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高大連携講座を開講しました「『最後の一葉』を変わった視点で読む―高校生のためのアメリカ文学入門」

2023.08.29

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高大連携講座の第3弾「『最後の一葉』を変わった視点で読む―高校生のためのアメリカ文学入門」は島先生が担当しました。

 

この授業は、中学・高校の英語や道徳の授業で頻繁に使用されるO・ヘンリーの「最後の一葉」を教材として使用しました。1905年にアメリカの雑誌に掲載された「最後の一葉」は、同じアパートメントに居住する若い女性の画家の命を救うために自らの命を投げ出す老画家の姿を描く感動的な物語として有名ですが、この物語を執筆したO・ヘンリーがどのような作家だったのか、そしてこの物語の舞台となるニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジという地区が当時はどのような場所だったのか、あまり知られていません。

 

そこでこの授業では、はじめに「作家について調べる」、「作品の舞台について調べる」、「当時の社会背景を調べる」という文学研究の基礎を実践しました。O・ヘンリーには逮捕歴があり、晩年はアルコール中毒であったこと、そして当時のグリニッジ・ヴィレッジは、新進気鋭の芸術家がコミュニティーを形成しており、O・ヘンリー自身も晩年には居住していたことを学びました。

 

次に、「最後の一葉」を一緒に読みました。平易な表現にされた英語学習用のテキストではなく、オリジナルのテキストなので難しい表現がたくさんありましたが、ペアを組んで相談しながら読み進めました。「なぜ北側の窓がある部屋がいいのか?」「なぜ登場人物は言葉を濁しているのか?」など、内容の理解に重きを置いた授業でした。

 

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(主人公の口笛がどのようなメロディなのか、YouTubeで調べました)

 

最後に、授業のまとめとして、O・ヘンリーの人生と当時のグリニッジ・ヴィレッジが「最後の一葉」に与えた影響について学び、命を失った老画家は、O・ヘンリーにとってどのような人物だったのか考えました。

 

以下はこの授業を受講した高校生の感想の抜粋です。

・「高校の授業では受けられないような内容でおもしろかった。物語だったので、教科書とは違って直訳するだけでは足りないところや、続きをそうぞうするところがあって楽しかった」
・「『最後の一葉』を読んでみて、実際に英語で書かれている文学作品を読み解いていくと様々な視点から物語を読むことができ、比喩的な表現が使われている所があるなど、物語の内容を深く考察することができたので、とても面白かったです。今回を機に今後も様々なアメリカの文学作品を読んでみたいと思う。」

 

来年度の高大連携講座でも、文学や文化を学ぶ授業が開講されますので、ぜひご参加ください。