

【論文発表】低温でもよく育つユーグレナ、min41株を発見!
2026.05.18
玉木峻講師が筆頭・責任著者を務める論文が国際誌「Applied and Environmental Microbiology」に掲載されましたのでお知らせします。本論文は玉木先生が理化学研究所および株式会社ユーグレナの研究者らと実施した共同研究の成果となります。
論文の概要は以下のとおりです。
・研究の背景
単細胞性の光合成微生物であるユーグレナ(和名ミドリムシ)は、健康食品やバイオ素材などへの商業的利用が進んでいます。しかし、これまで広く利用されてきた株(Z株)は寒さに弱く、20℃以下では増殖しにくいため、屋外で大量培養できる地域が限られるという課題がありました。
・研究の成果
本研究では、市民参加型研究「みんなのミドリムシプロジェクト」を実施し、日本各地の淡水地から多様なユーグレナを収集し、解析しました。その結果、低温でもよく増殖する新しい株「min41株」を発見しました(図1)。min41株は、商業利用株がほとんど育たない15℃でも高い増殖能力を示し(図2)、細胞収量は商業利用株の7.5倍に達しました。さらに、ユーグレナの有用成分であるパラミロン、脂質、カロテノイドの生産量も大きく向上しており、15℃条件下で3.6~6.8倍高い値を示しました。
・今後の展望
今回の成果は、寒冷地や温帯地域でも効率よくユーグレナを生産できる可能性を示すものであり、今後の持続可能な食料生産や物質生産への応用が期待されます。また、寒さに強い仕組みを解明することで、ユーグレナの新たな品種開発にもつながると考えられます。
【発表論文】
題名 :A low temperature-adapted Euglena gracilis ecotype for outdoor biomass production in colder climates
(低温地域での屋外培養に適する低温適応型ユーグレナの発見)
著者 :Shun Tamaki, Marumi Ishikawa, Toshihisa Nomura, Koji Yamada, Kengo Suzuki, Keiichi Mochida
掲載誌:Applied and Environmental Microbiology, e00195-26
(https://doi.org/10.1128/aem.00195-26)

図1.商業利用株とmin41株の細胞形態

図2.商業利用株とmin41株の増殖曲線