
お仕事内容について教えてください。
道の駅やホテル、事務所ビルなどの設計を行う会社で意匠設計を担当しています。設計には、意匠設計、構造設計、設備設計の3つがあり、意匠設計はお客様から「どのような建物にしたいか」という要望を聞き取り、デザインする仕事です。建物全体に関わるため、お客様との打合せ、図面作成、内装選定、確認申請作業、現場監理など、業務は多岐にわたります。

建築の道に進んだきっかけは何ですか?
小学生のとき、改善点のある物件を建築士がリフォームで解決するテレビ番組が好きで見ていました。大学進学を考える際にふとそのことが頭に浮かんで、建築を学びたいと思い安田女子大学を選びました。建築では数学も必要とされますが、もともと文系で数学が得意ではなかったため、勉強についていけるか不安もありました。いざ授業で数学が出てくると、建物や空間などの具体的なイメージをもとに算出するため、「建築の中の数学」として捉えることができ、楽しく取り組むことができました。

大学で学んだことで業務に役立っていることはありますか?
学科では意匠デザインに興味のある学生が集まっており、先生も意匠デザインに強いプロの方。個性的で多彩な感性を持った人々に囲まれて、とても刺激的で学びの多い時間を過ごすことができました。特に印象に残っているのは、設計製図の授業。「学内に美術館をつくる」など様々な課題に対して、各々で計画・デザインし、図面・模型を製作、プレゼンボードにまとめて発表を行いました。これは現在の仕事も同じ流れで、学んだことが業務に直結していると感じています。また、同じ条件でも発表者の数だけ違う案があり、さまざまなアイディアに触れることで、創造力が鍛えられました。

建築士の仕事でやりがいを感じることは?
建築の仕事は、建物を通じてお客様の夢を形にしたり、悩みを解決したりすることができます。お客様のお話からイメージを膨らませ、その理想に近づく仕事ができたときはとても充実感があります。例えば、壁紙の色一つとっても、サンプルと実際に貼られているものでは照明や床の色などで印象が変わります。そのため、意匠設計では全体を把握し、調整する力が必要です。一人前になるのに10年はかかると言われる仕事ですが、当社の先輩が手掛けた「道の駅センザキッチン」のような物件をいつか私も設計したいと考えています。