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第17回諸橋轍次博士記念漢詩大会で学生の作品が最優秀賞、奨励賞を受賞しました

2025.12.01

  • 学生活動

諸橋轍次記念館主催「第17回諸橋轍次博士記念漢詩大会」学生の部において、前田月奈さん(2年)の詠んだ漢詩が最優秀賞を受賞、永冶彩羽さん(2年)が奨励賞を受賞しました。
前田さんは新潟県三条市諸橋轍次記念館で行われた表彰式に出席しました。

前田さんの作品をご紹介します。

「月下揮毫」
涼秋靜夜坐西軒 涼秋の静夜 西軒に坐せば
天上淸光照藥園 天上の清光 薬園を照らす
磨墨幽香何縹緲 墨を磨せば 幽香 何ぞ縹緲たる
一心揮筆洗神魂 一心 筆を揮ひて 神魂を洗ふ


【前田さんのコメント】
自身の名であり、また好きなものでもある「月」と、日々打ち込んでいる「書」を掛け合わせて制作しました。
書に対する自身の想いを短い言葉の中に込めました。

【指導した内田誠一教授の講評】
前田さんの作品は、前半2句で「涼秋」「静夜」「天井清光」という詩語によって、詩の舞台が構築されるのですが、対句仕立てとなっているのが見どころです。後半では、月光が降り注ぎ、墨の奥ゆかしい香りがただよう中で、一心に筆をふるって自らの精神を浄化する、そんな美的世界が表現されています。実に気高く、深い精神性が感じられる作品だと思いました。日々筆を執り自己と向き合っている作者であるからこそ、詠じることができた境地なのでしょう。まことに美しく素晴らしい詩であり、最優秀賞にふさわしい作品ですね。

この受賞を励みとして、前田さんには自作の詩を題材とした書作品制作にも挑戦してみてほしいと思います。
ご受賞、誠におめでとうございました。

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