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見学実習レポート⑨ 広島県警察本部

2025.12.23

  • 学科紹介

▶地域の安全を守る仕事を学ぶ

公共経営学科では、1年後期から公共機関の現場を見学し、職員の方々から直接業務について学ぶ機会を通じて、実践的理解を深めることを重視しています。
12月4日、学生15名が広島県警察本部を訪問し、警察業務の仕組みと役割、県民の安全を守る仕事の重要性について体験的に学びました。

 

▶交通管制センターの見学と説明

最初に見学した交通管制センターでは、リアルタイムで収集される交通情報が中央表示板とモニターテレビに映し出され、県内各地の交通状況を把握する仕組みについて説明を受けました。
車両感知器によって渋滞発生箇所を把握し、主要交差点のテレビカメラ映像を確認できるほか、収集された情報はVICS対応のカーナビゲーションや交通情報板、ラジオ放送へ提供されています。
学生たちは、道路交通の安全と円滑な運用を支える大規模な情報管理の現場を知り、その役割の大きさに驚いていました。
普段は当たり前に感じている信号機についても、交通の流れを最適化するために青・黄・赤の秒数がコンピュータで制御されていること、また大雨や台風による停電時でも自動復旧できる信号機電源付加装置が設置されていることを実際に触れながら学び、私たちの生活が見えないところで常に守られていることを実感しました。

 

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▶通信指令室の見学と体験

続いて通信指令室を見学し、110番通報への対応の仕組みについて学びました。
広島県では1日約740件(約2分に1件)の通報が寄せられ、それを3チーム交代制で対応していることを伺い、緊急対応現場の慌ただしさと責任の重さを痛感しました。
さらに、ひったくり被害を想定した110番通報のロールプレイ体験では、突然の出来事に焦る状況の中、通報者を落ち着かせる声のかけ方、短時間で必要な情報を正確に尋ねるポイントなどを担当職員の方から学びました。
控室からの参観でしたが、次々と入電があり、パトカーが急行する様子がモニターに映し出されるなど、緊迫感ある場面を目の当たりにしました。学生からは積極的に質問が寄せられ、学びを深める貴重な機会となりました。

 

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▶警察官・警察行政職員になるには

最後に、警察官と警察行政職員のそれぞれの役割やキャリア形成、女性のキャリアアップ、仕事と家庭の両立についての説明を受けました。
〈学生の声〉

・「警察学校=厳しい訓練」というイメージがありましたが、規律を大切にしながら仲間と支え合い、法学や体育術科など実務に必要な幅広い知識を学ぶ場であることを知りました。

・ワークライフバランスに関するデータで、「働きやすい」と回答した人が約80%、「働きがいがある」と回答した人が約75%という高い満足度に驚きました。柔軟な勤務形態や休暇制度が整っており、自分らしいキャリアを選択でき、それを支援してくれる環境が魅力的だと感じました。

 

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今回の見学実習は、警察の仕事をよりリアルに理解し、公共を支える職への意識を高める貴重な機会となりました。交通の安全を守る人、緊急時に迅速に対応する人、警察官を育てる人、職員のキャリアを支える人など、すべての部署で使命感と責任感、そして強い覚悟が必要であることを実感しました。

 

まもなく「110番の日」(1月10日)を迎えます。
そのような場面に遭遇しないことが一番ですが、万が一事故や事件を目撃・遭遇した際には、今回の学びが大いに役に立つことでしょう。

 

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▶ワンデー仕事体験のお知らせ

12月24日、坂町にある広島県警察学校にてワンデー仕事体験が実施されます。
・逮捕術・護身術体験
・職務質問体験
・警察学校施設見学
・警察職員との座談会 など

 

学生だけでなく保護者の方も同時に申し込める参加型企画は全国的にも珍しく、親子で安心して進路を考えるよい機会が提供されています。
警察の仕事に興味があっても、本部を訪問し現職の方から直接話を伺える機会は多くありません。今回の熱意ある業務説明に加え、普段は入ることのできない場所まで見学させていただき、1年生の夢がまたひとつ広がる一日となりました。