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  • 教育方針
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書道学科の3つのポリシー
(ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー)

安田女子大学文学部は、本学の建学の精神「柔しく剛く」に基づき、主として人文・社会系諸学の知識を広く授け、各学科の専門の学術を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力の展開を図るとともに、幅広い職業人及び各学科の専門的知識を生かした専門職業人を養成することを目的として、自尊の人格、豊かな教養、思いやりの心を持ち、真に自立した女性を育成します。
本学部書道学科(以下「本学科」という。)では、大学及び学部の目的に沿って、主として人文・社会系諸学の知識を広く授け、書学、書法及び関連諸学を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力の展開を図るとともに、幅広い職業人及び高等学校の芸術科(書道)教員、中学校・高等学校の国語科教員等の専門的職業人を養成することを目的とします。
その教育的側面をこれまで以上に充実するために、3つのポリシー「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」「教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)」「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)」を以下のとおり定めます。

1 卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
    建学の精神「柔しく剛く」に基づく大学及び学部・学科の目的を達成するために、本学科で養成する人材が、卒業時に身に付けておくべき能力・態度の修得を本学科の教育目標とします。 以下の6つの能力・態度を身に付け、教育課程に定められた所定の単位を修得した学生に対して卒業を認定し、学士の学位を授与します。

(1)教育目標
    • ① 倫理観・使命感
      書道の指導的役割を担い、書道文化を体現する専門的職業人として、幅広い教養、豊かな人間性、高い倫理観を兼ね備え、さらに、書道を柱とする文字文化を尊重し、継承する専門的職業人としての使命感を身に付けます。
    • ② 知識・技能・態度
      書写書道の専門家として指導的役割を担うにふさわしい書学・書法及び書の応用と活用に関する十分な知識・技能・態度を修得します。
    • ③ 思考力・判断力・表現力
      卒業までに修得した書道に関する専門的知識と実技能力を駆使して、自ら現代の文字文化に対する課題を発見し、課題の解決に取り組むことのできる思考力と判断力、課題解決の成果を的確に伝えることのできる表現力及び発信力を身に付けます。
    • ④ 自律性の確立
      書道学の学修を通して、生涯にわたり自らを律し、高め続ける力を身に付けるとともに、主体的に他者と対話し、他者との連携を通じて新しい価値を創造することができる能力を身に付けます。さらに、そのように共創された価値や自らの体験を、次世代に伝えて育成する意欲と能力を身に付けます。
    • ⑤ 社会性・コミュニケーション能力
      書道文化を体現し、その指導的役割を担う者として、他者と積極的に意思疎通を図り、連携・協同するために必要な社会性とコミュニケーション能力を身に付けます。
    • ⑥ 多様性の受容と理解
      書表現は一人ひとりの個性の表出であり、多様な表現を相互に認め、理解し合うことが個々の成長へと繋がっています。こうした日常的な学修により、多様化・複雑化する現代社会において、文化の多様性や、自分とは異なる価値観や視点を受容・理解し、他者と協同して学び合い、人を思いやる柔軟な態度を身に付けます。

2 教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

本学科で学ぶ学生一人ひとりが学修を円滑に開始し、学士課程を通して広く深い学識を身に付け、書道学が漢字文化圏の文化を支える歴史性・思想性・芸術性に富む学問であることを踏まえ、豊かな人間性と高い倫理観、そして幅広い教養の上に、書道学の専門性を身に付けて、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を達成し、社会の中で主体的に行動できる人材になることができるように教育課程を編成・実施します。


(1)教育内容

本学科の教育課程は、「特別科目」「共通教育科目」「専門教育科目」を体系的に編成し、書道の学術面を追求する「書学」、芸術面を追求する「表現」の2領域を専門領域の骨格に置き、教養教育・専門教育が有機的に組み合わされた4年制教育課程を編成します。すべての授業科目に一般目標(GIO:General Instructional Objective)と到達目標(SBO:Specific Behavioral Objective)を定め、これらの目標の達成によって、卒業の認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を実現します。
「特別科目」は、建学の精神「柔しく剛く」に基づき、「まほろば教育ゼミ」を入学時より4年間開講します。「安田を知る」「学びを知る」「自分を知る」「社会を知る」ことを活動の軸に倫理性を培い、総合的な判断力と豊かな自己表現力の獲得を目指して、教員と学生が協同して運営します。
「共通教育科目」は、「キャリア科目」「教養科目」「基礎科目」で構成します。各学部・学科の垣根を越えたクラス編成によって、分野の異なる学生とともに多様な授業科目を学ぶことができます。
「専門教育科目」は、卒業必修科目の「基本科目・卒業研究」と、選択科目の「展開科目」及び「関連科目」で編成します。「基本科目」及び「展開科目」は、書道学を学術面・芸術面の両面から体系的に学修できるよう、それぞれを書学領域と表現領域に区分します。また「関連科目」は、日本語学日本文学関係の授業科目(中国文学を含む。)、日本・中国の文化と歴史に関する授業科目を開設します。教育課程は、基礎から応用へと発展させるものとし、ステージⅠ~Ⅲの3段階で構成します。ステージⅠは、高校との接続、補完及び大学書道教育への導入、ステージⅡは、学部教育としての書道基礎力の養成と専門への導入、ステージⅢは「書道専門教育」と「独自重点教育」の2分野とし、「書道専門教育」は一部ステージⅡと重複進行としつつ、より広範な内容を展開します。「独自重点教育」は、学科の特性上必須である個性の伸長を図る独自科目並びに自身の学修成果をまとめる卒業研究の2分野を置き、それぞれを関連づけて展開する授業科目配置を行います。
本学科における主要な教育内容は、次の6つにまとめられます。

    • ① 倫理観・使命感の育成
      書道の指導的役割を担い、書道文化を体現する専門的職業人として、書道文化を体現し、書道の指導的役割を担って社会に貢献する専門的職業人には、人を思いやる真摯で節度ある態度(ヒューマニズムと倫理)と使命感が求められます。「専門教育科目」において、書道、書論、書道史にみられる多様な読解力・理解力を培い、人生観の幅を広げ、ヒューマニズムや倫理観・使命感を育成します。
    • ② 知識・技能・態度の育成
      書写書道の指導者は、知識と技術に裏打ちされた判断力と表現力が必要です。書道学における基礎から幅広い応用分野に至る専門知識と技量の教授は、学術面と芸術面、講義と演習・実習を有機的に組み合わせながら、系統的に実施します。指導の現場で求められる技能や態度は、楷書、行・草書、篆・隷書等に関する授業科目を通じて育成します。また、高等学校の芸術科(書道)教員になるための授業科目を履修し、書道における指導法・技能等を修得することができます。
    • ③ 思考力・判断力・表現力の育成
      広く社会においては、事象をよく観察し、効果や危険を予測して的確な判断を下す能力が求められます。そのような能力を身に付けるために、第4年次には卒業必修科目として「卒業研究」を開設し、科学的根拠と論理的考察を基に問題を解決する思考力・判断力・表現力を涵養します。さらに4年間の学修の集大成として取り組む「卒業論文」では、課題の発見・解決、そして成果発表のための総合的能力を身に付けます。
    • ④ 自律性の育成
      書道の指導的役割を担う専門的職業人として広く社会で活躍するためには、生涯にわたり自らを律し、社会の進歩に対応し続けるための自己研鑽力、研究マインド(課題発見・解決能力)、そして次世代の書道文化を継承する人材を育成するための能力が求められます。そのような能力を身に付けるために、本学科では書道に関する実習、卒業研究及び卒業論文等を開設します。
    • ⑤ 社会性・コミュニケーション能力の育成
      書道文化を体現するとともに指導的役割を担う専門的職業人が、社会の一員としてその職能を発揮するには、他者と積極的に意思疎通を図り、連携・協同できることが必要です。本学科では、そのような能力を演習、実習及び卒業研究におけるグループワークやディスカッション等による他者との交流、主体的な学生活動の中で培います。また、学外研修は、見聞を広げるとともに社会性の向上に役立てられています。
    • ⑥ 多様性を受容して理解する能力の育成
      自らの価値観や視点と異なる他者や文化の多様性を受容して理解すること、人々と協力して学び合うこと、他者を思いやる優しさは、複雑化・国際化する現代社会を生きるために欠かせない能力です。本学科で学ぶ学生は、特別科目「まほろば教養ゼミ」での講演会や、「専門教育科目」の演習での討論(SGD:Small Group Discussion)を通じ、そのような能力を身に付けます。


(2)教育方法
  • ① 多様な授業形態
    書道専門科目は、基礎から順に専門性が高く、また応用的内容へと学修を発展すように、「ステージⅠ」から「ステージⅢ」まで段階を踏む授業科目構成とします。これは、社会で通用する実践力を身に付けた人材を養成するために、講義で修得した知識が、演習・実習を通じてより確かなものになるよう、系統的かつ有機的に組み合わされて配置するものです。

    ・ステージⅠ 「高校との接続及び補完、大学書道教育への導入」を目的とする授業科目を第1年次前期に配置します。


    ・ステージⅡ 「学部教育としての書道基礎」を目的として第1年次後期から第2年次後期まで開設し、これをさらに区分して第1年次後期は「書道基礎教育(基礎固め)」、第2年次は「書道基礎教育(専門への導入)」とする授業科目を開設します。


    ・ステージⅢ 「A」及び「B」に分類し、「A」は「書道専門教育」として第2~4年次に、また「B」は「独自重点教育」として第1~4年次に開設します。
    なお、通常の授業形態のほか、第1年次から第3年次までが合併して集中講義を行う実習、学外研修等があり、書道学に関する見識や技量の向上を効果的なものとします。

  • ② シラバスによる授業の目標・内容・方法・評価方法等の明確化
    授業は、目標・内容・方法・評価方法等を具体的に記載したシラバスに沿って実施します。シラバスの内容や評価基準及び評価方法等は組織的に確認し、教員間や教員と学生間で共有します。
  • ③ 教育課程体系の明確化
    教育課程の体系を明確化・可視化して共有するため、科目ナンバリング及びカリキュラム・マップにより学修成果の達成にどの授業科目が寄与するかを示し、カリキュラム・ツリーにより学修成果の達成に向けてどのような授業科目が関連し年次配当されているかを示します。これらのことから、学期と年次の進行ごとの学修の進展、授業科目間の相互関係を容易に把握することができます。
  • ④ 自主的・能動的学修(アクティブ・ラーニング)の推進
    論理的思考力、課題発見・解決能力及びコミュニケーション能力を育成するため、アクティブ・ラーニングを実施します。具体的には、課題解決型学修(PBL:Project-Based Learning)や少人数での討論(SGD)を取り入れた少人数教育科目や統合教育科目を開講します。また、学生全員がコンピュータを持つこと(全員にノートPC配付)で、授業内外で積極的に活用することにより、高度なICTスキルを養います。
  • ⑤ 体験型学修の推進(視野の拡大・経験の拡充)
    広く社会で活躍する職業人に求められる広範な視野や視点を身に付けることを目的として、キャリア教育科目(共通教育科目)、演習・実習科目(専門教育科目)の中に、実社会・地域社会の多様な人々との協創を主体的に体験できる授業科目を開設します。
  • ⑥ CAP制度
    授業外の学修時間を確保し、単位制度の実質化を図るため、履修登録ができる単位数の上限を定めるCAP(キャップ)制度を設けます。
  • ⑦ チューター制度
    各クラスにチューター(担任)を配置し、学生の学修面から生活面全般まで、一人ひとりに合わせたサポートを行います。また、教員は全員オフィスアワー(OH)を少なくとも週2時間設け、これを周知します。
  • ⑧ 教育の質の確保 高い教育の質を保証するため、教員に対し教育者としての行動を律する「学生との良好な関係を築くための教職員行動指針」及び「教育に関するガイドライン」を定めるとともに、教員の教育資質を高める研修、学生による授業評価アンケート、授業公開・参観、教員自身による教育活動に関する自己点検・評価を実施します。

(3)学修成果の評価
  • ①成績評価
    本学及び本学科の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げた知識・技術・態度の達成度を評価します。各授業科目の担当教員は、あらかじめシラバスに明示された成績評価方法によって、学修成果の評価を客観的かつ公正に行います。「卒業研究」は、卒業研究を実際に指導した教員が授業科目ごとに評価を実施します。また、「卒業研究」の成果をまとめた発表については、学科の複数の教員が審査した後、全員で審議して最終評価を行います。
  • ② GPA制度の採用
    学生の成績を客観的・相対的に把握するためにGPA(Grade Point Average)制度を採用します。チューターは、GPAを使い、CAP制度(履修登録単位数の上限設定制度)の基での履修指導のほか、担当クラスに属する学生への学修指導も行います。


3 入学者受入の方針(アドミッション・ポリシー)

多様な入学試験制度を設け、全学共通の「建学の精神」に加え、学科独自の「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」と「教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)」に沿った教育を受けることができる者として次に掲げる入学者を広く受け入れます。


(1)求める入学者
    本学及び本学科で求める能力・適性を有する人材を養成するために、次のような人を求めます。
  • ① 文字文化に関する幅広い知識・教養を身に付けようという学修意欲のある人
  • ② 書道に関する専門的知識や技量を高めようという意志のある人
  • ③ 書道を通して自己の感性を高め、ものごとを柔軟に探求しようとする人
  • ④ 書道学の学修を通して広く文化一般に対する理解を深め、書道を生かして社会に貢献しようとする人

(2)入学者に求める能力
  • ① 高等学校卒業程度の十分な基礎学力と、本学の教育及び書道学教育に耐え得る基礎学力
  • ② 広く文字文化一般に対する理解と関心及び科学的な思考力
  • ③ 日本語・英語での読解、表現、コミュニケーションに必要とされる基礎学力
  • ④ 社会で活躍するために必要な知識・技能・態度を、入学後の学修を通して修得できることに加え、自ら課題の発見と解決に取り組むことのできる思考力・判断力・表現力
  • ⑤ 多様な人々と協力して学び合うために必要な主体性・協調性・知的好奇心・旺盛な学修意欲

(3)入学試験制度

本学科で学ぶために必要な知識・技能・思考力・判断力・表現力及び意欲・適性を見るために、以下の入学試験を公正に実施します。

<入学試験の種類>
  1. ① 自己表現型選抜
  2. ② 総合型選抜(専願)
  3. ③ 総合型選抜(併願)
  4. ④ 学校推薦型選抜(指定校)
  5. ⑤ 一般選抜(前期A日程、前期B日程、前期C日程)
  6. ⑥ 一般選抜(後期日程)
  7. ⑦ 大学入学共通テスト利用選抜[前期日程]
  8. ⑧ 大学入学共通テスト利用選抜[後期日程]
  9. ⑨ 社会人特別選抜
  10. ⑩ 編入学試験

※2023年 4月現在



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