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令和元年英語英米文学会講演会が開催されました

2019.07.30

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7月11日(木)、令和元年の英語英米文学会主催の講演会が開催されました。読売新聞東京本社編集局英字新聞部次長の樋口郁子先生を講師にお迎えして、「記者、ときどき翻訳者」というテーマにてご講演いただきました。
樋口先生には、新聞社の記者という仕事についてお話をしていただきました。最初に、カナダのブリティッシュコロンビア大学大学院を経て新聞社に入社されるまでの経緯、最初の赴任地での仕事、シドニー特派員としての経験、記者としての仕事の概要、仕事の魅力と大変な点についてお話しをいただきました。新聞記者としていう仕事は最初どのように始めるのか、紙面の一つの顔写真の示すことは何なのか、良い記者として要求されるコミュニケーション能力とは何なのか、新聞社で使われている用語の意味は何なのか、まさに初めて聞かせていただくことの連続で、学生達は大いに興味を喚起されたようです。

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さらに、新聞とマスメディアの存在意義を具体的な事例とともに説明をしていただきました。例示された一つの記事が社会の不正行為を糺していく過程に、あらためてマスメディアの持っている大事な意義について考えさせられました。後半は、The Japan Newsを基に、英字新聞の作成現場、翻訳の過程、そして新聞特有の英語の用例を教えていただきました。

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社会とマスメディアの関係、仕事と女性、働くことの意味、学び続けることの必要性、英語と仕事の関係、と多くのことを考える機会を与えていただいた時間となりました。英語はツールであり、自分がこれはという「内容」を持つことの大事さを強調されていたことが印象に残りました。「記者である、ということが一番にある」という先生のお言葉にあるように、まず自分のしたいこと、一番大事にしたいこと、いわば自分のゆずれない核の部分を見つけ、そして、それを活かすためのツールとなるように英語力をつけて、先生のような素晴らしいキャリアを持つことができたらと思った学生がたくさんいることでしょう。

以下、学生達のコメントをいくつか紹介します。

・新聞社の方のお話を聞く機会は滅多にないので、貴重なお話がたくさん聞けてよかったです。新聞がなくなると不正が行われていたり、自分達が生活する上で不利なことがあっても気づくことができないと聞いて、新聞は大切だと思いました。(1年生)

・国際的な場面で取材をして、それをさらに記事にするには、様々な英語の記事がネイティブにも違和感なく伝わるようにしなければならないはずです。留学で学んだ英語だけでなく、本当にたくさんのことを現在も学び続けられていて、いつまでも自分に関心のあることや仕事のことについて調べて研究していくことは重要なことなのだと感じました。(1年生)

・女性目線での働き方や生き方をたくさんお話ししてくださって、参考になりました。
仕事をするにあたり、何をするにも、どんな仕事をするにも、地道に努力を積み重ねることや、人と人との信頼関係を築くことの大切さをあらためて学びました。(2年生)

・SNS上には真実だけでなくデマもたくさんはびこっているため、唯一私たちが信頼できるソースは大手新聞社の記事やテレビニュースだけです。新聞とメディアの存在意義について、本当に共感しました。"decide to" ではなく、"plan" という言葉を用いること、日本語のニュアンスと英語の意味両方を分かって言葉をあてはめていくことが面白くて興味深かったです。(2年生)

・できないことをあきらめるのでなく、一生懸命やることで、人に助けてあげたいと思ってもらうことは大切なのだと思いました。また、訂正記事を出すことは大変なことで、小さなミスも出さないようにしていて、責任を伴う仕事だと思いました。(3年生)

・マスメディアの必要性についても学ぶことができました。毎朝届く新聞、更新されるネットニュース、放送されるTVニュースはそれらを創るために毎日奮闘されている方々のおかげだと思うと、働くって素晴らしいと強く感じました。(3年生)

・英語はツールであって、それを使ってどう伝えていくかが大事だと聞いて、英語表現をただ知っているのではなく、それを使い仕事に活かしていくことができるように、もっと勉強を頑張りたいと思いました。(3年生)

・仕事における魅力や大変さなどを率直にお話くださっていて、私も誠実に他者に接したいと思いました。マスメディアの存在意義も再確認しました。(4年生)

・これだけSNSやネット媒体で手軽に情報を得られる世の中で、新聞の存在意義を考えると、やはり足を運び人との信頼関係を構築した上に得られた情報であるという情報の信ぴょう性の高さにあるのかなと講演を通して感じました。マスメディアの持つ力で世の中を良い方向へもっていけるようになるといいなあと思います。(4年生)

・英字新聞という特殊なキャリアにおいて、翻訳が上手というだけでなく、記者としての技術が伴わなければならないという点に、やはり人間、感情を持つものとして何を自分の大切なコアとするのかが大事なのだと強く感じました。社会に出ても勉強の連続とのことなので、私も樋口先生のようにアップデートを続ける人生にしたいと思います。(4年生)