

乳児保育Ⅱ「赤ちゃんの沐浴(もくよく)演習」
2025.01.08
保育士資格を取得するためのカリキュラムの中に「乳児保育」という科目があります。近年の研究で、乳児のころの体験や育ちが一生の土台となり、その後の発達に大きな影響を及ぼすことが立証されています。そのために保育士の役割はとても重要です。乳児の発達の特徴やかかわり方、発達を促すための保育を学ぶのが「乳児保育」です。理論を学ぶ「乳児保育Ⅰ」と実践力を習得する「乳児保育Ⅱ」がカリキュラムに組み込まれています。
4年制大学で保育士資格を取得する場合、保育所への実習は3年生以降に行くというルールがあるので、「乳児保育」は、実習直前の3年生で履修する科目です。児童教育学科幼保コース(2025年度より幼児教育学科)でも保育士資格が取得でき、3年生で「保育実習Ⅰ」、4年生で「保育実習Ⅱ」に参加します。その為、「乳児保育Ⅰ」は3年生前期に履修をし、「乳児保育Ⅱ」は3年生後期の履修です。
今回紹介する「乳児保育Ⅱ」で行った沐浴(もくよく)演習は、8月の「保育実習Ⅰ」での学びを踏まえ、4年生の6月に参加予定の「保育実習Ⅱ」に向けての事前準備の学びにもなります。
沐浴(もくよく)とは、生まれたての赤ちゃんの身体をベビーバスなどを使って洗うことをいいます。新生児は抵抗力が弱いため、細菌などへの感染を防ぐために大人の入浴とは別に行います。
沐浴(もくよく)演習は、3キロくらいの乳児の人形を使って行われます。事前の沐浴の手順やコツなどを学びますが、最も大切なのは効率よりも、赤ちゃんの様子を見ながら笑顔で、優しく安心させる言葉がけをすることです。沐浴は、赤ちゃんの健康状態を確認したり、清潔にする目的とともに、赤ちゃんと保育者との信頼関係の絆が形成される大切な時間です。
そのため演習では、少人数にわかれ、沐浴演習を行っている様子を動画撮影する役割の人がいます。後から自分の表情や視線、丁寧で的確な所作を確認し、改善点を話し合って学び合います。乳児の人形をいつの間にか本当の赤ちゃんのように大切に抱っこできるようになる頃、自然と沐浴の技術も習得されていくようです。
幼児教育学科になった際にも保育士資格取得希望の方は、「乳児保育」の履修が必要となります。また、一年生から赤ちゃんに関する学びのカリキュラムが予定されています。「赤ちゃん学」の楽しくて深い学びを楽しみにしてください。
頭を打たないように、そっとお尻から赤ちゃん人形を寝かせます。寝かせる時も「お風呂に入ろうね。お洋服、脱ぎましょうねえ」など、人形にやさしい言葉がけをかけています。
沐浴(もくよく)演習の時も、効率的な技術以上に、優しいかかわり方をしているのか確認するために動画撮影をしています。
視線を合わせてあやしたり、歌を聞かせたりと、沐浴(もくよく)演習の後も乳児とのかかわり方が自然と出ているようです。
乳児人形を大切そうに抱くことが当たり前になるころ、保育士になる思いも深まり、次の実習への意欲と自信がついてきたようでした。
文責 西川ひろ子