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心理学Q&A 「心理学の研究では、どのような方法が使われるのですか。」

2015.04.02

  • 学科コラム

Q.心理学の研究では、どのような方法が使われるのですか。

A.心理学の研究法としては、まず私たちが日頃から人を理解するために使っている方法があります。それは、人の行動や態度をよく観る「観察法」とじっくりと話を聴く「面接法」です。見たり聞いたりすることは日常生活の中で自然にやっていることですが、意外と見落としたり聞き間違えたりして誤解することが多いものです。これは私たち人間のくせでもあります。だから、ただ「見る」のではなく注意深く「観る」こと、ただ「聞く」のではなくじっくりと「聴く」ことの訓練が必要となります。

次に、日頃はあまりしないけどどうしても必要なときに試したり調べたりすることがあります。スーパーやコンビニのレジの前にガムやいちご大福を置いたら順番を待っている人がそれに手を伸ばすかどうかを試す「実験法」がそのひとつです。また、地域の公園のあり方を住民がどう考えているかを調べる「質問紙調査法」もあります。しかし、どちらの方法もただ試せば調べればわかるというものではありません。しっかりした手続きを踏むことによって知りたいことがわかるのです。

さらに、心理学特有の研究法があります。それは一般に心理テストといわれる「検査法」です。その人がどんな性格なのか、どのような能力があるのかなどを調べる専門的な心理検査がいくつかあります。これらは心理ゲームのようなお楽しみのためにするものではないので、それぞれの検査の特徴と限界を踏まえた上で、しっかりとした手続きのもとで行わなければいけません。

心理学を学ぶ際には、これらの研究法を体験的に学習します。そして、その学んだことが私たちの生活の中で、人の行動や心をよりよく理解するのに役立つのです。