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「令和6年度全日本漢詩大会神奈川大会U23奨励賞」で日文生の漢詩が最優秀賞・優秀賞に輝きました

2025.01.17

  • 学科紹介

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日本文学科の学生たちが七言絶句を創作し、「全日本漢詩大会神奈川大会」の若者部門であるU23に応募して、河野沙穂さんが「鞆浦」の詩で最優秀賞(全国1位)を、小椋羽菜さんが「異郷」の詩で優秀賞(全国2位)をそれぞれ受賞。さらに秀作4名、入選4名という輝かしい結果となりました。

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昨年10月26日(土)に横浜市みなとみらい区の「はまぎんホール ヴィアマーレ」にて、令和6年度全日本漢詩大会神奈川大会が開催され、表彰式が挙行されました。U23最優秀賞を受賞した河野沙穂さんと、U23秀作となった佐々木愛菜さんが出席して、全日本漢詩連盟の鷲野正明会長より壇上にて表彰状が送られました。特別賞受賞作品が尺八の伴奏で吟詠されましたが、河野沙穂さんの作品も女性の吟詠家によって麗しく吟詠されたのが印象的でした。

河野沙穂さんの作品を以下に紹介します。

「鞆浦(鞆の浦)」
多年此港客帆行
たねん このみなと かくはん ゆけり
輓近無聞軋艪声
ばんきん きくなし ろせい きしるを
岸上逍遥芳躅在
がんじょう しょうようするに ほうちょくあり
摩碑深識古人情
ひをまして ふかくしる こじんのじょう


指導を担当した内田誠一教授の講評です。

今回の応募作品は詩題が「港にかかわるもの」で、河野さんは訪れたことのある鞆の浦を詠じました。この詩は単なる叙景詩ではなく「懐古」の詩となっているのが特徴です。即ち前半で、この港はむかし帆船が行き来していたのだが、最近では全く見えなくなったと、昔と今の変化に心打たれています。後半では鞆の浦にある医王寺において、大宰帥大友旅人が帰京する際に鞆の浦を通った足跡を見出し、任地で喪(うしな)った妻への挽歌が刻された石碑を見て、古人と自分の想いが触れ合ったことに感動しています。
万物の生々流転の「理」と懐古の「情」とが表裏一体に詠じられており、構成力の高いすぐれた作品となっています。

U23最優秀賞を受賞した河野沙穂さんのコメントを紹介します。

今回の詩は、鞆の浦の盛衰を対比させたのち、医王寺にある大伴旅人の歌碑に思いをはせながら詠みました。医王寺から見た鞆の浦は感慨深く、先人と私の想いがつながりあったような体験を表現しました。このような賞をいただき大変光栄に存じます。

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また、秀作となったのが上本真由花さん、佐々木愛菜さん、森川美花さん、山本陽菜さん。入選となったのが青戸菜桜さん、久保田詩音さん、小谷咲希さん、松本恭佳さんです。
なお、山本陽菜さんは昨年に引き続いての受賞となりました。

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文学部長室で富永一登文学部長より賞状を手渡され、お褒めの言葉をいただきました。
みなさん喜びもひとしおの様子でした。受賞おめでとうございます。

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日本文学科では、授業での学びに加え、創作活動にも積極的に取り組み、毎年このように成果を発揮して、実践的な学びを身につけています。

昨年の山本陽菜さんの受賞記事と作品の紹介はこちら