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広島県教師養成塾の本学一期生が卒塾しました

2020.04.10

  • 学生活動

社会から信頼され、子ども達に愛される教師になるには何を学ばなければならないのでしょうか。児童教育学科では教師としての資質を高めるための教育活動を日々展開していますが、学生は大学の活動以外にも学外組織の活動に参加して、教師力を高めています。その中の一つに広島県教育委員会の主催する「広島県教師養成塾」があります。

「広島県教師養成塾」は2017年に広島県教育委員会が開始した教員養成事業で、小学校教員を希望する学生が1年次から3年間かけて継続的に実地研修や集合研修を受け、大学等で学ぶ理論と実践の往還による実践的指導力を身につけることを目標としています。また、中山間地域をはじめとした広島県教育を担う人材の育成に資することも目的としており、実地研修においては、広島県の豊かな教育環境を身をもって学びます。本学児童教育学科の学生は開始初年度からこの教師養成塾に参加し、日々の研鑽に努めています。

児童教育学科の学生は教師養成塾一期生として10名が参加し、2019年度末をもって卒塾(=卒業)することとなりました。卒塾式は昨今の事情を考慮し、希望大学単位で規模を縮小して実施しました。3月30日に本学で開催された卒塾式には10名の学生と本学関係者が出席し、卒塾証書の授与者として広島県教育委員会の管理主事の方においでいただきました。

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卒塾証書の授与


管理主事のご挨拶(平川教育長もビデオメッセージの形で登場されました)、そして学部長と学科長からそれぞれ挨拶があり、卒塾生はかけられた言葉の一つ一つを聞き入っていました。そして授与式終了後は卒塾証書とともに記念撮影をする学生、卒塾記念のバッジを誇らしげに胸につける学生など、達成感の表し方はさまざまでしたが、みな一様に自分の成長を振り返って教職への自覚を強めていたようです。

卒塾式の最後は卒塾生代表のスピーチ(決意表明)がありました。素晴らしい内容だったので、その抜粋を以下に掲載し、本記事の締めくくりといたします。児童教育学科はこれからも優れた教育者養成のために努力を続けてまいります。これからも児童教育学科をよろしくお願いいたします。


参加学生のスピーチ(一部抜粋)


私は広島県教師養成塾で過ごした3年間を振り返って、たくさんのことを学びました。本日は、その中でも特に印象に残った3つのことをお話しさせていただきたいと思います。
1つ目は、実地研修や小学校で行う集合研修を通して、教員という仕事のやりがいを感じることができたことです。実際の小学校現場を見学し、多くの子どもたちと関わっていく中で、大学の勉強だけでは学ぶことができない事例をたくさん見学、体験させていただきました。実地研修の中でも特に印象に残っているのが、児童が発表会まで一生懸命鼓笛の練習をし、本番をやり切った後の達成感を感じている様子です。児童と教員が一緒に大きな舞台をやり遂げる姿にとても感動しました。教師養成塾を通して、教員は大変な仕事だと感じると同時に、日々の児童の成長を身近で感じることができるとてもやりがいのある仕事だと思いました。
2つ目は、「教師も学び続けること」が大切であるということです。集合研修で1年生という未熟な時から専門性のある質の高い講義を受けさせていただいたり、教育委員会の先生方とお話をさせていただいたりしました。研修を重ねるにつれ私の中でその教科の見方や考え方、面白さが確実に変化していることを実感しました。どの先生方も児童のために日々学び続け、実践を繰り返しておられるから児童が面白いと思えるものがつくれているのだということを知りました。良い授業を作っていくためには私自身もどんどん実践を重ね、それを見直し、また実践するというPDCAサイクルを大切にしながら学び続けていきたいと思います。
3つ目は、広島県教師養成塾で学ぶ、たくさんの学生に出会って新しい視野を手に入れることができたことです。同じ夢を持った志が高い学生と3年間過ごす中で、それぞれの実地研修での情報を交流したり、それぞれの考えを共有したりしてより良いものを作っていくという切磋琢磨の関係を築くことができました。最後の模擬授業では、自分たちの経験と思考を最大限使ってグループで授業を行ったり、他のグループの授業を受けたりすることで自分たちのグループの授業の良かったところや改善すべきことが明確にわかり、とても有意義な時間でした。
このように私は広島県教師養成塾の3年間でたくさんのことを学び、教師になりたいという強い思いを持つことができました。この経験は私の大学生活の誇りです。3年間で学んだ教員のやりがいと、学び続けることの大切さ、仲間と高め合うことのすばらしさを生かして、児童のことを第一に考え、児童のために成長し続ける教員になりたいと思います。この経験を教育現場で活かすことができるように、これからは残りの1年を大学で学びたいと思います。3年間、たくさんのご指導をいただきありがとうございました。

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広島県教育委員会管理主事のお話に聞き入る卒塾生