

卒業研究紹介~池田智子研究室~
2026.03.25
池田智子研究室(学習心理学)の木村心音さんは、卒業研究で、話し手が方言を使うことによって、聞き手から話し手への信頼感に影響が及ぶのかについて調べました。
皆さんは、自分と同じ出身地であったり方言を使用している相手に対して親近感を抱いた経験がありますか。また、詐欺の手口の一つとして、詐欺師がターゲットと同じ方言を用いて信頼を得ようとする例を聞いたことなどがあるでしょうか。
これまでの心理学の研究から、類似性が対人魅力に影響を及ぼすことが明らかとなっています。
人間が他者に対して魅力を感じる要因の1つである「類似性」とは、容姿や態度、能力や性格などの特性が他者と似ている度合いのことを指します。人は、類似した他者がいることで自身の妥当性が保証されたと感じるため、その他者に対して魅力を感じるようになっています。
話し手のことばが話し手への評価に影響することについて、様々な言語や方言を用いて多くの研究が行われてきましたが、用いられた方言が聞き手自身の方言である場合に話し手に対して肯定的な評価がされやすいことが報告されています。そして、自身が認識した類似性は、人への信頼を高めることも立証されています。
ここから、自身の使用する方言を話し手も同様に使用した場合、その話し手に対する印象と信頼感が高くなる可能性があると考え、研究を進めました。
木村さんは、「この研究によって、様々なコミュニケーションの場面で、どのような言葉選びが相手からの信頼を得ることに繋がるか示すことができれば幸いです。」と述べています。

結果の分析をしている様子です。「文芸部の部長を務めるなど、ことばに関して特に繊細な感受性を持っている木村さんらしい卒業研究になったと思います」(指導教員から)。

「身近な内容を取り扱ったことで、日常生活の中でも活かしやすい研究になったと思います。改善点も見つかったため、今後機会があればさらに深めていきたいです」(木村さん)。