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卒業研究紹介 ~齋藤大輔 研究室~

2022.12.28

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文字が動いたり、紙面が発光して見える現象があります。このような症状を持つ人は、アーレンシンドロームと呼ばれており、カラーフィルターを使用すると読みやすくなることが知られています。これは人間の視覚情報処理システムが正常に働いていないためと考えられています。

松本純奈さん(4年)は、カラーフィルターのはたらきのうちの「光量減少の効果」を確かめるため、モニターの背景輝度が読みやすさに与える影響を調べました。また、自閉スペクトラム症の視覚過敏症状との関連が指摘されているため、合わせて研究を行いました。

この研究結果から、文字を読みやすくするカラーフィルターのはたらきは光量の減少ではなく、「色の波長の除去」である可能性が示唆されました。また、自閉スペクトラム症傾向のある人は、輝度が高い時に読みにくくなることが分かりました。

来春から大学院への進学が決まっている松本さんは、このような研究を続けていくことで、文字を読むことに困難を抱える人々の支援に貢献したいと考えています。

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実験参加者は、低輝度・中輝度・高輝度のモニターに提示された文字列を音読しました。

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ゼミの時間に研究発表をし、仲間から質疑を受けたり意見を交わしたりしながら、自分の研究を深めていきます。ゼミはとても大切な時間です。

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卒業論文の内容についてゼミ教員の齋藤大輔先生から指導を受けています。