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「大崎上島町に学ぶ セカンド」学科別セミナー奮闘記⑫

2017.02.21

  • 学生活動

13日の夜7時にいづみ旅館に松本幸市さん(大崎上島出身)に来ていただき、一時間ほど質疑応答をおこなった。質問内容としては、1) 実際に過疎化が進んでいるというだけではUターンの動機にはなりにくいし、何から始めていいのかわからないと思うのだが、何が「デザインオフィスふらっとらんど」代表として独立した原動力になったのか。2) 実際に島に定住した方の影響で、もともと島に住んでいる大人や若者、お年寄りの方、観光客などに変化が生じたか。3) 今後シェアハウスやリノベーションといった今までとは違うスタイルがさらに身近になると考えているのだが、これから大崎上島に多くの人に来てもらうために、私たちのような若者に何を求めるか。4) 松本さんは人と人を「つなげる」お仕事をされているとのことだが、どのような方法で人と人とのつながりを創り出しているのか。また、人と人のつながりを創るときの困難、やりがいなども教えてほしい。5) ずばり、大崎上島の魅力は何か。

以上の質問にたいして、最も印象に残ったのは4) についての回答で、晴と陰(ハレとケ)や陰と陽の観念にもとづき、人を日常と非日常で作ったサイクルの中に組み込むことを大事にしているということだ。たとえば、日々の暮らしは日常であり、観光やシェアハウス、祭りなどは非日常である。このように、日常と非日常のサイクルがうまく機能すれば、かならずしも観光地ではない大崎上島にもまた来たいと思ってくれるという考えが、松本さんが人を呼ぶためにしていることの根底にあるものではないかと感じた。また、人と人をつなげることや、地域おこし、シェアハウスなどに共通することの1つとして、「楽しむ」という気持ちを大事にされていることも重要なポイントだと感じた。

私たちは質疑応答を終えたあと、午後9時から実際に松本さんが経営している山尻シェアハウスを訪問した。伺った当日は、普段からシェアハウスで生活している方2名に加え、松本さんと仕事のお付き合いをしている方や大崎上島の地域おこし協力隊の方など、7人の方がイノシシの鍋を囲んでいた。シェアハウスをしている家は築約70年になる古民家で、居間やキッチン、それぞれの生活スペースがあり、普通の家となんら変わりはなかった。しかし、シェアハウスをするうえでのルールが明記されていたり、協力してご飯を作ったりという様子を見ることができた。

シェアハウスでは普段のとりとめない会話にくわえて、仕事の話や、いかに大崎上島を広めるか、将来の夢などについて様々な意見が飛び交っていた。自分とは異なる価値観や考え方を持っている人と交流ができるので、移住を考える人専用のシェアハウスだということに納得がいった。このシェアハウスに集まってくる人はそれぞれ目的意識を持って島を訪れていたので、短い時間ではあったが非常にいい刺激を受けた。移住という思い切った行動の是非について考慮するには、このシェアハウスのような場所は非常に重要な役割を果たしていると感じた。(中村)

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山尻シェアハウス外観

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住民の方々と一緒に