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平成27年度 英語英米文学会主催 講演会を開催しました。

2015.05.27

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 5 月23 日(土)、英語英米文学会主催の講演会が、詩人、翻訳家、エッセイストのアーサー・ビナード先生を講師にお迎えして、「『亜米利加ニモ負ケズ』―詩人はどこまで見通せるのか」というテーマで開催されました。

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 ビナード先生は、詩集『釣り上げては』(思潮社)で中原中也賞、エッセイ『日本語ぽこりぽこり』(小学館)で講談社エッセイ賞受賞、絵本『ここが家だ――ベン・シャーンの第五福竜丸』(集英社)で日本絵本賞、詩集『左右の安全』(集英社)で山本健吉文学賞(詩部門)、絵本『さがしています』(童心社)で講談社文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞、ニッポン放送賞受賞を受賞され、その文化的活動によって第33回広島文化賞も受賞されています。

 英語と日本語を駆使されて、優れた詩集や翻訳本を世に出されている先生が、その翻訳作業において、いかに物語世界を深く思索されているのかを知ることが出来、物語に内在する力について再考できるような素晴らしい学びの時間となりました。

 最後に宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」の先生の英訳を朗読していただいた時に会場全体に張りつめた静寂は、そうした先生に対して、講演を聞かせていただいた者が自然に感じた尊敬の念を示していたかのようです。

 「古今東西の詩人が、研ぎ澄まされた感覚と多様性に富んだ言語を駆使して、さまざまな『先見の明』の装置を開発してきました。中には『予言』といっても過言ではない作品も見受けられます。」――これは、ビナード先生による講演レジュメでの言葉です。詩人であるビナード先生にも、また、その「予言」の力を感じたのは、みな同じであると思います。

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