

8.20広島土砂災害から学ぶ--広島市豪雨災害伝承館の見学
2026.05.14
今年度、公共経営学科の2年生20名は、1年間を通して「コミュニティ防災」をテーマに地域課題解決へ取り組んでいます。
本プロジェクトは、安佐南区役所「安佐南区の地域課題解決に係る教育研究委託事業」の支援を受け、区の地域起こし推進課および安学区(相田~上安~高取南)と連携して進めている実践型PBLです。
その第一歩として、4月29日に広島市豪雨災害伝承館を見学しました。

■「動けなかった」現実
学生たちは、平成26年8月20日未明に発生した土砂災害のCG映像や被災者の証言、被害の記録に触れ、「動けなかった」現実があったことに強い衝撃を受けていました。

災害時には、情報のタイミングや周囲の状況、人との関係性が避難行動の判断に大きく影響します。
学生たちは、正しい知識だけでなく、情報を受け取る力や状況を予測する視点も必要であることを学びながら、防災行動を生み出すためにどのような行動変容が必要なのかを考えていました。
「なぜ人は動けなくなるのか」という問いを持ちながら見学したことで、学生たちは防災を単なる知識としてではなく、"人の行動"という視点から捉えるきっかけを得ていました。
■地域を守る「減災」の仕組み
その後、学生たちは小原山砂防堰堤も見学しました。
線状降水帯による短時間の猛烈な雨が土石流を引き起こす仕組みや地域を守る砂防設備の役割について学び、巨大な砂防堰堤を前に、そのスケールの大きさに驚いている様子でした。


「自然災害は防げなくても、被害を減らすことはできる」
そのための備蓄や避難設備の工夫を知り、「減災」の考え方に触れる貴重な機会となりました。

■防災士として活動する先輩に学ぶ
今回の見学には、4年生で防災士として地域防災活動に取り組んでいる山根更さんも参加しました。
山根さんは、高岡館長をはじめ伝承館スタッフの方々とともに、防災ボランティア活動や伝承館での展示パネル説明を通して、来館者に命を守る行動を語り継いでいます。
強い信念をもち、防災活動をライフワークとして地域で行動する先輩の姿は、学生たちにとって"学びが地域とつながる"ことを実感する機会となったようです。


■動ける地域となるために
公共経営学科では、"教室で学ぶ"だけではなく、実際に地域へ出て、人と関わりながら地域課題の解決に挑戦しています。
今後は、安学区でのまちあるきや住民ヒアリング、避難行動シミュレーション、救急救命講習などを通して、「日常の中で防災行動を生み出すにはどうすればよいか」を探究していきます。
来年の防災士資格取得を目標に、学生たちは「命を守る行動」を地域に広げるための挑戦を続けています。