

見学実習レポート⑦ 広島地方裁判所
2025.12.19
12月4日、公共経営学科の1年生13名は、「公共経営学概論演習」の授業の一環として、広島地方裁判所を見学しました。
メディアを通じて裁判の様子を見ることはあっても、実際の裁判所を訪れる機会はなかなかないため、学生たちは普段よりもドキドキしながら参加したようです。
当日は、実際に裁判が行われる法廷において、裁判の概要と裁判所の仕組み、裁判所職員の業務について、職員の方々が分かりやすく説明してくださいました。また、裁判所職員の採用や人事管理の仕組みについても詳しい説明をいただき、司法制度の全体像を知る貴重な機会となりました。続いて行われた座談会では、二つのグループに分かれ、現職の女性職員の方々から採用に関する情報はもちろん、仕事のやりがいや福利厚生の実際など、リアルな体験談を直接伺うことができました。
今回の見学は、社会の公正を支える司法の現場を身近に感じる大変有意義な時間でした。
学生のレポートの一部を紹介します。
●私は裁判所は行ったことがなく、身近な場所ではないと感じていました。しかし、見学を通じて、裁判所や司法の働きによって私たちの日常が守られていることを実感しました。裁判というと裁判官が中心に思いますが、書類送付や調書作成など職員の方々の支えがなければ裁判は成り立たないことを学びました。
●裁判所で働く公務員に「裁判所事務官」、「裁判所書記官」、「家庭裁判所調査官」があります。特に「裁判所書記官」は固有の権限が与えられている専門職で、書記官が立ち会わないと法廷が開けないと学びました。私は、ほとんどの方が法学部出身だと思っていましたが、昨年度は法学部出身以外の方も多くいたと聞き、驚きました。
●裁判所職員の使命は「公平・適正・迅速で、利用しやすく分かりやすい裁判を実現すること」であり、そのために日々職務を遂行していると教えていただきました。ミスが許されない環境の中だからこそ職員同士が支え合い、さまざまな事情を抱える人々の紛争解決に取り組む姿はとても格好よく映りました。
●女性職員の方からお話を伺うと、裁判は平日に行われるため基本的に土日は休みで、年次休暇や育児休暇を取りやすい環境が整っており、趣味の時間も確保しやすいとのことでした。当直はあるものの女性の泊まり込みはなく、頻度も4か月に一度程度で、働き方が安定しているそうです。ワークライフバランスが実現しやすい職場であり、国家公務員と比べても女性の割合が高い点がとても魅力的でした。女性職員の活躍する姿や職場の雰囲気を直接知ることができ、将来の進路先の一つとして具体的にイメージできるようになりました。