

『扶桑風韻』漢詩大会で学生の作品が受賞しました
2025.08.05
全日本漢詩連盟主催・令和6年度『扶桑風韻』漢詩大会のU23(23歳以下の部門)で、学生たちの創作作品9首が入賞・入選し、賞状が贈られました。
優秀賞には吉田舞さん(4年生)、秀作に岸川文香さん(卒業生)・檜山幸花さん(卒業生)・藤原麻央さん(3年生)・屋形唯名さん(3年生)が選ばれました。
また、久保田真由さん(4年生)・小谷咲希さん(4年生)・佐々木愛菜さん(卒業生)・渡辺遥奈さん(3年生)が入選しました。小谷咲希さんと佐々木愛菜さんは、神奈川大会に続いての連続受賞です。みなさん、おめでとうございます。
この大会のお題は「二十四節気に関するもの」でした。みごと優秀賞(全国2位)に輝いた吉田舞さんの作品を紹介します。秋の気配が著しくなって、草木に降りた朝露が白く輝く時節である「白露(はくろ)」を詩題として詠じた七言絶句です。
秋日江村白露滋 しゅうじつ こうそん はくろ うるおい
天高帰雁起涼颸 てんたかくして きがん りょうしをおこす
無情草木空飄落 むじょうのそうもく むなしく ひょうらくす
夜永深知宋玉悲 よるながくして ふかくしる そうぎょくのかなしみ
吉田舞さん自身のコメントを紹介します。
二十四節気の中から「白露」を選び、どこか物悲しい雰囲気の詩を書きたいと思いました。草木に降りた白い露の光景、空を渡る雁、そして舞い落ちる木の葉。眼前の季節の移ろいに、みずからの感情の揺らぎを重ねてみました。祖父母の家の周辺に残る山や田畑の情景が、詩作の手がかりとなっています。
漢詩創作の指導をされた内田誠一教授の講評です。
吉田舞さんの漢詩は流れがとても自然で、味わい深い作品に仕上がっています。前半で川辺の村では、朝方にはしっとりと白露が降り、夕暮れ時には涼風を起こすように雁たちがねぐらへと帰る、そんな時節になったと詠じています。後半では草木の葉が舞い落ちるさまを見て、夜長に物思いにふけると、宋玉(紀元前3世紀の中国の文人)が草木の葉が落ちる秋を悲しんだことを深く理解できた、と結んでいます。宋玉の「九弁」は悲秋文学の伝統を切り開いた作品。吉田さんは、日本文学にも影響を与えた「悲秋」の思想を詠み込むことによって、詩に重厚感を与えています。
このように日本文学科の学生たちは、創作活動にも積極的に取り組み、その成果を自信につなげて大学生活を充実させています。
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