

卒業研究紹介~齋藤大輔研究室~
2024.10.28
齋藤大輔研究室(生理心理学・神経科学)の岡 涼巴さんは,卒業研究で,能動的なリズム同調が「恩送り」を促進させるのかを調べました。
私たちは養育現場でのお遊戯,地域の祭りにおいて,他者の動きを模倣したり,手拍子で拍を互いに合わせたりするなどして,個々のリズムを同期させることがあります。これまでの心理学の研究から、リズム同調が向社会的行動を促進させることが報告されています。
報酬を期待しないで他者の利益のために行動する向社会的行動の中に,「恩送り」という行動があります。「恩送り」とは,他者から支援や贈与などの向社会的行動を享受した受け手が,その後に別の第三者に対して同じような向社会的行動をおこすという現象です。この恩送りが,先述したリズム同調によって促進される可能性がないかと考え,研究を進めました。
岡さんは,「この研究によって,リズム同調が国や世代など,コミュニティの枠を越えた協力・援助関係に繋ぐ有効手段となる可能性を示すことができればうれしいです」と言っています。
実験の様子です。パソコンのキーを押すと太鼓の音が出力されるようにプログラミングしました。
「ゼミ担当教員である齋藤大輔先生を始め,学科を越えて先生方にも様々な助言を頂き,研究に参加してくださった学生の皆さんにも,本当に感謝しています。」(岡さん)