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文学部3年生の2名がタイの大学で日本語教育の研修を受けてきました

2025.10.17

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タイ・スィーパトゥム大学への安田生の日本語教育研修生派遣は、2007年に始まりました。タイ国内の情勢不安やコロナ禍で一時的に中断した時期もありましたが、2025年の現在まで19年間続いています。この間、スィーパトゥム大学の森康眞先生と高橋亜紀先生には、長年にわたり安田の研修生のご指導に尽力いただいております。
 

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今回は、日本文学科3年1組の大内遥さんと英語英米文学科の高田ちありさんが、8月20日から9月18日までの約1ヶ月間、研修に参加してきました。

 

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本学で日本語教員養成科目を担当する宮岸哲也教授も、海外出張からの帰路にバンコクを立ち寄り、スィーパトゥム大学への表敬訪問を行うとともに、研修生2名への激励と指導を行いました。

 

タイの大学で日本語教育の研修を体験した学生たち2名のコメントを紹介します。

 

〔日本文学科3年 大内遥さん〕

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私たちは週に一回、日本の文化を紹介する交流会を行いました。テーマは「夏祭り」です。最終日には割りばしの射的や、的あて、魚釣りをしたり、盆踊りをしたりしました。魚釣りで使う魚や、的あてで使う手裏剣を交流会で学生とともに作成しました。夏祭り当日は個性豊かな魚たちがたくさんいました。また、当日のそれぞれのブースの運営も学生に手伝ってもらいました。参加してくれた学生とともに作り上げた夏祭りはとても楽しかったです。
交流会には様々なレベルの日本語学習者がいました。どのような言葉を使い、説明したら全員に伝わるのか考えるのが大変でした。伝わると思った単語が伝わらず、その場にいた先生が手助けして下さったり、ぎりぎりまでドタバタで準備したりと、準備不足を痛感しました。私たちだけでは上手にできませんでした。参加してくれた学生、面倒を見て下さった先生、すべての方に感謝の気持ちでいっぱいです。楽しいだけではなかったけれども、かけがえのないものを得ることができました。

 

〔英語英米文学科3年 髙田ちありさん〕

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タイで過ごした1か月は、毎日がワクワクと刺激で溢れたものでした。言葉の通じない、知り合いもいない環境で、自分たちだけで生活を成り立たせる必要があり、不安も多い1か月ですが、振り返ると思い出すのはいい思い出ばかりです。短期間のうちにたくさんの人と巡り合い、多様な価値観に触れることができました。
授業実習では、まず日本語を楽しく学んでもらえるよう工夫しました。しかし思うように進まない場面が多く、現地の先生方に何度も助けられました。授業の前日にはZoomで現地の先生と授業の打ち合わせをし、より良い授業を実施するために多くの時間を費やしました。また、現地の先生方はこれまでの教育経験や授業運営のノウハウを丁寧に教えてくださり、その実践的な知恵から多くを学ぶことができました。初めての挑戦ばかりで迷惑をかけることもありましたが、それらの経験が自身の成長に繋がったと実感しています。
さらに授業では特に言葉の壁を感じることが多かったように感じます。日本語を教える立場である以上、学習者の第一言語を理解する重要性を痛感しました。同時に、言語のみならず、学習者の文化的背景を尊重し、相手を理解する姿勢を持ち続けることが必要だということも学びました。
このプログラムに参加し、たくさんの人に巡り合い、たくさんのことを経験し、国や言語、文化を超えて人と人をつなぐ職に就きたいという思いが一層強まりました。この経験を活かし、世界の架け橋となるような人になれるよう学び続けようと思います。

 

2名とも後期の授業開始前に元気に帰国してきました。この経験を今後に十分活かし、学びを深めていくことを期待しています。