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西川ゴム工業株式会社で経営戦略について討議しました

2017.07.25

  • 学生活動

2017年7月10日(月)、現代ビジネス学科古山ゼミは市内西区三篠町の西川ゴム工業株式会社様(以下敬称略)を訪問しました。今回は少しくわしく、私たちのゼミ活動についてご紹介します。

この訪問はアドホックな見学ではなく、明確な目的と準備のもとに実施している体系的なプログラムです。とくに、次の流れで進めています。
1) 事前に経営学の専門文献をピックアップし、ゼミで講読する
2) 特徴のある在郷企業を選択する
3) その競争環境をデータにもとづいて分析し、競争力源泉の所在について仮説を立てる
4) ゼミで議論をかさね、作成した質問票を事前にお送りする
5) 経営プランナーの方と現状並びに課題をめぐって議論する
6) 帰学後にケーススタディ・レポートを執筆する
7) ご訪問した企業に郵送する

今回は主に「事業ドメインの位置づけ」という視点から、西川ゴム工業社員の皆様と議論しました。企業は市場に財・サービスを供給する事業主体ですが、製品の物理的性質に立脚して市場に訴求する場合と、市場の声を広くとらえて製品をポートフォリオ化して柔軟に展開していく場合とで、大きく見ると企業ごとに偏りがあります。その立ち位置をどこにとれば合理的かという問題は、経営戦略における基本テーマの1つです。

私たちは西川ゴム工業がゴムという素材を応用し、自動車のドアウェザーストリップ(風雨を遮蔽するためにドア周りに配置される部品)を主力商品として製造していることに注目しました。特殊部品を製造し、高度な独自技術を培ってこられた同社が、ゴムという素材を改良しつつ、市場からのニーズにどのような姿勢で対応しているか興味をいだき、仮説を立てて臨みました。

いつものことですが、どんなに事前学習にとりくみ、鋭い仮説を立てたつもりであっても、1世紀に及ぶ歴史をもち、技術を磨き上げてきた企業の行動の本質に到達することは困難です。今回も、仮説が部分的に否定されたり、もっとゆたかな視点を多数ご教示いただいたりと充実した時間をすごすことができました。

管理本部経営企画部主任、宇根様を初めとして、貴重なお時間をさいていただいたことに深く感謝申し上げます。今回の経験は、ゼミ生と検討をくりかえし、広島と日本の次代をになう学生を育てるための糧とさせていただきます。(こ)

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