

(左から)大下 里さん(2年)、白木 伽奈さん(2年)、柘植 絵里香さん(4年)、松浦 美咲さん(4年)、今村 琴絵さん(4年)
今村さん(4年)、柘植さん(4年)、松浦さん(4年)、大下さん(2年)、白木さん(2年)に、心理学のこと、将来のことなど、いろいろ語っていただきました。
熊井優日さん(左)と三木杏奈さん(右)
現代心理学科の学生には、心理学をより専門的に学ぶため、例年、大学院に進学する学生が多くいます。現代心理学科から院に進学した院生たちはどんな毎日を送っているのでしょうか。安田女子大学大学院文学研究科教育学専攻 教育学・心理学コース2年の熊井優日さんと臨床心理学コース1年の三木杏奈さんにお話を伺いました。
熊井優日さんは、教育学・心理学コースの2年生で、今は修論の完成に向けていつにも増して猛勉強中です。院修了後の来年春からは、国家公務員である法務技官(矯正心理専門職)として仕事をさせていただくことになりました。人の心について漠然とした興味があり、中学生の頃から将来は心理学を勉強しようと決めていたという熊井さんは、2年間、自分の好きな社会心理学の研究をすること、将来の夢を叶えるために勉強に励むこと、この2つだけを考えて大学院進学を決めたと言います。修論では「罰」について取り上げ、現在、「第二者(被害者)による罰」と「第三者(被害を受けていない人)による罰」の違いについて修論を作成中です。学部時代と違うのは、学びの内容がより専門的になったことと、自分で考える時間が増えたこと、現場に足を運ぶ機会が増えたことと言います。
「今、やってきたことが少しずつ結果に変わってきていることが、日々の充実感に繋がっています」と、2年間の学びの確かな成果を実感しているようです。
「学会に参加するなど、こちらから情報を発信したり、また吸収したりできたことは貴重な経験でした」
「統計と心理学基礎演習の授業のティーチング・アシスタント(TA)をさせていただきました。力不足の部分がたくさんあったとは思いますが、授業後にお礼を言いに来てくれる学生さんもいてやりがいを感じました」
先生や研究室のみんなと共同で行っている研究の実験の実験者として説明を行っているところです。
三木杏奈さんは臨床心理学コースの1年生で、将来の夢を抱いて大学院生活を始めたばかりです。幼い頃から、自分自身や周りの友人、家族などの感情の動きやそれに伴う行動に対して興味があり、人間の行動の原因や動機などについてもっとより詳しく学びたいという気持ちから心理学を選んだと言う三木さんは、公認心理師を目指して、大学院に進学しました。
ゼミの先生との個別指導の時間は、とても充実した時間です。
大学院に進学してからの生活では、授業外でもレポートを仕上げたり、心理検査の所見を書いたりと、学部生の時よりもやらなければならないことが増えたので、少し慌ただしくなったなと感じているとのこと。また、どの授業でもその内容について広く深く考察していく必要があり、また、自分の考えや行動の一つ一つに対する責任の重みも、圧倒的に大学院生になってから強く感じるようになったと言います。学部生時代の卒論ではストレスコーピング(ストレスへの対処方法)について取り上げ、大学院に進学してからは、ストレスとユーモアの関係について研究しています。
週1回開かれるケース・カンファランス(事例検討会)では、先生や先輩方の意見を一言ももらさないようにメモをとり、耳を傾けています。
大学院修了後は病院に勤務したいと考えている一方で、大学院での学びを通して、療育やスクールカウンセラーにも興味が湧いてきて、進路についてはもう少し考えたいなと思い始めていると言う三木さん。どんな進路に進むにしても、人の役に立つような人間になれるように、もっと自分の力を磨いていきたいと目を輝かせながら話してくれました。
少年鑑別所の職員の方からお話を聞いているところです。大学院では、医療施設をはじめとして、さまざまな実践の場に赴いて実習させていただく機会がたくさんあり、忙しくも充実した毎日です。
※掲載写真については、撮影時のみマスクを外して撮影しています。
心理学の学びの先にある進路のひとつに、公務員の仕事があります。心理学の学びを活かして、社会や他人のために働きたいと考えている学科の学生たちにとっては、その想いを形にできる選択肢のひとつです。
この度、島根県(心理職)、広島市役所、周南市役所、広島県(警察事務)での仕事が決まった4人の学生にインタビューをしました。
Q.いつごろから、公務員を目指すようになったのですか。
Q.採用試験のための勉強中、大変だったことはなんですか。
Q.勉強中、励みになったことはなんですか。
Q.これからの仕事に、大学で学んだ心理学をどう活かしたいと思っていますか。
現代心理学科では養護教諭一種免許状を取得することができます。卒業後、2020年度から広島県で養護教諭として働いていらっしゃる大下里さん、久保杏美さん、浜崎南さんに現在の仕事ぶりや大学生活を振り返っていただきました。
Q.養護教諭として働いてみていかがですか?
久保
最初はいろいろな仕事の要領が分からず、その都度聞かないといけなくて大変でした。大変なこともありましたが、念願だった養護教諭になれたことの喜びや、子どもや先生と話して楽しいと思えることの方が多く、養護教諭になって良かったと感じています。
大下
私も初めは分からないことばかりで、戸惑うことが多くありました。周りの先生方に助けていただいたり、研鑽を積みながら日々頑張っています。子どもに対しても、心身共に健康に過ごしてほしいという思いが日ごとに増しています。やりがいのある楽しい毎日です。
浜崎
私は子どもが無邪気に笑っている姿や保健について質問してくる姿を見て、ほっこりと温かい気持ちになる場面が多くて、子どもがより一層好きになりました。養護教諭は、学校の子どもにとっても、校内の教職員にとっても1人しかいません。専門的な知識を持った教員として責任ある言動が求められていることを現場で実感しています。
Q.今年は新型コロナウイルス感染症が流行して、学校でも対応に追われましたね。
大下
先生方に消毒をお願いしたり、感染症対策をしたりと養護教諭の役割が大いに発揮されるべき年に、新規採用の養護教諭ということを申し訳なく思う時もありました。
浜崎
その気持ちわかります。初めての仕事で分からないことだらけなのに加え、コロナ対策もしなければならない状況でした。
久保
本当に大変でした。毎日校内を消毒したり、マスクをしていない子や手を洗わない子を注意したり...
浜崎
でも、良いこともあったように思います。子どもたちが感染症への興味を持ち感染症対策を自主的にできるようになったと感じます。
大下
久保さんや浜崎さんが言うように、日々の生活で感染症について指導する場面が多く、健康への意識が高まったかもしれません。
久保
早く収束してくれることを祈るばかりです。
Q.これから養護教諭として挑戦してみたいことがありますか?
久保
やはり養護教諭は応急処置の技術が第一に求められます。応急処置の経験をたくさん積んで緊急時に慌てることがないようにしたいです。
浜崎
私は子どもと一緒に考え実践できる保健活動を企画していきたいと思っています。他には専門的な知識を持って掲示物や保健だよりに力を入れていきたいと考えています。
大下
私は1年働いてみて、自分の興味や強みを知ることができました。掲示物や保健だよりには引き続き力を入れていきたいです。そして子どもが面白いと思える保健指導を展開していきたいと思っています。
Q.最後に学生時代を振り返って、後輩にメッセージをお願いします。
大下
大学時代に学習したことやボランティアは今に繋がっていることを強く感じます。教員採用試験の勉強を朝から晩まで、大学の部屋にこもって友人と励まし合いながらしていたことは、当時は辛いときもありましたが、今ではいい思い出です。勉強だけでなく、養護教諭になった自分から逆算して、付けておきたい力を培える経験をしておくといいと思います!
久保
養護教諭は基本的に学校に1人なので、全て学生時代の勉強が基礎となり、実践に活かされていると感じます。勉強や実習は大変だと思いますが、必ず養護教諭になったときに必要になるので、安心してどんどん学んでください!応援しています!
浜崎
学生時代に経験した実習・ボランティアやサークル活動、アルバイト等全てのことが、今に活きているなと日々感じます。自分の未来の養護教諭の姿を想像しながら勉強するとともに、大学生活を楽しんでください!応援しています!
(2021年取材)