公共経営学科
現代ビジネス学部 公共経営学科

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防災合宿Vol.2 「誰かがやる」から「自分が動く」へ―災害時に学生一人ひとりができること【後編】

防災合宿Vol.1では、自衛隊による災害ワークショップと、平成30年7月豪雨を経験した大学職員へのヒアリングを通して、災害時に必要となる知識や技術、判断について学びました。しかし、ここからが今回の防災合宿の本番です。公共交通機関が止まり、大学から帰ることができない――。 学生たちは「帰宅困難者」として、実際に大学で一晩を過ごしました。

▶自分も困っている。でも、誰かのためにできることがある

今回、学生たちに与えられたのは、単なる「避難者」という立場ではありません。 自分自身も災害の影響を受けている「半当事者」でありながら、周囲を見て、自分にできることを考える「半支援者」でもある。その両方の立場を経験しました。 そして、この合宿では「救護係」「食事係」といった役割を、あえて事前に決めませんでした。災害は、誰かが自分に役割を与えてくれてから起こるわけではないからです。
「今、何が起きている?」 「困っている人はいない?」 「自分にできることは?」
周囲を見て、自ら気づき、考え、必要なら仲間を巻き込んで行動することを重視しました。


▶「ある」ことと、「足りる」ことは違う

食事は非常食のみ。 実際に食料を配り、食べてみると、それまで見えていなかった疑問が次々と生まれます。
「数、足りてる?」 「食物アレルギーがある人は?」 「水はどのくらい必要?」
備蓄品は「あるから安心」ではありません。 誰が使うのか。何人分必要なのか。誰かが取り残されていないか。
実際に自分たちが使う側になって初めて、「備える」という言葉の意味が具体的に見えてきます。


▶「知っている大学」を「災害時に動ける大学」へ

合宿2日目は、キャンパスを防災の視点から探索しました。 AED、消火器、救助袋、担架などの救助・防災用具について、どこにあるか、どう使うのか、災害時に本当に使用できるか、周辺に危険箇所はないかを実際に歩いて確認しました。 普段毎日通っている大学でも、「場所を知っている」ことと、「災害時に行動できる」ことは同じではありません。

▶「知っている」だけでは、使えない

さらに、断水によって水洗トイレが使用できない状況を想定し、災害用トイレの設置と使用方法も実践しました。 袋をどのように取り付けるのか。 使用後はどう処理するのか。 凝固剤を入れると、どうなるのか。 いざというとき初めて説明書を読むのではなく、平時に一度使ってみることの大切さを体感しました。
そして、生活してみなければ見えてこない課題は、トイレだけではありません。
スマートフォンを充電できなかったら。 家族と連絡が取れなかったら。 着替える場所がなかったら。 体調が悪くなったら。
同じ場所で過ごしていても、困りごとは一人ひとり違います。

▶「避難者=お客様」ではない

避難所運営体験では、さまざまな事情を抱えた人への対応にも取り組みました。
合宿後のリフレクションでは、 「避難者であっても、指示を待つだけの『お客様』になるのではなく、自ら進んで動くことが大切だと気づいた」 「自分が満足していても、他の人が満足しているとは限らない。意識して周囲を見なければ、困りごとには気づけない」 という声が寄せられました。
一方で、 「誰かがやってくれると思ってしまった」 「自分の判断が正しいか不安で動けなかった」 という振り返りもありました。 うまく動けたことだけが、学びではありません。 「あのとき、自分は動けなかった」 そのことに自分自身で気づくことも、次に同じ状況に直面したとき、一歩を踏み出すための大切な学びです。

▶災害時に「学生一人ひとりができること」

合宿の最後には、2日間の経験を振り返りながら、 「大学が備えるべきこと」「学生自身ができること」 を整理しました。


この2日間で学んだのは、防災の知識や技術だけではありません。 自分自身も困っている状況で、周囲を見ること。 誰かの指示を待つのではなく、自分から一歩を踏み出すこと。 そして、一人ではできないことを、周囲と協力して解決すること。
「誰かがやる」から、「自分が動く」へ。 いざというとき、最初の一歩を踏み出し、周囲の人と支え合える学生を目指して、公共経営学科の防災の学びは続きます。
今回の経験や学生たちの気づきを後期の学びへつなげ、今後は学生自身の視点から、本学の学生に必要な備えと行動をまとめた「学生向け防災マニュアル」の作成に取り組みます。

※本プロジェクトは、広島市安佐南区「地域課題解決に係る教育研究委託事業」の支援を受けて実施しています。
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