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在学生コラム:「家に帰る」

2015.07.13

  • 学科コラム

 安田女子大学の英語英米文学科には、さまざまなバックグラウンドを持った学生がいます。今回ご紹介する2年生の長谷川彩さんもその一人です。彼女は幼少の時に10年間アメリカで過ごしました。アメリカ滞在中と日本に帰国してからの彼女の体験記をご覧ください。


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「家に帰る」

 私は10年間、アメリカのオハイオ州にあるフィンドレー(Findlay)という町で暮らしていました。2歳になる前にアメリカに行き、11歳の時に日本に戻りました。アメリカが私の家でした。周りを見ると色々な外見の人がいましたが、人種だとか髪や肌や瞳の色だとか、そんなことはどうでもいいことでした。喋っている言語が英語だとか日本語だとかも些細なことでした。

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 私は環境に恵まれたのか、優しい人たちに囲まれて育ちました。近所の人たち、バスのドライバーさん、ランチマネージャーさん、先生にクラスメイト、友達とその家族。皆のことが大好きでした。上下関係などはなく、皆が対等に接してくれました。年上にも年下にも友達がいて、敬語を使ったり気を遣ったりすることがありませんでした。なので、日本に戻ったときは大変でした。未だに年上の方に敬語を使うのにも、年下の人に敬語を使われるのにも慣れません。年齢はその人の「偉さ」とは関係がないと思ってしまいます。若くても賢明な人はいますし、大人にも愚かな人はいます。努力はしているのですが、慣れるのは当分先になりそうです。

 もう一つ、日本に来て大変だったのが、英語ができないといけないことです。おかしな話だと思われるかもしれませんが、アメリカにいた時は別段英語を意識したことがありませんでした。そこにあるのが当たり前すぎて、気にも留めなかったのです。しかし日本に来てからは、私は帰国子女なので、英語ができないといけないみたいです。けれどアメリカに10年住んでいたとはいえ、小学校までなので難しい単語は分かりませんし、品詞のことや文法の理屈を尋ねられてもさっぱりです。英訳や日本語訳も日本に来て初めて体験しました。私はアメリカに英語の勉強をするために行ったのではないので、分からないことの方が多いです。語彙力がないのが特に致命的なので、最近はボキャビル本を読んだり解いたりしています。私は英語、というよりもアメリカの事が大好きなので、なんとか勉強も頑張れています。
 

 STAYSのおかげで半年間ですが、ようやくアメリカに帰れます。住民としてではなく留学生として、英語を勉強するために行きます。それは少し寂しいけれど、前に進むということだと思います。

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さて、いかがだったでしょうか。単に外国に長く住んだからと言って、外国語が簡単に修得でき、その能力がずっと維持できるわけではありません。しかし、長谷川さんは日本に帰国後も、そして英語英米文学科に入学後も、一生懸命英語の勉強を続けています。その結果、彼女は現在TOEICで950点近くの高得点を取得しています。彼女の努力と挑戦はまだまだ続きます。STAYSでさらに飛躍されることを願っています。