

オープンキャンパス 模擬授業算数科 「折り紙で三角定規を作ろう!!」、後日談
2024.08.01
1. 学生スタッフの問いかけ
オープンキャンパスのプログラムの一つとして模擬授業を行った。その後、本学の学生スタッフの一人から折り紙の折り方の質問を受けた。確かに時間の関係で折り方の説明が簡略だった。その場で折って見せて納得してもらった。
その際、こういうやりとりがあった。
わたし 「小学生も中学年になると、折り紙で正三角形の折り目を付けて、それに沿って直角三角形をハサミで切り取ることはできるよ。」
切り出した三角定規(学生の提出物より)
わたし「でも、本格的な折り方では、紙を切ったり、紙に線を引いたり、テープで貼りつけたりするのは、よろしくないとされているのだよ。」
学生 「確かに、折り鶴を折るときに、切ったり、描いたり、貼ったりしませんね。」
わたし「多分、奈良平安時代からあるといわれている折り紙には,日本人の美的センスが反映されていて、どこから見ても見た目が綺麗でないといけないとされてきたと思うよ、きっと。」
学生 「オバマ大統領が折った折り鶴はどこから見てもほんとに綺麗ですよね。」
折り鶴
2.「折り鶴」ならぬ「折り三角定規」できますか?
学生 「先生、見た目が綺麗な三角定規を折り紙で作りたいのですが、どうすればよいですか?」
わたし「切り取ることができないので、模擬授業のように1枚から2種類の三角定規を同時に作ることは出来ないけれど、1枚ずつなら出来るよ。実は、コロナ禍でのオンライン授業のときも同じような質問があって、その時に作り方を撮影した動画が残っているから、後で Google Classroom に動画を投稿するよ。少し工程が多くて、作るのに時間がかかるけど、がんばればできるよ。これができれば,三角定規を忘れても紙で作れるようになるね。」
学生 「ありがとうございます。やってみます。」
※動画1
折り紙で三角定規を作ろう!! (30°-60°-90°の場合) 2分32秒
※動画2
折り紙で三角定規を作ろう!! (45°-45°-90°の場合) 2分19秒
学生による「折り三角定規」
3.折り紙は宇宙へ羽ばたく
算数で図形を作る方法の一つとして折り紙が用いられる。折り紙による作図は素朴なように見えてなかなか強力で,定規とコンパスだけでは不可能な角の三等分問題などは折り紙で作図可能である。
折り紙は趣味の世界のことと思われているかもしれないが,それはとんでもない誤解で,折り紙の技術は宇宙ステーションや人工衛星の太陽光パネルを地上から宇宙に運ぶときにコンパクトに収納し,同時に小さな力で大きく開く折り畳み方としてすでに活用されている。次のサイトを参考にして画用紙で「三浦折り」にチャレンジしてみよう。
※三浦折り
(2024/07/25, 橋本 正継)