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私学事業団の研究助成に本学から応募した研究課題が採択されました

2021.04.02

  • 学科コラム

日本私立学校振興・共催事業団の2021年度(第46回)学術研究振興資金に係る研究計画に本学から応募した以下の研究課題が採択されました。

歯周病菌による脳・腸バリア破綻に基づくAD型認知症増悪機序
(ジンジパイン ― PAR2シグナリングによる脳・腸バリア機能変容)

研究代表者:中西 博(薬学科)  新規採択率:15.7%

研究計画の概要:
「アミロイドカスケード仮説」に基づいたアルツハイマー病治療薬の開発は困難をきわめており、病因の捉え方のパラダイムシフトが必要と考えられます。最近、アルツハイマー病患者の剖検脳に主要な歯周病菌であるジンジバリス菌の病原因子(ジンジパインならびにリポ多糖)が検出され、コホート研究により歯周病がアルツハイマー型認知症の増悪因子となることが示されました。本研究は「ジンジバリス菌の産生分泌するタンパク質分解酵素ジンイパインが脳・腸管バリア機能を破綻させ、認知機能低下の引金になる」という着想のもと立案された研究課題で、❶「ジンジパインのPAR2活性化による脳・腸管バリア機能の変容メカニズム」、❷「脳・腸管バリアにおけるジンジパイン-PAR2シグナリングによる認知機能低下メカニズム」、さらに❸「腸内細菌叢の撹乱による認知機能低下メカニズム」を明らかにすることを目指します。研究成果は、弧発性アルツハイマー型認知症の新たな発症メカニズムの提起となり、根本的治療薬の開発に向けた新たな指針となることが期待されます。

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