

令和5年度英語英米文学会講演会が開催されました
2023.12.01
11月16日(木)、令和5年度の英語英米文学会主催の講演会が開催されました。「平和のためのヒロシマ通訳者グループ(HIP)」代表である小倉桂子先生を講師にお迎えして、「ヒロシマの『リアリティ』」を世界に伝えて40年、40 years―Sharing Hiroshima's Reality with the World」という題目にてご講演いただきました。STAYS留学中の2年生を除く英文科の全学生が参加をしました。
原子爆弾投下時に8歳であった小倉先生とご家族の実体験を中心に、先生がヒロシマを世界の人々に伝えるようになるまでの経緯、そして世界の多くの人々に伝えるという行為を通して先生の思われたこともお話いただきました。また、5月に開催された「広島G7サミット」において、各国の首脳の方々に先生がお話をされた様子、ウクライナのゼレンスキー大統領との会話も教えてくださいました。米国バイデン大統領から送られてきた手帳も見せていただきました。平和への強い願いを持って英語で世界の人々に「ヒロシマ」を長い年月にわたって伝えてこられた先生のお話には、強い説得力がありました。講演終了後に何人もの学生達が檀上の先生のもとに向かったことがそれを表わしているものと思います。
今専門として学んでいる英語を使って平和のために何ができるのかを考えてみる―学生達にはその貴重な機会となったことでしょう。ご講演、本当に有難うございました。
以下、学生達の感想を一部紹介させていただきます。
(1年生)
・小倉先生が最後「子どもに戦争を体験させないでください」と言われた言葉にとても心を打たれました。原爆の経験者でトラウマも残っている中では、この言葉の重みが違うなと思いました。またお話を聞いてみたいです。
・今回の講演会で私も原爆の恐ろしさを英語を通して知ることができました。日常や大切な友達を失い、人々の悲惨な姿を目の当たりにした瞬間の気持ちは、きっと地獄にいきなり迷いこまれたようだったでしょう。原爆を再び落とすような時がおとずれないことを祈っています。そして、この地獄を繰り返さないように私たちができることは英語で原爆について語ることだと思っています。
・小倉先生のお話を聞いて、今の広島を誇りに思いました。また子どもの時の話に、とても恐ろしいことが起きたことを実感しました。これからの平和への思いを自分たちがつないでいかないといけないなと思いました。
・私たちは体験をしたわけではないけれど、この出来事を伝えられた人間として伝えていかなければならないと改めて実感しました。今、世界でも戦争は起こっています。自分達にできることは少ないけれど、平和のため何か行動を起こせる人間になりたいです。
・英語を通して、自分の体験や原爆のことを伝えられるという講演を聞くというのは初めての経験で、とても良い機会となりました。自分が知らない話や知識を知ることもでき、次世代にも伝えるという義務が私たちにあると思いました。
・今回小倉先生の講演を聞かせていただき、今までの原爆の話の中で一番リアルに伝わってきたと感じました。また世界に伝えていく中で、英語を話せるということはとても重要なことだと感じたので、英文科での英語の勉強を頑張りたいと思います。
・小倉先生が今日伝えてくださったことを忘れずに私たちが引き継いでいく立場になったと感じました。現在、ウクライナのように戦争が起こり続けており、より平和とは何かについて考える機会が増えている中、このような素晴らしいお話、貴重な経験談を聞くことができて有難かったです。
(3年生)
・亡くなった方の火葬から原爆について考えるのは初めてでした。とても心が痛み、それと同時にまだまだ知らないことが多いと感じました。当時の状況を様々な角度から見て、知って、考えることが今の自分達に必要なのではないかと感じました。今世界で起きている戦争からも目を背けずに、まず知ることから始めていきたい。
・小倉先生が当時見た広島の光景の話からも基町高校の方が書いた絵からもよく伝わってきて、聞いていて恐ろしくなったし、怖かったです。でも、広島に生まれたお陰で、こうやって原爆について学んで伝えていける環境があることに感謝したいと思います。
・いつ何が起きて...というのは教科書や今はネットからも学ぶことはできますが、本当に経験された方からのお話は言葉に重みがあり、知るべきことがたくさんありました。特に、被爆した方に水をあげるお話は、小倉先生からでないと聞くことができなかったと思うし、とても印象に残っています。
・幼い時に原爆の被害にあって大切な人を失うことはとても辛いことで、トラウマになってしまうほどのものだと分かりました。この言葉を忘れないようにしていきたいです。
・子どもの頃の怖い記憶は何10年経っても消えないと思うので、平和に生きられることを当たり前だと思わずに日々を過ごそうと思いました。通訳者としてこのような活動を続けている小倉先生のことをとても尊敬しています。
・小倉先生の活動歴や現在されている活動をとても素晴らしいと思います。多くの人に戦争の実体験をお話されて、世界の人々が心を動かされているのではないかと思います。またG7でのご活躍を記事で拝見し、私もG7の平和シンポジウムというボランティアに参加していたので、平和のために私たちにできることをしたいと思います。
(4年生)
・長らく広島に住んでいますが、原爆の日のことについて知らないことが多く、少し恥ずかしい気持ちになりました。今平和に幸せに暮らせているのは当たり前ではなく、改めて今の生活と周りの人々に感謝をしていこうと強く思いました。そして、もう二度と同じことが起きないように私にできることをしていきたいと思います。
・一瞬で町や人々の命を奪う原子爆弾を今も保有している国があり戦争で使われるかもしれないという状態にあることは、悲しいことだと思いました。
・原爆が投下され、家や食べ物も失い、視力を失った方もいらっしゃって、たくさんの方がお亡くなりになられて、本当に悲惨だと感じました。戦争がまた繰り返されないようにしないといけないと強く思います。
・今まで日本語でしか聞いたことがなかったのですが、英語で聞くことにより、また違った感じがします。本当に苦しい思いをなさり、トラウマにもなった体験談を、後世へ、世界へと伝え続ける活動は素晴らしいと思いました。核兵器を保有する国の人々に届いてほしいです。
・もし原爆が投下された日に学校に行っていたり、家から出たりしていれば、小倉先生も今ここにいらっしゃらなかったかもしれないと知り、被爆をした方々のお話を聞くことができるのは奇跡のようなことなのだと改めて感じました。私は来年から学校の教員となるので、お聞きしたたくさんの経験を少しでも生徒に伝えていきたいです。