

見学実習レポート⑧ 防衛省自衛隊
2025.12.22
公共経営学科の見学実習では、国の機関や地方自治体、公益的な民間企業など11の事業所にご協力いただき、計5回に分けて事業説明・職場見学・先輩職員の方との意見交換会などを通して自身の将来の職業選択の基礎となる体験を行います。
見学実習を意義ある時間とするため、学生は自分達が訪問する事業所に関する事前調査を行い、それぞれが疑問・質問など目的意識を持って当日を迎えます。
第4回目となる12月4日の見学実習では4班に別れ、防衛省自衛隊、広島地方裁判所、広島県警察本部、広島電鉄株式会社に伺いました。
防衛省自衛隊の見学実習では1年生11名と3年生5名が呉基地を訪問し、普段立ち入ることのない施設や護衛艦の見学、女性自衛官の方との懇談を通じて行政機関の一つである防衛省自衛隊に関する理解を深めました。
防衛省自衛隊の見学実習に参加した学生のレポートを以下にご紹介します。
■「体験」の重要性(公共経営学科1年 Nさん)
防衛省自衛隊広島地方協力本部・呉地方隊への見学では、さまざまなところを実際に目で見て学ぶことができた。このような機会がなければ絶対に見ることができない建物や船の中では、一瞬実習ということを忘れてしまうほどに楽しく、心躍る時間であった。特に印象深かったことを中心に、新しく得た知識や考えたことを述べていく。

まず、呉地方総監部での見学で印象的だったのは、呉鎮守府 地下経路である。戦争が激化してきた時に作られたようだ。通常時は締まっているところ、見学がある日は入口部分のみを開放しているらしい。見学当日は屋外では冷たい風が吹いていたにも関わらず、その入り口付近では生暖かい風を感じられたのも興味深かった。また、電話総合交換所という施設にも少しだが入ることができた。250kg爆弾が落ちても大丈夫だというこの場所の壁の厚みは、コンクリートで1.5mもあるとのことで歴史を感じられる雰囲気があった。話によると、この電話総合交換所の天井には昭和初期のビール缶がなぜか埋まっているらしく、理由は分かっていないらしい。このような歴史ある場所に親近感を覚えることはそうそうないのだが、この話を聞いて、昭和初期にもビールを飲んで天井に投げるなどしていたのかなと勝手な想像を膨らませることで、そう遠くない過去にここに確かに人はいたのだなと、何一つ物がないその空間で実感した。
次に、「かが」の見学である。
かがはヘリコプターを搭載可能な自衛隊最大の護衛艦である。格納庫は170mほどあり、ヘリコプターが10数機入るそうだ。

実際にヘリコプターに乗ることもでき、前述したように本当にここでしかできない経験をすることができた。
また格納庫から甲板にエレベーターを使用し昇ることもできた。このエレベーターには安倍元首相やトランプ大統領も乗られたそうで、このあたりの説明を受けているときは、ありのままを言うと「学ぶ」より「楽しい」が勝っていたように思う。30トンまで乗せることのできるこのエレベーターは、ヘリを2機同時に運ぶことができるそうだ。さらに船の中の隊員が普段生活したり仕事をしたりするスペースも見ることができた。
質問してみると、空調はどの時期でもおよそ26℃を維持しているらしい。とにかく手当がよいという話を多くの隊員がされており、その分、長期間家に帰れないなど本当に過酷な環境なのだろうなと感じた。それでも笑いながら冗談を言い合っておられる様子を見ていると、憧れを覚えずにはいられなかった。
レポートには収まらないほどたくさんの体験をすることができた見学実習であった。ここまで実際に体験してみるという形の見学実習は初めてだったため、本当に充実した時間だったと感じている。どことなく自分には関係のない、難しい世界だと思っていたが、今回の見学実習を経て、もっと自衛隊について、「かが」について知りたいと考えた。
