• キャリアストーリー

生物科学科

廣瀬 花穂さん

池田糖化工業株式会社 第一開発室

キャラメルソースやフルーツソースなど、コンビニやスーパーなどのスイーツに使われるデザートソースを開発。

お仕事内容について教えてください。

コンビニやスーパーで販売されているデザートのソース、例えばプリンのカラメルソースやフルーツ果肉入りソースなどを開発しています。まずはお客様の依頼に応じたサンプルを作り、それをもとに「もっと酸っぱくしてほしい」「もっと果肉を増やしたい」といった要望に応じながら何度も調整を加えます。着手から完成まで、約1か月でできる場合もありますが、数年かかることもあります。開発業務以外にも見積書や食品規格書の作成、後輩の指導、工場でのスケールアップ製造などにも対応しています。

食品業界に進んだきっかけを教えてください。

高校生のときは製薬の仕事に興味があり、生物・化学を学べる大学を選びました。いざ就職活動で色々な企業の説明を聞くと、商品開発の仕事が楽しそうに感じ、食べることも好きだったため食品業界を志望。特に当社の商品開発はデザートに加え、調味料やダシなどのセイボリー系(塩味を含む味つけの総称)も取り扱っていたため、さまざまな経験ができると思い入社しました。デザート部門では女性も多く、後輩の試作をチェックしたり、同僚と新製品のスイーツを試食したり、個々で仕事を担当しながらもチームで楽しく仕事に取り組んでいます。

どんなときにやりがいを感じますか?

自分が関わった製品がスーパーやコンビニに並んでいるのを見たときに喜びを感じます。SNSやテレビ番組などでも、おいしいというコメントや話題になっているのを見かけると誇らしい気持ちになります。この仕事に就く前は自分の好きな物だけを食べていたのですが、新フレーバーや話題になっている商品など、多種多様な食べ物に挑戦するようになり、「食」に対する視野が広がったと思います。

商品開発で大切にしていることを教えてください。

開発では主観で考えず、お客様がおいしいと思う味を作ることを大切にしています。「食は科学」と言われるように、糖度や酸度を計算しながらおいしい味を作り上げます。例えば果肉入りのストロベリーソースを作る場合、まずは果肉の選定から始めます。果肉の品種によっても色や硬さが異なるので、お客様の要望に合った果肉を決めて、糖度計算や酸度計算をして甘みや酸味を付けていきます。私は大学で希少糖の研究をしており、仕事で直接その知識を使うわけではないのですが、生物・化学の基礎を学んだことは食品開発にも役立っています。

さまざまなものを見て経験して、視野を広げることが大切だと思います。私は就職活動までは食品業界を希望していませんでしたが、楽しそうという感覚に従って食品開発の世界に挑戦。実際に面白くてやりがいのある日々を送っています。最初から諦めたり決めつけたりせずに、色々なことに挑戦して視野を広げてください。