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2025仕事理解セミナー「変われる人がいちばん強い」

2025.05.30

  • 学科イベント

公共経営学科では、現職の公務員、公的機関等で働く方々に、それぞれの仕事の魅力、やりがい等を語っていただくことを通して業務内容について理解を深めるとともに、自身の進路について見つめることを目的に、年に一度セミナーを開催しています。
今年度は5月22日、広島県庁から河内佑真氏を講師としてお招きし、「変われる人がいちばん強い〜遠回り、寄り道、乗り換えOKなキャリア論〜」と題し、河内さんがこれまで歩んでこられた人生を軸に、魅力的な活動の数々をご紹介いただきました。

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講演の冒頭で河内さんが学生たちに問いかけたのは「キャリアに正解はあるか?」でした。
大学卒業後、地元の銀行に就職するも、地域振興の現場で活躍するプレイヤーに憧れ、高齢化率50%の安芸太田町へ移住。そこで地域の特産品「祇園坊柿」を再生するべく立ち上げた「チョコちゃん」の開発秘話(日本最大級の全国お土産コンテスト「おみやげグランプリ2015」で準グランプリを受賞)、そして地域の方々とどのように関わってこられたのかを当時の動画とともに振り返りました。
実は、河内さんが安芸太田町の地域おこし協力隊の一員として活動されている頃に出会ったのが本学科の折本教授。安田女子大学のボランティア活動の一環として取り組んできた「安芸太田町の困りごと解決プロジェクト」での雪かき、柚子絞りなど、地域課題を若者との交流で支える活動も紹介されました。


地域おこし協力隊での3年間の活動後、27歳で広島県庁に就職した河内さん。地域づくり支援、企画、PR、ブランディングなど幅広い業務を担当したのち、戦略的マーケティングを学ぶため民間企業に出向。サッカーの応援活動を通じて家族の絆を深める取組や離島の子どもたちを笑顔にする取組など、多様な職場環境、あらゆる世代の人々との関わりの中で自分自身を更新し続けてきた河内さんのジェットコースターのような人生に全員が熱心に聴き入ります。

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その後も河内さんの「挑戦」は続きます。
ビジネスの共通言語を身につけようと大学院に進学。学術側の世界をもっと深く知るために研究者としてのキャリアにも挑戦。その傍らで、安芸太田町の今を伝える記事を毎年執筆したり、広島の方言である[ばり]と[えげな]を掛け合わせた造語[Variëgena]推進委員会を立ち上げ、広島を元気にするポジティブな活動をしたり、広島県内の地域おこし協力隊OGやOB、現役隊員とともに活動を支えるサポート体制を構築したり―。

働く環境は変わっても、河内さんの「変化を恐れない姿勢」は一貫して変わりません。
勇気を振り絞って、一歩を踏み出す。
決めたら、やるしかない。
そして、続ける。
続けていれば、その背中を見て必ず応援してくれる人が見つかる。
だから、まずは自分を「変える」ことから取り組んでみてください。

河内さんのこの熱いメッセージは学生たちにどのように響いたでしょうか。

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・回り道をしても、乗り換えをしてもOKで、「変えない後悔よりも変える勇気の大切さ」を学びました。私はまだ1年生ですが、人生について考える機会を得て、この講義を受けられて本当によかったです。(1年生)
・公務員の仕事は多岐に渡ると改めて感じました。地域活性化とは、その地域に観光客が多く訪れることや観光施設・名物が増えることだと思い込んでいましたが、「そこに住む地域の人が、誇り・愛着を持って地域に触れ合い、行動を起こす人が増えることが地域活性化である」という河内さんの定義を聞いて、とても心に響きました。(2年生)
・「駅のホームにいて、一本電車を見送ってもいい」という言葉が心に響きました。私はみんながやるならやらないと、型にはまらないと、と周りを気にして生きてきました。ですが、たとえ遠回りのようであっても自分のやりたいことに挑戦することは素敵なことなんだと実感できました。間違った道などなく、今の自分の努力や経験が将来の自分を助けることになるということを学びました。(3年生)
・「山を登る方法は何万通りもある」という言葉が特に印象に残りました。一つのやり方にこだわらず、視野を広くもとうと思えました。広島県の地域活性化を図ることのできるボランティアチームやイベントがたくさんあることを知り、一度就職しても地域のために自分にできることはないかと探し続け、たとえ困難に直面しても信じたことをやり続け、自分自身を変えていくことはとても大事なことだと実感できました。(4年生)

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セミナーの後、3年選択科目「公共政策演習Ⅰ」の履修メンバー20名は、河内さんからこれから取り組むPBLの概要説明を受け、チームの名称をグループで考案。学生の今だからこそできるチャレンジに思いを馳せ、多様なアイデアを出し合いました。いよいよ広島県庁と連携した新プロジェクトが始動します!

人との出会いはすべて「たからもの」。
河内さんのお話から学生たちが何を受け取り、どのような行動に結びつけていくのか、期待が高まる一日となりました。