幼児教育学科
教育学部 幼児教育学科

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授業紹介「音楽表現の基礎」 ~楽譜のない合唱~

1年次前期に開講される「音楽表現の基礎」の授業は、1組から3組のクラス毎に受講します。
前半の10コマでは音楽理論の座学とクラス合唱を行いました。クラス合唱では、私の音楽の授業において伝統的に歌い継がれる二部合唱「ふるさと」(作曲:youth case 作詞:小山薫堂)を扱いました。 ポイントは「楽譜を配らない」ことにあります。幼児教育・保育の現場では、子どもたちが楽譜を持って歌うことは、ほぼありません。前に貼り出された歌詞を見て、保育者が歌ったり弾いたりする旋律を耳で聴き、子どもたちは繰り返し歌う中で、懸命に覚えようとしているのです。その子どもたちの大変さや難しさを疑似体験することで、合唱を教える側の難しさにも気づくということが、この合唱の目的でした。
もう一つのポイントは「笑顔のベクトル」です。子どもは保育者と共に歌うとき、常に保育者に「自分を見て」という「笑顔のベクトル」を発しています。そして保育者と目が合い、保育者が微笑んでくれた瞬間「自分が認められた」と感じます。音楽に必要な集中力や緊張感を含んだ楽しさが生まれる瞬間です。学生たちも笑顔で歌うだけでなく、そのベクトルを指揮者である私に向けることで、子どもたちの気持ちを疑似体験するとともに、子どもたち全員に笑顔のベクトルを送ることが出来るよう、保育者も常に笑顔で歌うことの重要性を知ることができたようです。

入学してすぐに「楽譜のない合唱」に挑んだ1年生たち。最初は戸惑いをみせていた学生たちも、入学して3ヶ月経たない間に一気に成長をみせ、最終的には素晴らしい合唱を作り上げました。
「笑顔」で歌うことは大切です。その「笑顔の意味」を知ったとき、彼女たちは保育者として歌を教えるためのスタートラインに立ちました。
その顔は、3か月前に比べて、少し大人びて見えたことは言うまでもありません。

【文責:長友洋喜】