古瀨雅義教授が高知城歴史博物館で文献調査の成果を報告しました
日本文学科 授業カリキュラム は こちら