

『公共哲学』:公共を学ぶ
2020.07.27
こんにちは!私は『公共哲学』という講義を担当しています。この講義では「公共とは何か?」を学生の皆さんとともに考えています。
皆さんは「LGBT」のムーヴメントについて聞いたことがありますか?「LGBT」とは、「レズビアン」「ゲイ」「バイセクシュアル」「トランスジェンダー」の頭文字をとって「セクシュアル・マイノリティー(性的少数派)」を総称する言葉です。恋愛や性愛のあり方は、一人ひとり違っていてもかまわないゆえ、線引きをして差別してしまうことには違和感を覚えませんか?「何かが変だ」と先ず声を上げること、そこから変革が始まります。世界中で「LGBT」と自認する人達が「権利」を求めて、声を上げています。
近代以降、労働運動や女性解放運動、公民権運動などの様々な市民運動を通じて、基本的権利や人民主権が実質化し、「公共圏(共に生きることのできる場所)」が拡大していきました。今まで女性や黒人には認められなかった「公共圏」への参与も認められるようになっていき、こうした権利の拡張運動の中で、「人権」概念が塗り替えられたり、「自然の権利」が叫ばれたりしています。これは、まさに、様々な「視座(立場)」から見ることができるようになること(女性達の「視座(立場)」から見ることが可能になったり、黒人達の「視座(立場)」から見ることが可能になったりすること)が、「公共圏」の拡大にも寄与しているということを意味しているのです。
すると、「公共」とは、まさに「様々な視座(立場)から思考ができるようになること」を条件として成立していることが分かります。公共経営学科で、「視座(立場)」を多角化していくことで様々な立場の人達のことを考え、「私がこの人の立場だったらどうだろうか?」と想像してみることで「公共」の何たるかを知ることができる、ということを学んでほしいと思います。
誰もが生き易い社会をつくるために、この学科で学びませんか?