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卒業制作優秀作品「臨石山切伊勢集」を展示しています
2023.04.28
- 学生活動
図書館2階にて、空田佳奈さん(2022年度書道学科卒業)の卒業制作作品「臨石山切伊勢集」を展示しています。
本作は2022年度卒業制作展に出品された作品のうち、特に秀作であると評価され、安田学園が所蔵し、活用されることとなりました。
「石山切伊勢集」は、平安時代末期に書写された「本願寺本三十六人家集」の一部であり、本作はそれを臨書(手本として習うこと)した作品です。
「石山切伊勢集」の魅力のひとつに、染色、金銀箔、刷り文様、継紙などの技法によって彩られた美しい料紙装飾が挙げられます。
空田さんは卒業研究「古筆料紙の制作に関する実践的研究」の中で、「石山切伊勢集」の料紙の調査、および模作に挑戦しました。
料紙の模作において大きな課題となったのは、「唐紙」の制作でした。唐紙は版木を用いて文様を刷り出した料紙であり、その制作には原本と同じ文様の版木が必要です。
繊細な文様を手で彫ることは困難で、それを依頼できる職人もなかなか見つかりません。
そこで今回は、安田女子大学ものづくりセンターの協力の下、レーザーカッターを用いた版木製作を試みました。
デジタル技術を活用することによって、狙い通りの料紙製作が叶いました。
今回の展示では、実際に使用した版木も合わせて展示しています。
その他の装飾(染色、金銀箔、継紙、描き文様など)も、その大部分を作者自身が施しています。
こだわりの詰まった料紙装飾と書の調和をお楽しみいただければ幸いです。